表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/212

ボス戦、夫婦

アリスと結婚してから一週間が経った。


今は二人、俺の家で暮らしている(アリスは今までクランの寮で暮らしていた)。


夕食中。


紅茶を飲むアリスの、宙に流れるような美しい身体を見つめる。


アリスの左薬指に嵌めてある結婚指輪は、結婚の次の日に送った。


来週には結婚式を予定している。幸せだ。心からそう思う。


「……どうかした?」


見つめているのに気付かれ、顔を赤める。


「何か気になるの?」


「…………明日のことさ」


「……うん…………第七十七層ボス討伐戦」


「…………早すぎやしないか?」


「そうだね……確かに、いつもなら三年に一回位だったけど…………」


七十年前、初代《勇者》である爺ちゃんが生まれてから、人間の最低能力値が大幅に上昇した。それまで、ボス攻略戦は数十年に一度だったそうだ。


しかし、最近の冒険者練度が上がってきているとはいえ、ここまで早いとは…………。


「もしかしたら、その分〝ボスが強い〟とかな」


「ただでさえ強いのにねー」


「…………勘弁してほしいな」


グレフリオ・レッドより強いのは確定しているのだが…………。


そんな会話をしていると。


「お届け物でーす」


とドアをノックされた。


「はーい!」


アリスが荷物を受け取る。


「封筒………?」


「誰から?」


「えっと、送り主は団長みたい………」


「ディオン…………開けてみるか」


「うん………そうだね」


受け取った封筒を開き、中に入っている数枚の紙を取り出す。


『まずは、結婚おめでとう。式には呼んでくれたまえ?』


「ぷっ…………」


思わず笑いそうになった。しかし二枚目。


『第七十七層ボスの情報』と記されていた。


「これ、もしかして…………」


絶句するアリスに俺は答える


「ああ、ギルド調査班の報告書だな………読んでみよう」


『報告077 攻略対象、確認できず。』


「…………は?」


「え?」


―――…………ボスが…………いない?


『以後、正体不明のボスを《インヴィジブル》と呼称する。』


「…………インヴィジブル…………」


「見えない敵、か…………苦戦しそうね……」


「ああ、そうだな…………」


三枚目の紙には、ディオンからのメッセージ。


『この通り、現状敵の能力や外見すら分かっていない状況だ。危険だとは思うが、頼む。協力してくれ』


「そこまで言われたら…………」


「断る訳にはいかない、よね」


アリスは仕方ないなー、と言わんばかりにため息をつく。攻略の鬼姫と呼ばれたのはアリスの方なんだけどなー、と思った次の瞬間。


ビュン!


ライトベールに包まれたアリスの手刀が、俺の眼前で停止した。


「…………何か失礼なこと考えてなかった?」


雰囲気が一変したアリスに焦り、


「なにも、なにも思ってない!」


ちょっと前にしたばかりのような会話をしながら…………。


「じゃ、明日の準備しようか」


胸を張るアリスを見て、この人だけは何をしても絶対に守ろうと決心する俺なのであった。


「おう」


最悪の悪夢。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ