不平の赤薔薇
それは味方などではない。……敵だ。機関銃を互いに向け乱射する。
『俺が先陣を切る』
そう言ってエイルの《セルウス》が敵に向かう。振動ロングソードを手に。
『道を開けろ!』
俺は兵器相手に戦うことがないので全て任せてしまっている。
「……大丈夫か?」
『問題ない。燃料も弾薬も残っている。……気付いたか?』
「ああ、死体も確認した。黒種じゃない。帝王種……女だ」
『奴らが前線に出てくるとはな……てっきり男を乗せると思っていたが。』
『同感だな』
『ああ』
『だけど、遠慮なくやれるってことだろ?』
その一言にパイロット達はニッ、と笑い、操縦桿を強く握る。
「……来たぞ。」
騎士。ここは俺の戦場だ。
「……せあっ」
片手剣重突進技 《ストライカー》。複数人の騎士を吹き飛ばして、次の構え。
片手剣六連撃技 《パーティクル》。
範囲内の敵を薙ぎ払う高位剣技だ。そして俺達が向かうのは勿論、王城。
「待て!」
その声は木霊する。それは、一人の女性騎士だった。
「私たちがここを守る!」
騎士から闘気が噴き出す。そのオーラは徐々に形を作っていく――闘気の巨人。
『こいつは俺がやる』
「エイル……」
『任せたぞ、大隊長。』
『任せろ』
俺達は先に向かう。
『さあ、やろうか』
「目覚めろ!闘気の騎士!」
『《セルウス》!』
互いに巨大な剣を構え、走り出す。
『〝英霊憑依〟!魂融合!』
〝アーサー・ペンドラゴン〟
「愛する女神よ!我に力を!」
『セアッ!』
「ハアアアアアア!」
鍔迫り合いにもつれ込んだ。互いに一歩も譲れないこの戦い。
「女神に、勝利を……!」
『俺達だって……ここで負けられないんだ!』
幼い頃。俺の目の前で母が父を射殺した。それは子供だった俺に深い傷を負わせた。心の傷。
何故母は引き金を引いたのか。それは簡単だ。その頃女が革命を起こしたから。それを引き起こしたの
が……。
『ロゼラリア……あいつは……殺す……!』
「させるかぁああ!」
英霊の動きをトレース。王の剣術。それに対し騎士はスキルを発動させ、向かってくる。
「〝光の大剣〟!」
騎士の剣を打ち破り剣士を追いかける。
「ウソだろ……」
その頃俺達の前には……。
「上位竜だ……!」
先日エイルが討伐したのは中位竜のレッドドラゴン。こいつは炎属性の《ファイアドラゴン》。
「なんでこいつが……いや、ロゼラリアが呼び寄せたのか……」
『なんにしてもやるしかない!』
『止まるなよ!』
戦闘機のコックピットにあるパネルを操作する。
『神経接続システム最大感度。シンクロ率百パーセント。最大稼働状態!』
『全員……進撃!』
《セルウス》の全身から蒸気が溢れ、赤く光る。更に英霊憑依も乗せた。
『人機一体!』
ドラゴンに向けてサブマシンガンやライフルが掃射される。弾幕によりドラゴンは動けず徐々に削れていく。
「後は俺に任せろ……行くぞ神威、ベールリオン!」
『明日へ導く小鬼斬り。子供斬りて明日を導く』
神威を炎で覆い、大きな刀を創る。戦闘機のイメージを基に右腕に機械的なアーマーが装着され、それで太刀を握る。左手にベールリオンを。これが神威とベールリオンの一段階目の解放。
「〝解放宣言〟 《小鬼殺ノ太刀》!」
「行くぞ…… 《竜牙突撃》!」
竜の形をした炎を身に纏い竜に突撃する。俺の刃はドラゴンの心臓に深く突き刺さる。
「トレース…〝陽炎〟!」
竜の内側から炎が溢れ出て、その身体を吹き飛ばす。
「先を急ぐぞ」
『おう…』
これは革命の進撃となる。この先、地獄が待っているとしても。俺は進み続ける。
「…あんたは」
俺達の前に現れた騎士。俺はそいつを知っていた。
ロゼラリアが俺を呼ぶために寄こした騎士。クラデオル。
「私が相手だ」
「みんな、先に行ってくれ」
一番隊のみんなは城に向かう。
「よう、久しぶりだな。騎士様」
「あの時は世話になったな。《黒き剣士》」
俺達は互いに太刀と両手剣を向けあう。




