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願いは蒼空に浮かぶ花火に乗せて

物語はしっかりと裏で進んでおります、アイツらの告白?書くわけねーだろ主人公は蒼空だけなんだよっ!


というか予約投稿してたんで進行自体あまり気にしてなかったのですが、これまだだったんですね(10月9日現在)

「…いいところだな」


祭り会場の近くの神社の外れで、空を俺は眺めていた。

手元には屋台に並んでいた焼きそばと自販機で買ったお茶を持ち、木々の少ない空が眺められるこの場所にいた。ここは誰も知らない秘密の場所だ、もちろん拓也や悠斗にも教えてない。なぜって?そんなもん居なくなった時にここってバレないためだ。あいつらはあいつらでいい場所を知ってるだろうしな。


「…あれ。あなた」


誰も居ないと思っていたが、どうやらこの場所を知ってるのは俺以外にもいたようだ。


「…誰…ってなんだ悠斗に振られた子か、君も1人?」

「あなたは…1人ですか?」

「そ、アイツらはアイツらでデートしてっからよ」

「……やっぱりあの2人って付き合ってるんですね」

「…今日、悠斗から告白するんだよ、邪魔しないでやってくれ、振られたら慰めついでに告白してやれ」

「…そうですか」


とそれ以降は会話もなく2人して空を眺める。


「あなたは」

「ん?」

「あなたは愛華さんに振られた、んですよね」

「そうだけど……まぁ俺もいじったしいいか、それが?」

「嫌じゃ、ないんですか?」

「……俺じゃ、氷川さんの…あの人のあんな笑顔出せないから」

「そう、ですか…」

「そういう君は、悠斗の何処が好きになったの?」

「あなたが教えてくれたら交換条件で教えてあげますけど、どうします?」


そう来たか、まぁいいだろう、振られた者同士傷の舐め合いなんてまるで恋愛小説みたいだな。


「俺は、あの人の雰囲気が好きだったんだよね、誰も寄せ付けないんじゃなくて、誰も信じられないみたいな、守ってあげたくてさ…まぁ俺なんかじゃ役不足だったみたいだけど」

「私は、悠斗くんに図書室で転びそうな所を助けて貰って、それからいつの間にか目で追いかけるようになって、でも、私の目には映っても彼の目には映らなかったみたいですね」

「…恋ってままならないもんだね」

「そうですね」


それからまた少し無言だった。


腹が減ったので焼きそばを食べる。


「君、焼きそばいる?」

「いえ、知らない人のはちょっと」

「そりゃそうか、ま、言ってみただけだし俺も腹減ってるからあげないけど」

「じゃあなんで聞いたんですか」

「…何も食べてなさそうだったから?」

「食べましたよ、お祭り価格なので…少しだけですけど」

「…ならいいか」


また無言。


《これより花火の打ち上げを開始します》

「始まったね」

「始まりましたね」


無言で空に咲く花を眺める。

綺麗だった。


「……」

「……」


何も言葉なんてなかったし、別にそんな間柄でもない。

花火の音、他人ですらない距離感、静かな場所に2人、とても歪だと思った。

名前の知らない人とこうやって花火を見るとは、なんとも変な気分だ。


「…そうだ、折角だし、名前、教えてくれない?」

佐久間(さくま)日菜(ひな)です」

「佐久間さんね、俺は明野蒼空、蒼空でいいよ」

「ナンパみたいですね」

「…こう見えて俺は一途なんで、心に決めた人がいるんだよ」

「奇遇ですね、私もです」

「「あの人の心に(わたし)なんていないのに」」


その2人の言葉は花火によって両者に届かなかった


「なにか言った?」

「いえ、何も、そちらも何か言ったようですけど」

「何も言ってないし、気のせいってことにしとくか」

「そうですね、気のせいにしましょう」


《これにて花火の打ち上げを終了します、皆様最後まで祭りをお楽しみください》

「終わり、みたいですね」

「そうだな」

「それじゃ私はここで、ここに花火を見に来ただけですので」

「そう、俺は一人になりに来たからいい感じの時に帰るとするか、んじゃまたね、佐久間さん」

「ええ、明野さんも、次は傷の舐め合いなんてしたくないですね」

「同意見だ」


と彼女は去っていった。


「そうだな、あの人の心に俺はいないんだ、さっさと諦めて…それが出来たら、なんて楽なんだろうな」


花火の終わった空はいつもよりやけに静かで、とても寂しく感じた。

佐久間 日菜

未だ尚悠斗を思い続ける文学少女。

割とロマンチストというかまぁすごくロマンチスト

好きなことは恋愛小説、壁ドンとか顎クイとかお姫様抱っことかされてみたいって純粋に思ってる系の女の子、今なお悠斗への想いは強まっている…のか?

作者には分からないけど一つわかるのはこの子は強いです

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