理不尽
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「初めて来たな、騎士団」
「私は2回ぐらいあるよ」
「騎士…………というか天使に振り回されたことあるしな…………」
一年ちょっと前かな?
「なんか苦手なんだよな、世界に仕えるってのが」
神の加護関係なく集まった国々の集合体、連合国。
その戦闘集団が騎士団だ。
人類を守護する者たち、それが騎士。
自由の象徴である冒険者と対を成す、政権の象徴。
自由に憧れた身としては、苦手意識を持ってしまっている。
門番に内部へ案内され、団長室に到着する。
「あんたは…………」
見覚えのある顔が。
「天使…………!」
超迷惑の元凶、魔眼持ちの天使、セナ。
「お久しぶりです。アルタイルさん」
「…………あれ?そんなキャラだっけ?」
「こちらが素です」
あ、キャラ付けなのね。
「いいかしら」
そう切り出したのは、短髪黒髪の少女。
めっちゃ目が鋭い。クール系かな?
「私は騎士団の団長及び筆頭騎士の《シズク》。よろしく、《黒き剣士》」
「…………アルタイル=アリエルです」
「アリス=アリエルです」
「…………貴方達、どういう関係?」
「「え?」」
騎士の問いに思わず戸惑う。
「どういうと言われても…………」
「夫婦としか…………」
「「…………」」
天使と騎士は頭を抱えた。
「「?」」
「実は、私たちと《黒き剣士》を政略結婚させようとしている者たちが多いのよ」
「…………はぁ⁉」
イミガワカラナイ!
「なんでそんな⁉」
「貴方、自分の評価を分かっているの?」
「へ?」
「《聖騎士》ディオン=クリンスを超える最強の冒険者として重鎮から注目されています」
「うっそぉ…………」
知らなかった。
「…………」
アリスが静かに激怒している。
怖い。こんなアリスを俺は今まで見たことがない。
「…………私は正直、どちらでも構わないわ。結婚しても何か変わるわけでもないのだから」
さらっと騎士団長から漏れ出た禁句に、アリスが超速で反応する。
「アルは絶対渡さない!」
「あら、冒険者が一夫多妻っていうのはよくあると思うけど」
「まあまあシズク、アリス様の言葉もごもっともです」
「…………」
アリスがまるで犬のようにガルガル…………と唸っている。
眼も正に野生。
ワンチャンあると信じて――
「あのぅ、それってお断り出来――――――」
「無理だと思いますよ?」
「無理じゃないかしら」
デスヨネー…………
王族の命令って断れるやつじゃないしなー…………。
え?マジでどうする?
この新婚生活真っ只中で修羅場は勘弁、マジで勘弁!
「じゃあ、決闘とかでどうにかなりませんでしょうか!」
我ながら何を言っているのだろうか。
「いいわよ」
「へっ?」
「決闘で叩き潰して、お婿にしてあげる」
コッエ――――ッ!
ここは強気に
「ああ、かかってこい。騎士団長様」
「あらあら、それでは私もやってみましょうか」
天使⁉
「あんた戦闘能力あるのかよ?」
「いいえ、しかしバフをかけることぐらいはできます」
「わ――」
アリスが言う前に、俺が静止する。
「ごめん、アリス。ここは俺が終わらせる。だから、見守ってくれ」
「…………分かった。けど、勝ってね」
俺は安心させるためにニカッと笑い
「ああ、任せろ」




