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第三部最終話 必ず

「守るだって? 弱肉強食のこの世界で? 笑えるよ!」


「ああ、笑えるよ。…………笑う為に――――笑えるように戦うんだ!」


エッセンスト・リバレーション


 二つの魂を重ね、新たな剣――刀へと昇華させる。


その刀の名は【斬天】。


ナイトプレート、ベールリオンの魂を完全に融合させた姿。


変身・変形・変装。俺がやり続けてきた突飛な行動の一つであり、最高の剣だ。


「これで終わらせるぞ、〝妖戒〟!」


「へぇ、やってみなよ、〝英雄〟!」


互いの距離が徐々に近付いていく。一方は純粋な根源、それは妖戒だけの生命力。

 そしてもう一方である俺の力は《覇気》。魔力と闘気の融合エネルギー。


「――――セッ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ‼」


「はああああああああああああああああああああああああああああああ‼」


――――妖戒之誡・絶流之戒撃アンブレイカブル


「死ねぇっ、英雄王ッ!」


「まだだ、まだ俺は、死ぬわけにはいかないっ!」


アリスを助ける。またあの家に帰る。優也と、親父と、お袋と。また――――飯を食うんだ!


その為なら、俺は戦える。この命を、賭ける価値がある!


銀河天文流? 否。


星天流? 否。


英雄剣術? 否。


これは俺の、俺だけの剣だ。


(名は貰うぜ、名も無き剣聖!)


「王牙ッ……天翔ォオオオオオオオッッ‼」 


抜刀術ではない。ただ覇気を込めただけの斬撃。しかしその軌跡は完璧であり、寸分たがわず直線。一筋の光から覇気が溢れ、斬撃そのものとなる。


ゼロ距離から放たれたそれは妖戒の半身を両断した。上半身と下半身が分裂し、下は先に崩れる。そして、上半身も徐々に崩壊していく。


「………あーあ、負けちゃったかぁ」


「――ああ、俺の勝ちだ、妖戒」


「種族名で呼ぶのはやめてくれる?ボクにはレインっていう名前があるんだ」


「そうか。…………レイン、アリス達を解放しろ」


「………分かっ――――」


「やめて頂きたい」


「!」


制止したのは若い声。しかし厳格で、恐ろしい。


上空には眼鏡をかけた銀髪の青年が。


「お前はっ……⁉」


「私はレイン君の上司です。さてアルタイルさん。貴方には消えて頂きたい」


「はっ…………?」


「魔王様の邪魔になるものには死を、それがルールであり摂理です」


「何を、する気だ…………?」


彼は表情を変えず指を鳴らした。すると、レインの表情が強張る。


「……まさか、お前っ」


「流石レイン君。キミの予想通りです。………さあ、死をもって英雄を追放なさい」


「やめろっ、やめてくれ…………やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ⁉」


絶叫の後、レインの肉体が弾けた。


そして、彼がいた場所に【穴】が開く。


「こ、これはっ…………」


(俺達が吸い込まれたのと、同じ―――⁉)


「異世界とはいきませんが、この世界の端に追いやることはできましょう。さぁ、さようなら。英雄王様?」


「くそっ、こんな、こんなとこで‥‥」


「貴方の家族は魔王様の花嫁になるのです。有難く思いなさい」


「ふざけるな…………オレは、俺は‥‥絶対に戻ってくるぞ、〝妖戒ディザスター〟!」


「どうぞ、できるものなら」


「ああ、いつか必ず、お前たちを倒す! そして、アリスを助けるぞ‥‥待ってろよ!」


 そしてオレは空間の穴へと飲み込まれる。


――――ああ、俺は絶対に、お前を助け出すぞ――――、アリス!




今部は比較的短かったですが、後はかなり長い筈です。

どうぞ、第四部もお付き合いください。

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