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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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45/212

婚約と家族

ディオンに勝利した俺は、正式にアリスにプロポーズした。


「俺と………結婚してください」


「…………はい」


笑いながら瞳に涙を浮かべるアリスを見つめながら、俺は安堵する。

闘技場でのプロポーズに観客たちは口笛を鳴らしたり、拍手を送ってくれたり、歓声をくれた。


「…………あり?」


バランスがとれない…………後ろに倒れ―――


「やれやれ、大丈夫かい、アルタイル君」


俺の肩を支えたのは、ディオン。


「……ああ、すまないな…………」


「まったく。………前から思っていたのだが、君の戦闘スタイルは一対一に特化しすぎている。一戦全てに限界を注ぐと、その後が大変だぞ…………うちの神は心配性だ。前回の決闘は私の判断で行ったがね…………何故不合格にしたのか理由がわからない。……気を付けたまえ」


「忠告どうも…………けど、負ける気はしないよ」


俺の手を握るアリスを見つめ、これが現実なんだと実感した。


――――――起きてくれ、…………t――


――――――起きてよ…………テ――


――――――起きて…………兄さん!――――――――――――――――――ザッ。


「…………?」


今、何かノイズが…………?


「どうかしたの?」


大変うれしそうなアリスが顔を近づけてくる。


「いや…………何でもない」


「さあ、行こう!」


アリスに手を引かれ、闘技場を飛び出す。


俺達が向かったのは、役所。


婚姻届は、今すぐ出す。それは、俺達が互いに思っていたことだった。


カウンターで待っている時。


「…………一つ、聞いていいか」


「どうしたの?」


「アリスが言う………〝綺麗な心〟って、どういうことなんだ?」


あの時から………グレフリオ・レッド戦から気になっていた事だ。


「それはね、優しくて強い。私が好きな心の事だよ」


「お待たせしました」


出されたのは、たった一枚の紙。


けれどそれは、俺達を結ぶ一枚だ。



夫、アルタイル=アリエル

妻、アリス=フリューレ

             人暦二〇二四年、婚姻。


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