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踊るヒロインズ

6人組の女子3人の中で1番ヒロインなのって氷川さんだよね

「ありがとうございます…」

「いや気にしなくていいよ姫華さん」


後夜祭、最初のダンスの相手は姫華さんであった。


「去年は1人だったんでしょ?俺でよければ思い出のひとつにはなれるよ」


とステップと呼ぶには拙すぎるダンスを2人で踊る。

傍から見ても不器用なものだが、大半の生徒はこんなもんだ、むしろ綺麗じゃないからここには馴染んでいるだろう。


「悠斗さんは、氷川さんと?」

「そうだね、あぁ見えて悠斗も守りたい子はちゃんと守る男だから」

「悠斗さんのこと、好きなんですね」

「あぁ当たり前だよ」


と少し大きめにステップをふむ。


「少し、お聞きしてもいいでしょうか?」

「どうぞ」

「氷川さんと一緒で辛くないんですか?」

「気にしてないよ、だって俺じゃあの人の笑顔は出せなかったし、何より悠斗の喜ぶあの姿を見て、そりゃ諦めもつくってもんよ」

「諦めた…ってことは今恋人は募集中ってことですか?」

「…いや、別にかなぁ、ほらなんだかんだ好きだった子が誰かと付き合ったから、好きじゃなくなるって、そんなうまいこと、ありえないじゃん」

「そう…ですね、すみません変な事聞いて」

「いやいいよ、気になるよね」


とスマホが鳴る、交代の時間になる。


「ごめんねあんまり長く出来なくて」

「いえ、気にしませんよ、思い出には十分すぎますから」

「そっか、ありがと」

「こちらこそ、ありがとうございます」


と2人はここで別れる。


次は…


「や!」

「瑞希」

「そ!そろそろかなって」

「タイミングはバッチリだな」

「っしょ!やっぱりね!」


離れるタイミングまで見て速攻駆け寄るという十二分に一緒に居たい乙女の複雑な心境を微塵も感じさせず、もちろん蒼空は気付いちゃいない…完璧なタイミングで瑞希が現れる。


「んじゃ、踊るか」

「ん!」


すごく破顔してるのだが、いつもの笑顔との違いもわからん蒼空は特に気づく様子もなく、踊り始める。


「なんか少しリードされてる感じがする…」

「まぁさっきまで踊ってたんだし、慣れだ慣れ」

「ふふ…」


まるでヒロインだが悲しいことに今後出てくるかも分からないこの少女と少し無言で踊る。


「ねぇ、蒼空」

「どうした?」

「今恋人募集中だったりする?」

「さっきも同じこと聞かれたな…いや別に今は特にないかな、何?恋人居たらその人に迷惑させたかなって?」

「あ!いや、それも…あるけど…うん」

「まぁ大丈夫だよ、さすがに恋人いたら…申し訳ないけど断ってたしな」


まぁいないわけだからこうして踊ってるのだが、いやもし居てもワンチャン踊るかもしれないな、それこそ彼女がヤンデレとかなら相手のために断るけど


「誰かが告白したら付き合うの?」

「んー、どうなんだろうな、なんだかんだ振られた男がすぐに〜って思うしな」

「そっかぁ、じゃ、今蒼空は恋に恋してるってことで!」

「なんか男のくせに女々しいことになってんなそしたら」

「いいじゃん!告白されたら今は恋に恋してるから!って」

「ま、断るならそこら辺になりそうかもな」


と再度スマホが鳴る


「んー、もう少し踊りたかったけど…しょうがないか…思い出としてはまぁ十分すぎるし」


とまるでいつでも離れることが出来るようにしていたかのようにするりと踊るために繋いでいた手が離される。


「ごめんな」

「いいよ!私は楽しめた!じゃ、私も次の子のためにさっさと退散しちゃおっと」


とまるで夢のようにするりとそこから消えていった。


そして最後の1人。


「ではお願いします」

「はい」


と佐久間さんと踊り始める。


「2人はどうだった?」

「えぇ、すごく楽しそうに踊ってましたよ」

「氷川さんは綺麗な踊り方なんだろうな」

「…えぇ」

「悠斗が振り回されてるのが想像できるよ」

「…あの、あなたが踊っていたあの二人が、誘ってきた人なのですか?」

「そうだね、姫華さんの方は毎年こういう行事は1人だったから、今年はみんなと頑張ったから最後も1人なのは嫌って、瑞希は折角だから、だそうだ、まぁ踊る相手に制限とかないし、みんなの思い出になれるなら俺で良ければいくらでも身体を貸すってもんよ」

「損な性格ですね」

「そうか?むしろ複数の子と踊れるんだから得してんじゃない?」

「反応に困りますね」

「気にしなくていいよ、ほら」


とダンスを少しリードする。

少しテンポをあげるとそれに対応するかのように彼女もまたテンポをあげる。


「意外と、踊れるんだね」

「図書委員会はこう見えて重い本を運ぶのでそこそこ体力も筋力もあるんですよ?」

「へぇ、でも図書委員は踊り要素はないんじゃない?」

「なんでも読む私がダンスの本を読むことぐらい、造作もありませんよ」

「じゃあ、もう少し意地悪してやろうかな、悠斗を好きと公言してる君には少しだけ痛い目を見てもらおう」

「いいですよ?私も悠斗くんの傍にいるあなたには嫉妬してるのでそれを上から捩じ伏せましょう」


と少し踊りを激しくする、あちらもついてくる、むしろ追い越そうとする、そこを柔軟にいなす、紳士はリードし、支えることこそダンスのマナー。


このふたりのリード合戦は終わる時間まで続いた。

書いてて思ったけど瑞希ちゃんのヒロインレベルが高いよね

あとメインヒロイン予定の佐久間日菜さん、ヒロインらしからぬ言動と行動。問題しかないので後で職員室へ来なさい。

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