ジョブ決め、転移
「「「ゲート・オープン!」」」
異世界への扉が開く。
生体認証を済ませ、神経リンクに成功。
≫ヒーローズ・ファンタジーへようこそ
女性風の機械音声のメッセージ。
≫最初にキャラクターを作成します。
選択肢に出てきたのはこんな感じ。
剣士
剣に特化した攻撃特化仕様。攻撃速度、移動速度、回避率に補正がかかる。
騎士
鎧と盾で味方を守護する防御型。防御に補正がかかる。
魔法師
魔法を扱うエキスパート。最大魔力値に補正がかかる。
召喚士
妖精を召喚し、その力を借り受ける召喚術の適正が高い。
調教師
モンスターを従える能力が高い。
弓兵
弓の命中率が高く、速度に補正がかかる。
暗殺者
短剣とナイフの命中率、クリティカルに補正がかかる。
治癒師
回復魔法の適正が高い。
鍛冶師
武器の修繕、作成が出来る鍛冶に適性を持つ。
錬金術師
オブジェクトを分解、再構築出来る錬金術の高い適性を持つ。
槍士
槍の命中率、回避に補正がかかる。
…………多くね?
多すぎるだろ。
ジョブシステムがあるゲームってあんまりやったことがないんだよなぁ…………。
プレイスタイルに当てはまるのは…………
剣士、か。
結局、この世界でも剣士かぁ…………。
初期装備設定。
デザインが気にいったので、黒シャツに長い黒ローブと同色の長ズボン。
問題は剣だ。
命を懸けることになる相棒を――
…………って、この世界で命は懸けないだろ…………。
どんだけあの世界に影響されてるんだよと、自分が心配になる。
このゲームにはレベルが無いらしい。
ただ、ステータスは上昇し続けるみたいだが。
一番重そうなのは…………こいつか。
《シルバーブレイカー》
白銀の大剣。
女神の祝福を受けた刀身は闇を祓う。
他のは全部軽そうだからな。
ベールリオンよりも軽いのしかない。
まあ、この大剣もそうだが。
この世界でも、黒き剣士、か……。
最後に。
≫アカウント名を決めて下さい。
胸の高さにホログラフィックキーボードが現れる。
ローマ字、英語しかなさそうだな…………。
俺は迷った。あの名をもう一度名乗ることを。
ギルガメッシュ。
いや、違う。
黒き剣士は―――
Altair
この名を、もう一度名乗ることにする。
≫アバターはランダムで精製されます。よろしいですか?
OK
仮想体に感覚が生まれ、下に落ちていく。
「…………は?」
落ちる――――⁉
こういうのって普通、《はじまりの街》スタートじゃないんですかね⁉
なんでその街が俺の下にあるんですかね⁉
「うわああああああ⁉」
ピンポーン
は?アナウンス?
『スキルを発動させ、衝撃を相殺しましょう!』
…………無茶言うなああああ!!!!!!
刻一刻と地面が迫る。
…………クソッ、こうなったらやけくそだ…………!
片手剣単発上段斬り 《スラスト》の構えをとる。
―――――キィイイイイン!
剣技の発動音。
「な…………⁉」
驚愕の間もなく、身体は自動的にモーションを起こし、地面を斬りつけた。
あの世界で鍛えた受け身をとり、着地する。
「あっぶねぇ…………」
何故スキルがこの世界にあるのかはさておき、このゲーム、鬼畜すぎんだろ…………。
「おーい、兄さーん!」
「へ?」
俺に声をかけたのは、白銀の髪で眼鏡をかけた青年。
「お前…………優也、か……?」
「そうだよ、兄さん眼が青いだけだね~」
「お前は違いすぎるみたいだがな」
「あはは…………」
「アリスは?」
「まだ来てないよ?」
そうか、と返そうとした時だった。
「きゃああああああああああああああああ―――――――――――っ!!!!!!」
「あ⁉」
「え⁉」
黄金の髪に青い瞳、それに細剣…………。
「アリス⁉」
「そのまますぎるでしょ⁉」
ほぼ半泣きじゃないか!
…………ん?
アリスが剣を構えた。
それはいい。
スキルで衝撃を相殺するためだろうから。
だけど。
その構えが…………。
「アリスの奴…………《コスモスター・レスティング》を撃つつもりか⁉」
「なに?どういうこと?兄さん!」
「逃げるぞ優也!アリスは最強技を放つつもりだ!」
「…………嘘でしょぉ⁉」
同時七連撃が地面に炸裂。
「あちゃ~…………」
「ううっ…………」
「アルぅううう!」
「ぐはっ!」
アリスが猛スピードで抱きついてきた。
「怖かったよぉ~…………」
「よ~しよし、もう大丈夫だからな」
「兄さん、ちょっとイチャイチャする時間はなさそうだよ」
「え?」
アリスのスキルの衝撃でみんな見に来てる。
「…………逃げろ!」
アリスを抱えて走る。
優也もそれに続いてくる。
「兄さん、先に言うけど、僕は《アリッド》だから!」
「俺はアルタイル!」
「私アリス!」
「本名⁉」
「あー………まあいいや!とにかく逃げるぞ!」
「待って兄さん!」
やっとゲーム本編に入れました。
さあ、新しい世界の始まりです!




