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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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44/212

負けられない戦い

数時間後。闘技場の待合室で黒コートを羽織り、背中に愛剣二本を背負う。


その二本も、奴に対するリベンジを誓ったような重みを感じさせる。


俺は愛剣をなだめるように少し抜き、すぐに納めた。


「さあ、行くぞ」


二人の相棒に言いながら俺は待合室を出る。


俺がそこに出ると、大勢の観客と、そいつが待っていた。


《マティリス・クラン》団長、ディオン=クリンス。


「私を倒さなければ、アリスは渡さないよ」


「…………望むところだ」


申し込まれた決闘をカードで受諾。互いに剣を抜刀する。

空中にカウントダウンが表示される。


…………3、2、1、GO!


俺は最初から二刀流で構える。


スタートして数秒、まだどちらとも動かない。


観客も静まり、俺達は互いに気配を読み合う…………。


―――ダッ、動き出したのは、まったくの同時。


「せ、ああああっ!」


俺が発動したのは単発刺突技 《アーク・ストライク》。水色の一突き。


《ヴォーパル・ブレイク》の派生スキル。あれが一点の破壊力を生むのに対して、これは衝撃を生むことに特化した技だ。


ディオンの盾に重い一撃を叩き込む。しかしディオンはぐっと耐え、連撃を放ってくる。


「ぐ、おおおおッ!」


連撃を左右の剣で捌き、左の剣で四連撃技 《エクシア》を放つ。


ディオンの防御は相変わらず速く、そして正確だ。…………そして攻撃も。


(前回は、俺のエゴだった。だけど、……今回だけは、――――――――)


「――――――――――――――――――――負けられないんだ!」


負けられない理由がある。それは、前回との大きな違い。


「うぉおおお――――ッ!」


最後の四撃目。フルブーストした一撃は、ディオンの頬を掠めた。


「アルタイル君―――――――――――――!」


ディオンはニヤッと笑い、連撃を放つ。


それがただの長剣スキルではなく、《神約》スキルだということは、すぐに分かった。

明らかに威力が違う。重く、繊細な剣戟。


「はああああっ!」


ディオンの剣戟を捌き切るので精一杯。


ここからの反撃には、《二刀流》を使うしかない!


長剣の連撃を防ぎきり。


「ワォオオオオオオオオオオ―――――――――――――ッッ!!!!!!!!」


俺の雄叫びに応えた二刀が、水色に発光する。


「…………!」


ディオンも、観客たちも押し黙った。


しかし三人だけ、声援を送ってくれる者たちが。


「行けアル坊、愛の力を見せてやれ―――!」


カイン。


「負けたら承知しないよ、アル!」


ベリアス。


「…………アル―――――――――!…………頑張れ―――!」


アリスの声が、微かに届いた。


《スターマーク・リオネル》。連続十四回攻撃。


空間を灼く火花より速く、その連撃は舞う。


十三撃目、左刺突はディオンの左頬を掠めた。


「………――――――――――――ッ!」


十四撃目。渾身の右上段斬り。


三人の俺が重なり、右腕に心の力が灯る。


そしてその瞬間。三人の手が、俺の背中を押した。


「…………せ、……あああああああアァ――――――――――――――――――――ッ!」


ディオンの盾を両断し、更に剣も折る。


「…………負けたよ」


ウィナー、アルタイル=アリエル。


そんな声も聞こえず、俺は意識が飛びそうになる…………。


後ろに倒れそうになった時、背中に何かが当たる。


「…………アリス…………?」


アリスが後ろから俺を抱いて支えていた。


「…………勝ったよ」


「うん…………うん…………!」

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