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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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18/212

ベールリオン

ゴーン、ゴーンと、七時の鐘が鳴り響く。それで目を覚まし、簡単な朝食を食べる。


「おはようございまーす――」


冒険者ギルドに顔を出すと


「アンタ……!」


「げっ……」


ベリアス――。彼女は俺の首元を掴み


「また無茶して!武器だけで良かったけど、あんた死ぬところだったらしいじゃない!」


「うぐっ……」


「《アイアンブレード》を寄こしなさい!」


「…………はい」


背中の鞘に入れているアイアンブレードをベリアスに手渡すと


「あらー見事にボロボロ…」


「すまん」


「いいわよ別に、カモがまた来たみたいなもんだし」


「あ、鍛冶場借りるわよ」


冒険者は大体がベリアスに世話になっているため、ギルドは断れない。どうぞどうぞと道を開ける。


「相変わらず使われないくせに設備だけはいいのね。ここ」


「まあ、中央ギルドだからな」


「それより、さっき言ったこと、本気なんでしょうね」


「…………ああ、頼む」


ベリアスはただ「分かったわ」とだけ言い、アイアンブレードとそれを取り出す。それは《ホワイトディザスター》の魔石。俺はこいつの罪を。後悔を背負う。それが名も知らないあの人達へのせめてもの贖罪

だ。


彼女は魔石を剣に押し付け、炎で熱する。それにより刃は溶けて、混ざっていく。そして金槌で叩く。千回ほど叩き、水で冷却。その刀身はただの魔法鉱石だった頃と違いエメラルドグリーンとホワイトに輝いている。


「これが…………」


「それが、その剣の新しい姿、《ベールリオン》。意味は…………《獅子の布》」


「ベール、リオン……」


剣の柄を握る。


頭に流れてくるのは見たこともない景色の幻想。そこに立っているのは白い獅子。

赤眼をこちらに向け、値踏みするような視線を感じさせる。「我を扱えるか?」そう問われている気がした。


……上等だ。剣に認められない剣士なんて、恥晒しもいいところだからな。


「その剣はアンタの魂の鏡。あんたの願いを、後悔を、未来を切り開く剣」


「……べリアス。ありがとな」


「いいわよ別に。お得意さんなんだから」


「……ああ」


《ホワイトディザスター》の負の力。俺の願いの力が宿ったその剣を背中の鞘に入れる。


……重い。二刀とも片手剣にしてはかなりの重量級だ。ナイトプレートに関しては伝説となるほどに。

それでも、俺は振るってみせる。


「二刀流。似合ってるじゃない」


「だろ?」


「…………ふふっ」


穏やかな時間。しかしこういう時に限って、悪いことは起こるものだ。


それが、運命という奴だからな。

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