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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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歌姫を知る

スキルは神の加護の一つだ。しかしスキルには普通の技と違う点が四つある。一つは威力だ。発動すれば体が半ば自動的に動き出し、そこに力を込めることで威力が上昇する。二つ目はスキル発動中に急に違う動きをしてはいけないこと。これを破ると三つめの特徴である硬直が課せられて、一瞬動けなくなる。戦闘中に隙を作るのは命取りだ。なので常に頭を動かし続けることが必要となる。そしてこれが最も大きな違い、スキルはあらゆる法則より優先されるということだ。四mジャンプするスキルの時は重力よりそのスキルが優先されるため使用者は重力を受けずに跳躍できる。といった感じにスキルは冒険者の生命線となる技術だ。


しかし、この世界には《ユニークスキル》と呼ばれる唯一無二のスキルが存在する。ディオンの《新約》や俺の《英雄の炎》がいい例だろう。そしてこの街にはもう一人、ユニークスキルを持った人物がいる。

その女性の名は、《セナ》。冒険者登録はしているが戦闘はせずに最近流行している《歌手》というものをやっているらしい。しかもその人気は凄く、何万人ものファンがいるという。

そんな彼女のユニークスキルは、《奇跡》。彼女の歌声を聞いたものは心に安らぎを得て、戦うものは心が鼓舞される。そんな能力は《新約》と違って戦闘向きではなく、戦闘の補助として輝く能力。しかし彼女は人々の心を照らすために歌っている。そんな彼女の二つ名は《天使》。     

そんな天使様に近づきたい男などごまんといる。今、目の前に座って飯を食ってる冒険者のオッサン、《カイン》もその一人だ。こいつとは冒険者になった頃に出会ってから、たまに協力したりしている。


「おまえ、そろそろじゃないのか?」


「やべっ、速く食い終わらせないと!」


俺の指摘にこいつは飯を頬張る。こいつがこんなに急いでいる理由は簡単、それは。


「急がねえとセナちゃんのライブに遅れるぜ!」


飯を食い終わって会計を済ませた男は全力で走り出した。


「そんなにハマるもんかなぁ……」


俺は男の背中を見ながら呆れるように呟く。もうカインは見えなくなっているが、あいつ、どんだけ急い

でるんだよ……。あいつあんなに俊敏度上げてたっけ……?ま、馬鹿だからだろう。

そんな事を考えつつ、俺も店を後にする。


俺は飲み場と化した宿に戻り、《ベールリオン》を見つめる。そして《ナイトプレート》を見つめる。俺はこいつらの真価を発揮できていない。武器の力を最大限解放する奥義 《真相解放》と呼ばれるそれは、武器に認められたものしかできない武器との信頼。ディオンに対しての最後の攻撃で 《何か》を感じたが、それ以来なにもない。


「……」


俺は背中の鞘に納刀し、宿にあるポスターを見つめる。


《大人気歌い手セナの二周年ライブが今日から明日まで!》


という大々的な宣伝がある。しかも冒険者ギルドの署名付きときたもんだ。ギルドの事だからこういう戦力は匿っておきたいもんだと思うのだが。そんな事を考えていると。


「どうしたんだいアル、もしかしてあんたもセナのファンなのかい?」


「ガイナさん、そんなわけないでしょ」


「ま、それもそうだね。そうだアル、ギルドから手紙が届いてたよ。」


「手紙?」


「ほれ。」


ガイナさんから渡された手紙を開けて、中身を読むと。


『貴殿、アルタイル=アリエル殿に《天使》セナ様の護衛を依頼したい。回答のため、冒険者ギルドに来るように。』


「「はぁ?」」


俺とガイナさんの驚きは当然だろう。しかも当の本人である歌姫はライブ中だぞ。どう護衛するんだよ。


(ま、適当に断るか)


「断りますかね……」


「そうだねぇ。強制依頼じゃないんだろう?なら好きにすればいいじゃないか」


「そうしますか……」


俺は冒険者ギルドに向かう。ライブの事もあってか街はお祭り騒ぎだ。


「なんで俺が――…」


ギルドの受付に行き。


「アルタイル=アリエルです」


「確認しました。依頼の件ですね。それで、受けてくださりますか?」


「お断りします」


「そうですか。了解しました。」


「それでは」


俺は冒険者ギルドから外に出て、道を歩く。


(ったく、今日はゆっくりしようと思っていたのに)


それにしても、俺の所には変な依頼ばっかり来るもんだ。


(そういえば……)


俺は《黒き剣士》の代名詞である黒いコートのポケットを漁り、一枚の紙を取り出す。カインから貰ったセナのライブチケットだ。俺は断ったのだが、来たかったら来い!と渡された。


(確か会場はここら辺だよな……)


俺がどでかいドームを見上げると。


うおおおおおお!と歓声が上がって、俺は思わずビックリしてしまった。


(どんだけ人数いるんだよ……)


ポスターには一万人ドームと書いてあったが……そんなまさかな。

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