話の途中だが…
なんか長なった。
「で、話って、なんですかね」
「もちろん、君を…なんてことは無いから安心してくれ」
「まぁされても断りますけどね」
と頼まれていたコーヒーが届く、いい香りだ、落ち着く。
「僕に対してフラットなのが君くらいだから、こうして暇な時に他愛もない話に付き合って欲しいが、それだけだと断られるかなと思ってね」
「いいカフェを紹介した、と」
「そういうこと」
とコーヒーを1口。
「あのパーティーは楽しかったね、色々コネも作れたし、かなり上の劇作家の人と繋がれたおかげでまた映画に呼ばれたよ」
「それは良かったですが、俺の友人に言ってやってくれませんかね、俺は関係ないので」
「それもそうだね、君は僕の作品は、見てないのかな?」
「まぁ最近やったドラマだけなら見ておきましたよ、別にこれといった感想なんてものは持ち合わせてませんが」
といえば小さく笑う。
「あれは駄作だからね、あぁ、オフレコで頼むよ?」
「言いませんよ、興味無いですし」
……さてと。
「あの」
「…まぁそうだね」
「何も言ってないんですが、それなら話は早いですね」
「カメラ、だろ」
「映りたくないんですけど」
「そりゃ僕だってこんな有意義な休日を撮られたくないとも」
「あぁ貴方も知らない奴ですか」
「…人の休日を撮るだけ撮ってエンタメにするのは嫌いでね」
「それはそうですね」
「特にこの店は僕のお気に入りなんだ、人が増えて欲しくない」
「違いないですね」
どこの局だろうか…いやまぁ知ったところで対応などできないが。
「カメラ、捕まえられます?」
「無理だね、どの局かもここからじゃ視認できない」
「だる…」
「お、素の君かな?」
「うるさいです」
「確認、してきましょうか?」
と声がかけられればそこにいたのは日菜さん。
「君は彼の友人の」
「はい、佐久間日菜って言います、まぁ名前なんて今後呼ばれないでしょうし覚えてもらわなくて結構ですよ」
「きみの友人はみんな個性的だね」
「私は一般人ですし、取材してるのかな?みたいな感じで近付けばいいですよね」
「まぁ局さえ分かれば後は僕が対応できるからね」
「じゃあ、行ってきますね」
とヌルりと会計を済ませて出ていった。
いや普通にカフェして帰るついでにやろうとしてんのか。
「あ、きた。ここだそうですよ」
「ふむ…ここか、いいね、有名なやってる局だ、ついでだし燃やそうか」
「人気俳優のセリフではないですねソレ」
「僕だって人だからね」
とカメラを構えて窓の外の局の奴らを瞬時に撮った。
「速っ…」
「後はこれをSNSで拡散すれば瞬殺だよ」
「ネットには勝てませんからね」
と話してれば局の奴らがドカドカと入り込んできて、こちらに来た。
「すみません、○○局の者ですが、今撮った写真を消して貰えませんか」
「それはどうしてかな?」
「今我々はあなたの休日に密着させて頂いてるわけで、貴方、今我々を晒そうとしましたよね」
「そうだね」
「なので消して貰えませんか?」
「じゃあ僕を撮った動画を全て消してくれるならいいよ」
「……それはできません」
「じゃあ僕もできないよね」
「それとこれとは話が別です」
何言ってんだこいつ…というか傲慢がすぎるだろ。
まぁもっちろんこんなに面白そうなことを録音らない俺ではない。
「そもそも僕は友人とカフェに来てるんだ、彼の肖像権も尊重すべきだろう、なぁ」
「そうですね、モザイクかけてくれるかはさておき、そもそも映りたくないですよ」
「だからどうした?休日に有名な人間と出会ってるんだから、そんくらいは有名税で我慢すべきだろう」
なんだこいつ
「なんだこいつ」
あっ、口に出ちゃった。
「なんだお前?」
「うわー、怖い男の人に絡まれたー、こわーい」
「それはたいへんだー、最近のテレビの人はそんなことまでしてしまうなんてぇ!」
我々迫真の演技(笑)である。
「…まぁいい、仕方ない交換条件を飲もう、消せばいいんだろう、カメラ寄越せ」
「はい」
「こう…ほら消したぞ、確認しろ」
「はい……うん、消えてる、わかったよ、じゃ僕も消すよ、コレでいいかな」
と消す瞬間を見せながら消す。それを確認した後に
「よし、お前ら、帰るぞ」
「はい」
とそのまま帰ってった。帰ったあと、
「録った?」
「もちろんですよ、舐めないで貰えますか?あんなに面白いこと」
「やっぱ君は面白いやつだね」
「ふっ、バックアップも知らない小僧どもを騙すのは心苦しいが、仕事だからな」
「バックアップ知らない奴には見えなかったけど、こっちがしてるとか考えないんですねアイツら」
「そりゃ下に見てるだろうし、こんくらい今どきの子は余裕なのにね」
「さらに音声まで取られてるのに気付かないのは、ねぇ?」
「「ふふふふふふふふふ」」
鬼と悪魔みたいなイケメンと主人公




