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郷に従え

お化け屋敷、怖がりやすい人、あの6人だと悠斗が1番かも。

「ということで次の目的地は確定してる訳だが、まぁメンツはこうなるか」

「2人ずつらしいからね、男女が好ましいらしいけど」

「やめとけ、お前が他の女と一緒にいてみろ、お化け屋敷が本物の恐怖に満ち溢れるぞ」


悠斗好き2人が中にいるという点で、もう女性と一緒にいようものなら女性側の生還など不可に等しい。


「蒼空はいいの?」

「いいよ、好きなやつだってもういねーんだし、むしろ今更人を好きにとか俺には無理だ」

「…そういうものなの?」

「そういうもんだよ、ま、そもそも俺の事好きなやつなんて居ないしな」

「そんなことないかもしれないけど…まぁ友達としてとか多そうだよね」

「お?褒めてんのか貶してんのか分からないなぁ悠斗よ」

「褒めてる!褒めてるって!親しみやすさってこと!みんなに好かれてるってこと!」


わっしゃわっしゃと悠斗の頭を撫でる、ほんとにコイツは良い奴だ。

……っ!?今なにか悪寒が…いや気の所為だな、あの二人はもう周辺には居ない、間違いない…。


「?どうしたの?」

「いや、今ヤバい悪寒がした気がしてな…」

「?」

「気にすんな、多分気の所為だ」


「…なぁ、聞いたか今の話」

「聞いてたよ拓也」

「アイツら鈍感だから他人の好意に全く気付いちゃいない……」

「悠斗はしょうがないとしても、蒼空も結構重度の鈍感だよね」

「まさかのクラスメイトで4人もアイツを好きなやつ居るのに誰一人の好意にも気付いてないの、モテないから鈍感な悠斗と違って害悪すぎるだろ…」

「まぁ、誰にも分け隔てなくだからこそ気付きにくいかもね…むしろ友だちだからこんな仲良くなってるとかそういう前提がありそう…」

「あ、あるな、多分…これどうすんだ」

「…どう、って?」

「明日、アイツに告白しようとしてる奴を俺は一人知ってるんだが…」


何やら前方2人はコソコソと何かを話している、まぁよくこう人前でイチャイチャ出来るものだな、と思いながら、自分のことを話してるとは露知らず、呑気なことを考えていた。


「はい、2名ですね、拓也さん…あぁてことはそちらが彼女さんですか」

「そ!」

「はい、どうぞコチラ懐中電灯です、まぁ無いとは思いますが懐中電灯の電源が切れたり無くしてしまったら近くのスタッフにお願いしますねー」

「あざー、じゃ美香いくぞー」

「うん」


と次が俺らである。


「2分たったら次ねー、君らは蒼空と悠斗か、男女がいいんだけど…」

「中にいる彼女に逢いに行く悠斗に女が横いたらお化け屋敷が阿鼻叫喚になるけど?」

「…だよねー、ま、2人組ならあんまり気にしてねーし誤差だな、男2人は滅多にねーけど」

「そうか?」

「そうそう、恋人との仲を深める命題でこちとら運営してっから」

「そういうジンクスを確立させればカップルが大量入場してくれると…?」

「そういうこと!ま、金とか貰ってねーから別に忙しくなるだけだけどな!」

「首絞めてんじゃねーか」


と軽く談笑すればすぐに時が過ぎ、


「んじゃいい感じだな、ほら懐中電灯、無くしたり電池きれたらそこら辺のお化けにでも話しかければ取り替えてくれっから」

「雑すぎだろ、ま、いいけど、ほら悠斗いくぞー」

「はーい」


と中に入ってみると思ってたよりも暗い。そして雰囲気はかなりあった。


「おー、すげーな」

「そうだね、雰囲気もしっかりしてて、怖そうだね」

「ま、進むか、どうせ高校のお化け屋敷だからな、サクサクと行くぞ」

「うん」


雰囲気はあるがそんなもんだった、ある程度進むといい感じに人が出てくる。


「おつかれー」

「お、おつー、まぁお前らはビビんねーかおもろくないな」

「すまんなー、ほらこいつの彼女見に来ただけだから」

「まぁ少しくらい驚いてくれてもいいんだがな、氷川さんは最後辺りにいるから、まだまだ長いから誰かに驚かされたら俺らの勝ちで」

「んだそれ、ま、悠斗はそこそこビビってっから」

「そいつは良かった」


とそんな感じでであった奴らと軽く会話しつつ探索してると…


「…!?今初めて恐怖を感じた」

「え?どうしたの、蒼空がこういうところで驚くって珍しいね」

「いや、これは驚くというより恐怖だ」

「…羨ましい…羨ましい…、なんで…なんで私じゃ…、私だって…私だって……」


と目の前にいるのは多分未練によって成仏できてない幽霊の真似…もしくは本来の、佐久間さんだった。いや怖、ガチじゃん。


「私だって…私だって…私の方が…私の!方がっ!!!」

「迫真すぎるだろ演技が」

「…あ、明野さんと、悠斗くん…今ここで襲っても合法ですよね」

「違法だぞ、キャストは客に触れるのは良くないぞ」

「…はぁ…ですよね、あ、ちなみに大事な物を奪われた未練によって成仏出来ない女性役です、どうです?」

「え、演技が迫真すぎて、ここに来て初めて恐怖を感じたよ」

「良かったです、あ、そろそろゴールですよ」

「おー、ありがと」


演技…というより確実に俺に殺意向けてた気がする気もしたが、本人の意思を尊重することにし、次へ進む。


「…あら」

「氷川さんは演技してないのね」

「そうね、ここで立ってるだけでいいって言われたわ」

「愛華さん、そういうのも似合ってるね」

「そう?ありがと」

「…はぁ、まぁいいか」


と2人の会話を少し聞き、さすがにそろそろ出た方がいいと思ったので悠斗に促す。


「あ、そ、そうだね!じゃ、また後で!」

「えぇ、あぁ最後に、それ」

「…あぁ、何コレ出るためにはハグ?」

「そうよ、まぁおふざけだからしなくていいけど」

「…いや別にどっちでもいいぞ、な悠斗」

「うん、まぁじゃあはい」

「ほい」


と普通にハグする。男同士だし、特に抵抗もない


「…は?羨ましいわ、私ともしましょう」

「っえ!あ、う、うん…ど、どうぞ?」


なんか最近悠斗あざといな、可愛いが。


「はい」


ギューッと抱きしめる2人、うんいいね。絵になる


「じゃ頑張るわ」

「うん、頑張って!」


と俺たちはお化け屋敷から外に出た。

「怖かったの?」

「そう、調査と思って頼むわ」

「…えーっと、佐久間さん、かな……」

「へぇ!そこら辺の学生幽霊なのに?」

「恨みが…多分俺に対しての嫉妬込の圧が怖かった」

「…あぁ!そうか!悠斗に告白したんだったか!そりゃ怖い!女の恨みは怖いからな!っし、じゃフィードバックしとくわ!いやー、そういやそうだったわ、忘れてた忘れてた!まぁじゃあ悠斗は?」

「あの、真ん中位で手出たのが、ちょっと…」

「まぁいきなり出たら怖いと思ってやってるしな!」

「あの後蒼空が握手したりして遊んだせいで倒れかけてきたのが特に…」

「ハッハッハ!そりゃただ怖いだけだ!お前らに聞くと参考にならんな!ま、ありがとな!カップルは先に教室言ってるって伝えとけって言ってたから!」

「あー、そっかそろそろか、おっけ、サンキュな」

「いえいえ、また来るのを待ってるぜ」

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