自由の翼
「《竜牙突撃》!」
「女神よ我に力を………《神の閃き》!」
刺突と斬撃はぶつかり合い、互いに後ろに吹き飛ぶ。
「〝飛剣〟!」
炎の斬撃を飛ばす。そして機械の腕に炎を集中。その炎は小さい爆発を生む。
「〝爆炎斬〟!」
腕から出た爆発の直後、太刀で切りつける。
「《小鬼殺ノ太刀》、真の力を見せろ!」
太刀と腕から溢れ出るのは闘気。刃を闘気の波が覆う。
「〝飛天・残影〟!〝十文字斬り〟!」
十文字の光の軌跡。それが騎士の剣と衝突。
「女神に勝利を、我に勝利を与えたまえ!」
そう言って騎士の剣から闘気が溢れ出る。それは加護の力を最大限に発動させた。
「《女神の制裁》!」
闘気の斬撃をサイドステップで躱すが地面が大きく抉れる。前に戦った時にはここまでの力は無かったはず。いや、こいつはあの時闘気を使っていない。俺達はスキル同士で決着を付けた。けれどこいつの本来の戦い方は、剣術士。闘気を使った戦闘法。
これが奴の本当の強さ!
「すまなかったな。あの時は闘気を使わなかった……剣士として詫びよう」
「いや、いいさ。だけど今、決着を付けようぜ」
「……いいだろう。闘気全解放!」
「トレース……アリス!」
俺が新たに学んだのは今まで出会った人の戦い方。それを自身の身体でトレースする。この国の言い方で名付けるなら。
「〝英雄憑依〟!モデル・アリス!」
「《ロゼラリア・クラン》の騎士よ!私に力を託してくれ!」
「《ストライカー》!」
「《裁きの一閃》!」
神速の攻撃の衝突。太刀と両手剣が限界まで速く動き出す。
「モデル・カイン!〝飛天残影〟!」
空間を抉りそれを太刀に纏わせる。
「〝飛天纏い〟〝次元斬り〟!」
残した斬撃を飛ぶ斬撃で押し出す。
「〝飛天十裂衝〟!」
「《光の裁き》!」
「ハアアアアアア!」
「セアアアアアア!」
光と光のぶつかり合い。鍔迫り合いに持ち込む。
「そろそろ終わらせようか……!」
「いいだろう……」
俺はとある疑問をぶつける。
「あんたは何故あの女神に従う?」
「……難しい事を……私はあの方に救われた。だから従う。いや、私も本心では抗っているのかもしれないな。私は神を守る騎士として戦う。……騎士は民を守るものだろうに……」
最後に奴が言った言葉は確かに俺の耳に届いた。
「……迷いは捨てねば……」
「……行くぞ」
「来い!」
「《小鬼殺ノ太刀》……」
「《光の軌跡》!」
斬撃が触れ合った瞬間。叫ぶ。
「〝絶撃〟!」
騎士の剣を叩き折り、俺は腰の鞘に刀を納める。
「あんたの負けだ。クラデオル。」
「……騎士として負けを認めよう。こんな事を言える立場ではないことは分かっている…………しかし一つ。一つだけ頼みを聞いてくれないだろうか…………」
一呼吸。
「あの悪女を、倒してくれ…………!」
「…………任せろ」
ガチャン、と神威から音が鳴る。そしてあの時と同じように頭の中にイメージが……。
(これは俺の力…………英雄の炎よ。力強く、燃え上れ!)
「炎よ、俺の…スレイブ達の翼となれ!…………〝自由の翼〟!」
俺の背に炎の翼が現れる。その翼は羽ばたき、俺は空を飛ぶ。




