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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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15/212

英雄譚の始まり

「英雄になるんだろ!アルタイル!」


「アル!」


「……ッ!」


俺の中で何かが変わった。

いや、変わったというより、進んだというべきか。心の闇が晴れて世界がハッキリとする。


「ここは私たちが守る。君たちは体勢を整えてくれ」


「ああ、頼むぜ!《団長》!」


長剣と大盾を操る銀髪の人間。マティリス・クラン団長 《ディオン=クリンス》


「アルテイシア!」


「任せろ!」


『我の声を聞いた炎の精霊よ。ここに力の軌跡を記し給え……』

「《フレイムロード》!」


魔法で放たれた炎の軌跡。副団長、《アルテイシア=イージス》


「これを飲め」


師匠が取り出したハイ・ポーションを飲み干し、俺達は剣を握る。


「いくぞ!」


「応ッ!」


「ええ!」


「ハアッ!」


流水剣・第六秘剣〝天叢雲剣〟!


「イヤアアアアア!」


細剣十二連撃技 《コスモ・ストライク》


「せあっ!」


神約八連撃スキル 《メテオストライク》


「ハアアアアアアッ!」


片手剣七連撃技 《エクシオン》


「……っ」


まだだ、まだ速く……!


背中にある《アイアンブレード》の持ち手を握り、抜剣。


「グガアアアアアッ!」


「……せあああああっ!」


左の剣で大剣を弾き、連撃を繰り出す。右、左、右、左。


神の加護もない。ただの連撃は流星群のように輝き、加速し続ける。


その時、《アイアンブレード》が吹き飛ばされる。そして俺は………覚悟を決め、名を呼ぶ。


「……神威!」


俺の背中の空間が輝き、それは姿を現す。アイアンブレードの鞘が地面に落ち、入れ替わるようにそこに現れた刀を引き抜き、左手に握る。


「せあああああああああッ!―――――――〝飛神〟!」                      


神威で放つ〝飛天〟時空を切り裂き、その刃で押し出す。世界を斬る技。


今度の連撃は炎、闘気の全てを乗せ、更に詠唱省略の《ブーストアクセル》を発動。


二十連撃を超えるであろうその剣撃の後。《ナイトプレート》、神威を突き刺す。


ディオン、師匠、アリス、《マティリス・クラン》のみんなの声。


「いけえええ!」


「アルタイル!」


「アル!」


「ワオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」


今度は人のまま、獣を従える。もう、お前に従うことなんて有り得ない。

だから、力を寄越せ。


――――――――――――ァォォ。


真相解放。武器の蓄積した思い、経験。性質を解放する。


ナイトプレートは暗い夜を、神威は明るい希望を。


この技は竜技の中でも数少ない、二刀剣技。



「…………竜牙星戟ドラグバースト…………!」


螺旋となった竜王の顎はボスの身体を内側から吹き飛ばした。


「うおおおおおおおおおおおお‼」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――get.



後に聞いた話によるとマティリス・クランは元々部屋の前にいたらしい。俺はそれに気付かずに扉を開けたみたいだ。何度呼びかけても反応せず、ボロボロになった俺を見ていられなくなったということだ。

俺は師匠、アリスに滅茶苦茶怒られた。ポーションを飲んだ後正座させられ、大体お前は、とか。無茶して、とか。まあ心配してくれたのだから、むしろ感謝だ。

そして冒険者ギルドに戻った俺達は歓声に包まれた。

討伐戦で活躍した俺達には新たな二つ名を名乗ることが許される。しかし俺が


「俺は今のままでいいです」


と告げたとき。みんなからどよめきが上がった。ホントにそのまま?とか、いいのか?とか色々言われた

が、俺はもう少しこの名前を背負ってみることにする。因みにアリスは二つ名を《閃光》から《剣聖》に変更した。

しかし俺達の前にもう一つの絶望。そして希望が現れる。

俺は買った家に帰り、ベッドに飛び込む。


                             黒き剣士より

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