表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/102

令嬢に弄ばれるらしい

八重美香って書くと原神の八重神子を連想します、

…八重御神楽…冗談っす

「拓也!」

「美香!」


ひしっと抱きしめ合う、うんうん、おあついこって…ここが教室じゃなければ止めていなかったが教室なので止めておこう、決して振られた翌日にこんなもの見せられて嫉妬してるとか、後ろの視線が確実に「どういうことだ説明しろ」という圧を少しでも軽減するために止める訳じゃない、いや後者は割と本気で止める理由にはなるが、あくまで止める理由はここが教室でイチャつきを人目に晒すことはないだろうという俺なりの配慮ということだ、うん、断じて死にたくないからじゃない…ないったらない。


「ハイハイ、2人とも、みんな見てるんだから」

「蒼空、私の邪魔をするんですか!?」

「なんなら見せつけてんだよ、蒼空」


んだよ嫌味か!俺が先に手出すぞ!と思ったが後ろのガードマンさんが怖いので言わない。


「はいはい、見せつけなくてもアンタらのラブラブっぷりはご存知だからイチャつくなら家でたっぷりとした方が満足できるだろ?って提案をしてるんだよ、ほらみんなに見られてちゃ、噂が立つだけで何も得は無いんだから」


もう、バカップル(こいつら)の扱いに手馴れた自分が悲しい…本当に俺はモブだなと心から思うよ。というか早くやめて?俺失恋したって言ったよね。


「そうだな、蒼空の言う通りだ、悠斗には刺激が強すぎるからな、2人きりの時にしよう」

「拓也がそういうなら…」


というか悠斗には刺激が強いってお前はアイツのなんなんだよ!なんで俺がこんなツッコミしないとなんだよ!いや声に出してないだけマシだよ!


「ほら下校時刻にはなってんだし、しょんぼりしないですぐ帰ってイチャつけばいいさ」


というか早く帰ってください、後ろからの視線が…視線が!


なぜ皆さん、何の示し合わせも無く俺を睨むんだい!?男女共々このイチャップルを睨めよ!怖い!?でしょうね後ろのガードマンさんが怖いよね!なんで俺ばっかりこんな目にあうんですか!?


「仲良き事はなんとやらってことで」

「すまんな、俺らは2人で帰るわ」

「是非そうしてくれ」


むしろ早くしてください、圧が……後ろからの圧が!前門のいちゃラブ後門の興味本位、胃が死ぬ!


ということでさっさと手を振り、2人を帰す。

そして流れるように俺も帰……

肩に力がかかる。この力加減は、うん、振り解けなくもないが…女子だな!間違いなく逃げられないやつ。


「らせるとでも?」

「いやー、俺よく知らないから」

「さっきの方と会話しておいてそのセリフはおかしいって思わないの?」

「思いません!てことで帰る!」

「逃がさないで!扉班!」


ドアの前に立って守る陣形、いやなんでお前らこういう時だけ無駄に団結力高いんだよ、体育祭とかだけにしとけよ……。

というか女子の命令に従った男子くん、君、確実に圧に負けたね、「ごめん…」って顔してるもん。


「諦めることだな、お前は包囲されている」


うーん女子に包囲されてるなんて全くもってこんなシチュエーションじゃなければ嬉しいものだね!全くもって!こんな!シチュエーションじゃ!無ければ!…泣きそう。


「…なんでこんなことに…恨むべきは有名税か」

「そうよ、さぁ大人しく吐いてもらうわ!」


とここから最終下校時刻になるまで俺は説明をし続けることになった…。


「…はぁ…やっと…やっと!終わった…」


全員が帰り、俺は少しグダグダと窓を眺める、このくらいは許されるだろう。


「……綺麗だな」


夕焼け、俺のこの鬱屈した気持ちを知らないでこんなに眩しく教室を照らしているんだ……あーもうヤダ愚痴を誰かに言いたい。なんでこんな詩的になったんだよ疲れてんだよ俺…。


突然、ガタッと音がする。もうそっちを向く気力もないのでそのまま無視していると教室の扉を開く音がした。


「なんだ、まだ人いたのか…はぁ、帰るか」


とりあえず、後で悠斗はぶっ飛ばす、アイツ、2人がイチャついてる間に帰りやがって…

と廊下を歩いていると、図書室の方で氷姫が笑っているのが見えた、誰かと談笑してるのか…あぁ、あの人もあんな風に笑うんだな。


「そっか…じゃ俺はやっぱあの人には相応しくないって事か、まったく…憂いもなくなっちまったよ」


憂い、いや違うかコレは。なんだろうな、嫉妬心すら湧かないのは多分俺にはあんな笑い方をさせることはできないと理解してるからか…苦笑が漏れ出る。


「全く…なんで無くなってくんだろうな、何もかも」


恋愛する気は、今の俺にはもう無かった

八重美香(やえのみか)

八重グループというすんごい財閥のお嬢様、俗に言うお金持ち

今回は執事の1人を連れて学校に乱入、もちろん正式に許可も取ってるし、迎えに行ったぐらいで学校側が兎角言うことは出来ませんが、許可なしで昼間に無理やり迎えに来ても学校側が兎角言えないくらいのすごい所のご令嬢

一体拓也はどうやってこんなすごい方を捕まえたのか…ま、政略結婚だけどネ!

見てよ!この主人公だけモブっぽいの!いいでしょ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ