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青く澄んだ空は遥か遠く

サラッと書きました。重くないです。夜の魔物のせいです。

「…どこから言うべきだろうね、そうだな…夜の魔物のせいにしてやろう、俺には家族がいた。当たり前の事だな」

「そうね」

「今はもう居ない」

「…」


天涯孤独…といえば聞こえはいいのだろうか。


「俺にはな、両親も、姉もいたんだよ」

「姉」

「そう、見たことはないんだけどな」

「それはどうして?」

「…物心つく前に、俺を庇って、死んだとだけ聞いた」

「この服はその時のお姉さんの物?」

「そうだよ、だから今生きていれば年齢でいえば30代後半くらいになるのか」


何も知らないし、分からないが


「でもそういうのは基本的に仏壇とかで確認できるんじゃないの?そういえばこの家でそれらしきものを見た事ないわ」

「そりゃ金が嵩むしな、そもそも写真の場所すら知らない」

「親が知っているでしょうに」

「……そうだな親なら知ってると思うぞ」

「…親は?」

「いたんだろうよ、顔は見たことはないんだけどな」

「……」

「物心つく前に、4人乗っていた俺らの車に暴走車が突っ込んできた、とだけ聞いた」

「…その時庇ったのがお姉さんってことね」

「あぁ」


残されたのは親が稼いだ金と多量の保険金、遠戚のヤツが小学校までは面倒見てくれていたが、中学になればいつの間にか消えていた。


残されたのは俺と金と家族がいたという痕跡だけ


「みんなが遊んでいた時に俺は生きるための知恵を探していたワケだな」

「その携帯は」

「美香さんが温情くれたんだよ」


彼らと関われたのは、そう考えるのなら運命だったのかもしれないな。


「俺はな、さっき悠斗から聞いたんだよな、愛華さんと俺が似てると」

「似てる?どこが?」

「まぁ知らないけどさ、だとすれば俺は思うわけだ、愛華さん、親は?」

「…死んでないわ」

「言い方が悪かったな、彼氏と二人きりならまだしも他の異性の男の家に泊まりに行くことを肯定する親がいると思うか?」

「……別に、女の子の家に泊まりに行くって嘘くらいつけるわ」

「そうだな、でももしかしたら氷姫ではなくて灰かぶり姫だったりするんじゃないのか?」

「…だとしたら、何かあるのかしら?」


もちろんこう返す。


「何も無いぞ」

「え?」

「そんなこと、俺の知った話ではない、そういうヒロインの過去を知るのは主人公だけと相場が決まってるものだ。俺はお前の作品で言う最初にフラれたモブAだ、しっかり役目は果たした。そっちのラブコメはそっちでやってくれ」

「……」

「主人公はこういう重さをヒロインの知らない内に知って、助けてあげれるから主人公なんだぜ」


だってさ、君の中に俺はいないのだから、君の物語は君の中にいる人間だけでやってくれって、そうしないと辻褄が合わなくなるだろう?

こちらを見る友人に心臓がドキリと鳴る。

あぁ、なんで君は僕を知り尽くしているのだろうか。

なんで自分はモブであろうとするのだろうか。

こんなにも僕より輝いて、僕より凄い人なのに…。


「…だから蒼空、君は良い奴なんだよ」

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