2000年後の明日
お待たせしました。
第二部・《英雄王・勇者編》スタートです!
~あらすじ~
ニューワールド・ファンタズム(NF)クリアから三か月。
黒き剣士だった少年、星川鉄也は《アリス》と一緒に、平和な日々を過ごしていた。
しかし、それを一通のメールが打ち砕いた。
『ここで待つ。あの時の白で』
そのメールに添付されたURLの先には、ゲームのホームページ。
《彼》を見つけるため、少年と少女は異世界に飛び込む。
NFと同系統のVRMMOであるゲームの世界。そこには、あの世界とは違う現実があった。
《ヒーローズ・ファンタジー》。
プレイヤー全員が勇者であり、協力してラスボスの魔王を倒す王道RPG。
その世界で、二人の女子と再会する――――――――――――。
唇に、柔らかい、同質のものが触れた。
「おはよう、アル」
俺の上に乗っている少女は、別世界の剣士 《アリス》。あの《世界》では俺のお嫁さんだった女性だ。こう見えて、アリスの身体は機械で出来ている。開発者が言うには、人間の性能を再現しているそうだが……最後の《あの言葉》を思い出したら、たまに恥ずかしくなる。さっきの感触は、アリスが俺にキスしたのだ。
「……アリス…………寝起きキスは勘弁してくれ……」
「だってアルが全然起きいんですもの」
あれから、ニューワールド・ファンタズムをクリアしてから三ヶ月が経った。
一ヶ月前、どうやって調べたのか知らないが、突如家に来たアリスは、俺の家族の前でこう宣言した。『私は鉄也君の嫁です』と。それ以降、アリスはこの家で暮らすことになり、半ば同棲状態になっている。
俺とアリスは、新たな日々を過ごしていた。
「おはよー……」
二階の部屋からリビングに降りると、家族たちが待っていた。
「おはよう兄さん、またアリスさんに起こしてもらったんだね」
「うるせーやい」
眼鏡をかけた弟、《優也》は、朝から新聞を読んでいる。
「まったく、どうせ兄さんはキスして起こしてもらったんだろ?」
流石我が弟、よく分かっているじゃないか。
「なんで知ってるんだよ!」
俺の指摘に優也は笑って、
「だって二人共同じ部屋で寝てるんだから、ある程度の想像はつくさ……それに、こうも目の前でいちゃつかれると、流石に…………ね」
優也の視線の先には、俺の隣に座り、腕を抱くアリスが。
「あー……」
「テツとアリスちゃんはラブラブだものねー」
母さん…………《星川由美》の発言に、ちょっと恥ずかしくなる。
父さん、《星川紘一》は仕事で県外に赴任中。俺が目覚めて家に帰って来てから数日で戻ってしまった。
「さ、急がないと遅刻するわよ」
母さんに急かされ、朝食を食べきる。
「急ぐよ、兄さん!」
「おーう、今行く!」
俺たちは同じ学校の同じクラスに通っている。
容姿はまったくと言っていいほど似ていない。二卵性の双子なのだ。
「行ってらっしゃーい!」
アリスに見送られ、俺たちは学校に走る。
二年の空白があった状況で、高校に合格できたのは奇跡だろう。
「ちょっと、ゆっくりしすぎたかも!」
「だから急ごうって言ったのに!」
「しょうがねぇだろ、じゃあお前は可愛い彼女を振り切れるのかよ!」
「…………無理だよ」
「だろ⁉」
「…………兄さんは、アリスさんと将来を誓ったんだった………ごめん兄さん、無理だね」
「分かってくれたならよろしい」
―――それはそれとして…………。
「ヤバい、ペース上げるぞ!」
「うん!」
俺達は人にぶつからないように全速力で走った。
もちろん、《アルタイル》のような速度は無い。あの世界は、遠い過去の記憶だ。
あの世界から脱出したプレイヤー全員が社会復帰できたそうだが、記憶が残っていて、家族との別れに耐えられなかった者も少なくなかったそうだ。
「はぁ、はぁ…………」
「間に合った…………」
二人で校門を通過し、呼吸を落ち着けていると。
「こらー!あんた達遅ーい!」
「うげっ、麗香…………」
「うげって何よ、うげって!」
この小うるさい女は《小八木麗香》。俺達の幼馴染である。
「まったく。どうせテツヤがアリスさんとイチャイチャしてたんでしょ?」
「うぐっ…………」
百点満点の回答でございます。
「アンタ、優也に迷惑かけすぎ」
「否定できません」
「まあまあ、兄さんも悪気はないんだし…………ね。麗香ちゃん、許してあげて」
「優也がそう言うなら…………」
ご覧の通り、二人はイチャイチャしています。
二人は恋人同士だ。俺がNFに捕らわれていた二年間の間に付き合い始めたらしい。
「…………っていうか、これ、教室に急がないと遅刻じゃね?」
「「あ」」
本当に沢山のPV、ありがとうございます。
これからも頑張っていきます!
(次回(もしくはその次回)には冒険スタートしたいです。)




