十字架は背負わない
まだ内容的には1月1日のイベント中ですが、そろそろ終わらせます。
「ということで私はこんな日でも忙しくてね、帰らせてもらうよ」
「……あぁ」
自分にそんなことを言うために時間を取ってくれたのは少し申し訳ないな…と考えていれば
「君にコレを言うために、なんて思ってる顔だね、これに関しては偶然だから君が気にする事は無い」
「そう、ですか」
まるでなんでも見透かしたようにこの親子は核心をつく。全くもって…意地が悪い。
「むしろ子どもとしてもっと大人に甘えてくれてもいいんだけれどね」
と言い残し、どこかへ行ってしまった。
甘える…か。言われてみれば俺には誰かに甘えた記憶があまりないように思える。とそんなことを考え、戻ろうとすれば、グイッと肩を引っ張られる。
後ろを振り向けば美香さんが立っていた。
「ということで代わりに私が来たよ」
「どういうことでなんだよ」
と返せば、当たり前のようにスルー、まぁ答えにくい質問ではあるか……。
「何話してたの?」
「娘が暴走したことを謝られたぞ」
「気にしなくていいのにねー」
「気にするほどのことをやらかしたんだよアホ」
というか謝るのはお前であって親に謝らせるんじゃねーよとか色々でたけど、いや待て、よく考えなくてもナチュラルに自分のした事をヤバいと思ってないのか……いやまぁ、美香さんらしいはらしいのか。
と考えていれば、こちらの顔を覗き込みつつ、美香さんが一言。
「ブーメラン刺さってない?大丈夫?」
意味がわからない…というか心の声を読むな。
「どこに刺さるんだよ」
「ヤバいことをするという点に置いては私と蒼空は誤差だよ?」
「…そんなことないだろう」
「目を見て否定しようねー」
最近、常識人が2人増えたせいか自覚なくやばいことをしてそうな気がしてきたので強く否定出来ないのが悔やまれる…。いやまぁこういう場所で出すおせち料理を作ったとかはやりすぎたなとは思ってる。
「ヤバい人同士、これからも仲良くしようね」
「別にヤバくなくても仲良くさせて貰うけどな」
と当たり前のように言えば、驚いた顔の後に、何事も無かったかのように表情を変え、直ぐにニヤニヤとこちらを見てくる。
「どういう表情だソレ」
「んー?人の女を口説くなんて蒼空は悪い子だなーって」
これを口説くに入れるな、拓也に怒られるだろうが、と思ったが、まぁ女心は分からないのでとりあえず否定はさせてもらおう。
「…そういう意味じゃないが」
「知ってる、からかっただけだよー」
「はいはい、お前はそういうやつだよ…」
「蒼空もねー」
これ以上は反論する意味もないのでスルーさせて貰うと戻ろうとすれば、サッと美香さんに手を引かれる。
「ほらぁ?これ以上2人で密会してたら拓也に怒られちゃうからね、早く戻ろう」
「はいはい…」
とそのままされるがままに俺は引っ張られるのだった。
「美香さんと手を繋いでたからと拓也に怒られるのは分かる」
「自業自得だな」
「いきなり呼び出されたから最終的に約束を違えてしまったから日菜さんに怒られるのも分かる」
「まぁ、仕方ないですけど、ついでなので」
「なんで俺は愛華さんに怒られてるの?」
「ノリよ」
「ノリかぁ」
「えぇ」
「で許されると思ってんのか?」
「えぇ」
「なんだコイツ強い」
結局許した。




