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英雄王

「そうだ‥‥もう少し、もう少しだ――――黒き剣士!」


「お前の、思い通りに――――させてたまるかっ。――………これが今放てる、最高の技だ!《ジ・アース》!」


 二刀流最上位剣技、連続二十一連撃。


「おいおい、それまでしか使えないのかい? 偽物くん」


「――――ぁあああああああッ!」


剣戟の応酬。どちらも神速と呼べる領域――――しかし、神が優勢。


「片手に負けてちゃ二刀流の意味がないねぇ!」


「ぐっ‥‥!」


「ハハハハハッ!」


「〝俺〟の前で人は殺させやしない」


「な――――」


アードが後ろに吹き飛んだ。そして僕の身体はその人が操作する。


「ゴメン、体借りるよ」


「う、うそ……アル、なの‥‥?」


「ああ、二年も待たせて悪かったな。アリス」


「ううん‥‥おかえり、アル!」


「――――――――さてさてさーて? 俺が動けない間随分とやってくれたようだな……俺のアリスやその義妹を傷つけて? 更に市民も殺して? ――――覚悟できてんだよなぁ、アード」


「あ、ああ……それは、すまないねぇ。ただ、ボクにもやることがあるんだ………ボクの覇道を邪魔しないでくれるかな?」


「誰かを犠牲にする覇道に意義はなく、正義はない」


「………なんだって?」


「とある王が言っていた言葉さ。――――始まりの英雄王がなぁっ!」


二刀流上位剣技 《スターマーク・リオネル》。十四連撃。


俺の両手から放たれる閃光は誰よりも、何よりも早く舞う。躍り、飛ぶ剣戟。

ナイトプレートとベールリオンを顕現させ放った技は邪神の身体を砕く。


「くっ、流石………現代の英雄と呼ばれるだけある………だが、ボクにも理由があるんだ」


アードは笑いながら右腕を修復し、剣を握る。


「これを見せるのはもう少し後のつもりだったんだけど、仕方ない」


奴は剣の己の力を込め始めた。神意とも呼ばれるその力を――――。


混沌創造カオス・クリエイション!」


紫――――闇の概念を纏った剣のレーザー光線。


「〝飛天〟朧・千華万乱」


飛天一刀流秘奥技。光線の弱点を的確に切り伏せる斬撃。


「おいおい、神様がこんなもんか? あの男の方が強かったぞ、流川大智の方が!」


「流川……彼も一種の創造神だったね………偽の、がつくが」


「ああ、だが偽物が本物を上回ることだってある。そうやって人間は成長し、進化してきた。人は誰かを真似することで己を高め自分だけの未来を掴み取るんだ。お前たちには出来ないことだろ。初めから全てを知り、全能であるお前たちには! それがお前の敗因だ。アード!」


「―――敗因? この世界でオレが負けるとでも? ああ、かかってこい……〝英雄王〟!」


『………世界は、夢と希望で出来ている。無限の星よ、今この時輝け。美しい者醜い者、遥か永久の王国を。英雄は今生きる者たちが名乗るもの。オレは英霊として、英雄王としてこの世界を引く。進め、全ての希望を引き連れて。弱者が覚悟を決めたのだ。強者に敗れる筋合いはない! ―――〝ソード・オア・ザ・ソウル〟そこにあるのは、剣か魂か!』


〝心象転写〟《魂剣創造ソード・オア・ザ・ソウル)


世界は黄金が散る夜へと上書きされる。


「おいおい、オレのエリアを上書きしたのか。しかも、更に強い強制力で」


「心象転写……己のユニークスキルを媒介に心象世界を顕現させる技術……実在したのか」


「アル……本当に、帰って来たんだ………!」


「シン‥‥いったい、どうしちゃったの…………」


「ファースト。………レディ!」


俺の背後に出現するのは数百の刀剣。これらすべてが神器であり、魂剣である。


「ファイア」


装填された全ての刀剣が射出され、邪神を襲う。


「終わりだ」



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