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迷宮


「わぁ……!」


村を出て数日、冒険者の街 《アースリア》へと到着。


「ギルドはっと……」


しばらく歩いていると、そこにあった。


「ここが、ギルド……」


「いらっしゃいませ。本日はどんなご用件でしょうか?」


受付の女性は営業スマイルで問いかけてくる。


「冒険者登録を」


「分かりました。それではこの用紙に記入をお願いします。」


差し出された紙には名前、年齢、主武器、戦闘方法の記入欄があった。アルタイル=アリエル、十四歳、刀、剣術、炎。


「ありがとうございます。この炎というのは?魔法でしょうか?」


「まあ、そんな感じです」


実際のところ僕にも分からない。炎を出す魔剣では無いのに、金の炎を放出する。そもそもこの神威はモンスターを倒すことでその命を吸収し、その強度と切れ味を向上させるという、対モンスター用の魔剣なのだ。


「それではこのカードに闘気、もしくは魔力を通して下さい」


俺は闘気を通す。そしてそのカードに文字が刻まれていく。


「うおっ……」


「登録完了です。あちらの掲示板に依頼が貼ってあります。ダンジョンに潜られる場合はダンジョン入口の係員にカードを見せていただければ大丈夫です」


「ありがとうございました!」


僕は早速ダンジョンに入ってみた。


「暗いな……」


「ガウッ!」


現れたのはシルバーウルフ五匹。二十七層のモンスター。


「修行の成果を試してみるか!」


神威は宿に置いてきたので、武器屋で買った黒い片手剣 《ナイトプレート》を引き抜く。


「ふ~っ」


呼吸で落ち着き、足に力を込める《アクセル》。素早く接近する。そして、


「せあっ!」


上段斜め斬り 《スラスト》。《剣技》。神が人間全員に与えた力。特定動作のブースト。


「まずは一体、次!」


今度は突進しながらの左薙ぎ。型て水平斬り《リオ・イクス》。一気に三体を吹き飛ばし、


残り一体。この個体は……。


「リーダー個体………」


それは群れの中で一番強い個体。これは……一撃では倒せそうにない。


(それなら)


剣を右後ろに構え、腰を少し低くする。


「ガウッ!ガアアッ!」


「ハアッ!」


向かってくる狼の胸に一撃、一回転し首の後ろに一撃、左側面に一撃、そして最後にジャンプしたウルフの下に入り、掻っ捌く。計四連撃の剣技 《エクシア》。


「ふぅ……」


パチパチパチ……誰かが手を叩いている。


「誰⁉」


そこには水色長髪の男?女?が立っていた。


「いやぁ、いいもの見せてもらったよ。新人にも希望はあるもんだなぁ」


「あなたは?」


「俺?俺はアース。《マティリス・クラン》の剣士さ」


「マティリス・クラン……」


この街でも有数の、最高峰クランの一つ。その剣士はこんなことを言い出した。


「俺の弟子にならないか?」


「えっ?」


「君、中々見どころがある。Lv1にしてはなかなかの動きだったよ」


「はあ…………」


「それで、君に損はさせない。俺の《流水剣》を教えよう」


「流水剣?」


「ちょっと打ち込んでみ」


「分かりました。セアッ!」


「よっと」


僕の剣は簡単に受け流された。かなり強めに振ったのに。


「これが流水剣。受け流し、反撃する。カウンターに最も効果を発揮する剣術さ」


(凄い。あんな無防備な状況から剣を抜き、間に合わせた……。それにあの剣筋、ゆっくりだった)


「ご指導、よろしくお願いします!」


「うむ」


それから指導が始まった。流水剣の基本。緩急を付け相手を翻弄させ、神速の斬撃を叩き込む。

流水剣に合う剣技もいくつか教えてもらった。


「この剣を見ておいてくれ」


腰に剣を納めた状態から引き抜き、岩を斬った。――反応できる気がしない。


「今のは?」


「抜刀術。本来は刀でやるものなんだけど」

――――神威でなら――。


「お前はどこのクランに入る予定なんだ?」


「まだ決めてません」


「それならうちの試験を受けてみろ。登録はしといてやる」


「いつですか?」


「明日だ」

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