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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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37/212

記憶と想念

俺は、過去の記憶を見ていた。祖父の言葉を。


―――泣いてもいい。負けてもいい。ただ立ち止まるな。明日たくさん笑えるように、何度でも立ち上がれ!進み続けろ、魂が燃え尽きるその時まで――


父の言葉を。


―――誰かのために戦えるようになれ、友も仲間も、必ず共に進んでくれる……。そして知らない人でも、困っている人がいたら迷わず助けるんだ。そうすればいつか、困ったときに助けてもらえるはずだ。皆がお前を助けたいと思えるように――


母の言葉を。


―――弱くても諦めたらいけないの。諦めずに生きていたら死なない限り挑める。何度も何度も。ただ、がむしゃらに挑んでみて、そうすればこの世界に『有り得ない』を起こせるの――。


―――進んだ者を、


―――そう思わせられる者を、


―――『有り得ない』を現実に出来た人を、人は―――


―――英雄と呼ぶ。



「……………………!」


目を閉じ、もう一度開いたとき、髪は黒く、眼は蒼に染まる――。


「銀河天文流――。〝龍撃閃〟!」


刀の四連撃。そして


「闘拳・〝重撃〟!」


闘気を使った格闘術。その基本技。踏み込みの力を拳に直接伝え、そこに闘気を乗せる。

拳が触れた瞬間、そこから放出する闘気。そしてそこに炎を上乗せした――。


「〝重撃・改〟!」


心臓に打ち込んだ一撃。後ろに飛んだ女に追い打ちをかける。

神威を地面に突き刺してベールリオン、ナイトプレートを手に取る。


「終わりだあああああ‼」


「こっちも忘れるなよ!」


巨大な大剣の殺神剣。


「〝奪命〟(ヴォーパル)‼」


心臓を穿つ刺突。


(何故だろう、今、身体の使い方が分かった)


「………ぁぁぁあああああああ‼」


二刀流上位剣技 《スターマーク・リオネル》。連続十四回攻撃――。


流れ星のような軌跡を描き、幾重もの斬撃を重ねる。


左右の剣を神速で振るい、女神を刻む。その時、女の記憶が流れ込んできた。


昔、この国が戦争に巻き込まれたとき、多くの女性が旅立つ男性に言った言葉――。


『あなたは私のものなんだから、死んだら許さないから。生きて帰ってきて、私の為に生きて』


そしてその後、夫、弟、兄、彼氏の死を聞いた時の悲しみが、『愛』と『戦争』の女神に降り注いだ。そ

れが、暴走の原因である。


「悲しかったな…………今、楽にしてやる…………ぁぁああああああ‼」


十三連撃目の左刺突。心臓を貫いた。


「まだ、まだ終われないのよ……!」


「⁉」


女神から光が漏れ出て、それが空に浮かぶ。それは巨大な球体へと姿を変えた。


「全て、終わりなさい……!」


「……………………ッ」


「させるかああああああ‼」


飛び出したのは 《セイバー》。球体の中心にいる女に迫る。


「エイル!」

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