春になれば雪は溶ける、夏にもなれば雪は無くなる
雪解けの水は想像より美味しい
「…あんまり、2人になりたくないんですけど」
「それはどうして?」
「いや…気まずい…っていうか興味無いんじゃないんですか」
「そりゃ知りもしない人間に興味を持てるの?」
仰る通り過ぎた。
「悠斗からは許可を貰ってないので…」
「私が貰ったわ」
あれ何故彼は外堀を埋めに?いや傷に塩を塗りに…あ、多分これアイツそんなこと考えてないな、別にいいんじゃないかな?くらいのテンションだろ間違いなく。
「それで…俺に何かありました?」
「いいえ、目の前で告白した人と友人が仲良くしてるのを見てよく平静でいられるなと興味を持っただけよ」
「……あぁ、そんなことですか?」
「そんなこと?」
愚問すぎて鼻で笑いそうになったが、まぁ自重した。
「俺、悠斗好きですもん、これ以上の理由とか要らなくないですか?」
「……?」
「あれ、伝わってない?まぁそうですね、強いて言うなら、告白したのは好きという思いを伝えるためって一般的な解答ですよね、俺は振られると思って告白したタチなので、最近多いでしょ?意外とすぐに身を引くやつ」
思い当たることがあったのか、それでもあまり納得していなそうだ。
「氷川さん的には、迷惑かもしれないんですけど」
冷えかけた紅茶を再度入れ直し、空気を多く含めて淹れる淹れ方のアニメとかでよく見る淹れ方をしながら、
「付き合えないのは分かっていても、気持ちだけ伝えるのは、男にとっては1部の勲章なんですよ」
淹れ終わり、氷川さんの前に出す。
「ほら、告白しないより、告白した方が勇気、あるでしょ?された側からしたらはた迷惑な勇気かもしれませんけどね」
未練は特にありません、とトレイに飲み物と冷やしておいたプリン5つを取り出し、
「飲み物、今飲みます?持ってきましょうか?」
「……えぇ、お願いするわ、1人だけ先に飲んじゃあまり良くないわ」
「そうでしたね、じゃあ持ってきます」
ということで先に部屋に持っていく。ほかの道具は帰りにでも回収する…というか帰る時にいつの間にか綺麗になってる、これが美香さんのお付の方たちがやってくれてるんだろうなと思うと正直頭が上がらない。申し訳ありません使うだけ使って何もせずに…と思ったりもする。
「はいよ、卵プリンと飲み物だぞ」
「おー、待ってましたーって卵プリンか、また難しそうなものを…」
「意外と作るの自体は楽でな、まぁそこそこ冷やして固める必要はあるけど」
「こうやって見てると蒼空って意外と女子力高めだよね」
「女にモテるために美容とか調べてたことあるしね」
「誕生日とかに貰った化粧水は本当に良かったよ」
「知らない話だなぁ?それは拓也がプレゼントしたはずだけど」
「意外といい人なのね」
「…まぁ、俺は特にもう何もないから、友人としてなら相談とか、乗るよ、悠斗が嫉妬するなら、この話はなかったことにするぞー、悠斗頬を膨らませてー、お前はそういうところ子どもなんだから」
「べ、別にしてない…よ……」
「だって氷川さん、君んのとこ彼嫉妬してるって」
そうモブだからね、俺はみんなを引き立てるくらいが1番いいんだ、ね、だから拓也、そんな悲しい目で見ないでくれ…。
そんな悲しい目で見ないでくれと、お前はそう言いたそうだが、なら俺はこう思わざるを得ない、ならなんでそんなにお前は泣きそうなんだって




