2週目(3)
嵐(物理)
「…で?言い分は」
「…やっちゃったぜ」
「おっけー、じゃあ死ね」
「ぐわぁぁぁあああ」
と銭湯本日休業の紙を目の前に拓也の髪を掴みアイアンクローをかます。
「どうしようかしらね、今から別のとこだとさすがに時間が」
「メイドさんに持ってきてもらう?」
「ん、いや俺ん家に美香のまだあっただろ」
「ん?おーそっか!」
「んじゃ親に一報入れとくわ」
手際は良いなやはり…。
「んじゃ俺らは悠斗の家で入るか」
「順番か」
「誰先よ」
「んなもん家主だろ」
「いつでもいいけど…」
と帰り道にそんなことを話しつつ帰路に着く。
「お?車じゃん」
「悠斗の家の前だな、そして見慣れたシルエットだな」
「んー、フラグ回収が早いな」
「だな、こういうのは朝に知らない女の子と美香ちゃんがいる!って拓也の家に凸るまでがラノベだけどな」
「ラノベの見過ぎだな」
「そうだな」
とこちらに気付き走ってくる1人とゆっくり来る1人
「悠ちゃーーーーん!!!」
「お母さん…っ!」
「おい待て悠斗俺を盾に…ぐはっ」
悠斗のママさんの突進が腹に一撃…
「俺はどうやらここまでのようだ…」
「そ、蒼空ー!!!!!」
閑話休題
「ごめんな蒼空くん、家の妻がまた迷惑かけて…」
「ははは…いいっすよ健人さん…」
と悠斗の父親である健人さんに謝られたのを軽く流す。大抵いつものことだ。むしろ真弓さん毎回悠斗が俺の影に隠れるの知ってて突進してくるから悠斗を傷付けないような加減とか無い、割と俺には容赦ない人なので…。
「えっとそちらの子は?」
「あ、初めまして氷川愛華って言います」
「…あら、悠斗も隅に置けないのね、彼女だなんて」
「お母さん!まだだから!まだ!」
「あらあら、まだってことはいつか彼女にするのねー」
「っ!もう!」
「悠斗が照れてる…」
「氷川さん、あの人、真弓さんなんだが、すげー強いひとだから」
「そうだぞ、美香ですら大人しくなるから」
「愛華ちゃんは悠斗のことどう思ってるのー?」
「あ、え、えーっと、好き、ですよ」
「あらあら!もう告白」
…。
「おばさん、そのくらいにしときな?」
「…あら、ごめんなさいね蒼空くん、私ちょっと楽しくなっちゃって」
「ごめんね、ボクが止めとけば良かったんだけど」
「いえいえ健人さんのせいじゃないですよ」
なぜ同じようなことを2回も見るのだろうか。
確実に氷川さんが困っている…というより
それはまだ誰かに強要されて言うものじゃない
「真弓さんちょっと」
と拓也が真弓さんを手招きし、美香と拓也と真弓さんで何か話し始める。
「妻が迷惑をかけたね愛華さん、あまりこういうのを言うべきじゃないのかもしれないけど、悠斗はすごくいい子だけど奥手だからそういった人を連れてくるなんて妻も嬉しかっただけなんだよ」
「え、えぇ、はい…」
「健人さん聞いてくださいよーここのメンバーで彼女いないのもう俺だけなんですよー」
「蒼空くんもすぐいい人が見つかるよ」
割と健人さんとは良好…というよりもはや半分父親、くらいの感覚なのでとても話しかけやすい。
「…なかなか複雑な関係だね、愛華さん、それでこんな夜にみんなで何してたんだい?」
「それがですねー…」
と事の発端と銭湯がやってないことと泊まることを軽く説明する。
「ふむ、いいよ、真弓がいるのが嫌なら僕らは今日は別のとこで泊まるけど、愛華さんはどうしたい?」
話があまりにも早すぎる。
「いえ…私は、大丈夫、です」
「まぁ女の子2人がこっちで男の子3人があっちなのはいい采配だけど女の子2人だけを泊まらせるってのも少し怖い感じはするね」
「そうなんですけどね、悠斗は力ないですし、拓也にすると氷川さんが見てられませんし、俺の場合女子が怖いでしょう」
「ははは、それは全くもって違いないね、考えてのことなら深くは聞かないことにするよ」
と何故かふたりが目を見開く。
「…えー、なにその意外そうな目」
「いえ、思ってたより正当な理由があったのね」
「気付かなかった」
「拓也と俺で決めてるからな、悠斗に言ってもあまり変わらんでしょ」
「うぅ…そうだけど…」
「ははは、みんな仲良くやってるみたいでボクは嬉しいよ悠斗」
「…うん、みんないい人だから」
「拓ちゃんどうしたの?」
「あのですね、あそこの2人はまだ色々あってくっついてないんですよ」
「ふむふむ」
「変にくっつけようとして氷川さんが悠斗から離れるのは俺としても嫌なんです、なので割と、ガチで、そういうのやめてください」
「あと蒼空くんが氷川さんに告白して振られたってこともあの2人の中で割とあるので本当にゆっくりくっつくまで待って欲しいんです」
「…あ、そうなの!」
「これは本当に今このメンバーの中で割とタブーな話なので絶対に言わないでください」
「あの蒼空ちゃんが!」
「…ダメだコレ」
「もうどうしましょうねこの人」
暴れんなって言っても暴れるタイプのめんどくさい母親、悠斗はよくその血を継がなかった…よくやった!




