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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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53/212

2000年後の明日

お待たせしました。

第二部・《英雄王・勇者編》スタートです!


~あらすじ~

ニューワールド・ファンタズム(NF)クリアから三か月。

黒き剣士だった少年、星川鉄也は《アリス》と一緒に、平和な日々を過ごしていた。

しかし、それを一通のメールが打ち砕いた。

『ここで待つ。あの時の白で』

そのメールに添付されたURLの先には、ゲームのホームページ。

《彼》を見つけるため、少年と少女は異世界に飛び込む。

NFと同系統のVRMMOであるゲームの世界。そこには、あの世界とは違う現実があった。

《ヒーローズ・ファンタジー》。

 プレイヤー全員が勇者であり、協力してラスボスの魔王を倒す王道RPG。

その世界で、二人の女子と再会する――――――――――――。


 唇に、柔らかい、同質のものが触れた。

「おはよう、アル」

俺の上に乗っている少女は、別世界の剣士 《アリス》。あの《世界》では俺のお嫁さんだった女性だ。こう見えて、アリスの身体は機械で出来ている。開発者が言うには、人間の性能を再現しているそうだが……最後の《あの言葉》を思い出したら、たまに恥ずかしくなる。さっきの感触は、アリスが俺にキスしたのだ。


「……アリス…………寝起きキスは勘弁してくれ……」

「だってアルが全然起きいんですもの」


あれから、ニューワールド・ファンタズムをクリアしてから三ヶ月が経った。

一ヶ月前、どうやって調べたのか知らないが、突如家に来たアリスは、俺の家族の前でこう宣言した。『私は鉄也君の嫁です』と。それ以降、アリスはこの家で暮らすことになり、半ば同棲状態になっている。

 俺とアリスは、新たな日々を過ごしていた。


「おはよー……」


二階の部屋からリビングに降りると、家族たちが待っていた。


「おはよう兄さん、またアリスさんに起こしてもらったんだね」

「うるせーやい」


 眼鏡をかけた弟、《優也》は、朝から新聞を読んでいる。


「まったく、どうせ兄さんはキスして起こしてもらったんだろ?」


流石我が弟、よく分かっているじゃないか。


「なんで知ってるんだよ!」


俺の指摘に優也は笑って、


「だって二人共同じ部屋で寝てるんだから、ある程度の想像はつくさ……それに、こうも目の前でいちゃつかれると、流石に…………ね」


優也の視線の先には、俺の隣に座り、腕を抱くアリスが。


「あー……」

「テツとアリスちゃんはラブラブだものねー」


母さん…………《星川由美》の発言に、ちょっと恥ずかしくなる。

父さん、《星川紘一》は仕事で県外に赴任中。俺が目覚めて家に帰って来てから数日で戻ってしまった。


「さ、急がないと遅刻するわよ」


母さんに急かされ、朝食を食べきる。


「急ぐよ、兄さん!」

「おーう、今行く!」


 俺たちは同じ学校の同じクラスに通っている。

容姿はまったくと言っていいほど似ていない。二卵性の双子なのだ。


「行ってらっしゃーい!」


アリスに見送られ、俺たちは学校に走る。

二年の空白があった状況で、高校に合格できたのは奇跡だろう。


「ちょっと、ゆっくりしすぎたかも!」

「だから急ごうって言ったのに!」

「しょうがねぇだろ、じゃあお前は可愛い彼女を振り切れるのかよ!」

「…………無理だよ」

「だろ⁉」

「…………兄さんは、アリスさんと将来を誓ったんだった………ごめん兄さん、無理だね」

「分かってくれたならよろしい」


―――それはそれとして…………。


「ヤバい、ペース上げるぞ!」

「うん!」


俺達は人にぶつからないように全速力で走った。

もちろん、《アルタイル》のような速度は無い。あの世界は、遠い過去の記憶だ。

あの世界から脱出したプレイヤー全員が社会復帰できたそうだが、記憶が残っていて、家族との別れに耐えられなかった者も少なくなかったそうだ。


「はぁ、はぁ…………」

「間に合った…………」


二人で校門を通過し、呼吸を落ち着けていると。


「こらー!あんた達遅ーい!」

「うげっ、麗香…………」

「うげって何よ、うげって!」


この小うるさい女は《小八木麗香》。俺達の幼馴染である。


「まったく。どうせテツヤがアリスさんとイチャイチャしてたんでしょ?」

「うぐっ…………」


百点満点の回答でございます。


「アンタ、優也に迷惑かけすぎ」

「否定できません」

「まあまあ、兄さんも悪気はないんだし…………ね。麗香ちゃん、許してあげて」

「優也がそう言うなら…………」


ご覧の通り、二人はイチャイチャしています。

二人は恋人同士だ。俺がNFに捕らわれていた二年間の間に付き合い始めたらしい。


「…………っていうか、これ、教室に急がないと遅刻じゃね?」

「「あ」」


本当に沢山のPV、ありがとうございます。

これからも頑張っていきます!

(次回(もしくはその次回)には冒険スタートしたいです。)

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