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槐の選択  作者: 宮森タクミ
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この世界

誤字脱字すごいかもしれません

「この世界は、私にとって都合の良くない世界です。貴方は、もし異世界に行けて魔法が使えるとしたら、魔法のみを鍛えますか?それとも物理攻撃を極めてイキり倒しますか?」


なんか、物理攻撃のことを言うとき変に口調が変わるな。アニメ好きみたいだし物理系のキャラクターは脳筋が多いという偏見を持っているのだろうか。


「俺なら、魔法と物理の両方を極めたいですね。もちろん難しいというのはわかっていますけど」


「もう少し細かく説明してもらってもいいですか?」


神は俺の考えについて、すごく興味があるみたいだ。


「魔法っていうのは想像ですけど、何でもありって感じじゃないですか。それに対して物理っていうのは限られた情報下にならないと約に立たないじゃないですか。リアルでも物理学というのはもう完結してますけど、科学というのはまだ進歩の最中です。.....知らないことを知りたいという人間の本能によって!私は!魔法というのを学びたいという欲を支配することが出来ません!」


それにさっき会った女性は魔法使いと言っていた。魔法という未知のものを知れるチャンスがそこにある。ゴールを目前に立ち止まれるはずもない。


「やっぱりそうですよね!!魔法を使えるなら魔法を使いまくりますよね。神というのは人間にとっては未知の者。私も魔法をすごく使えますよ。可怪しい条件なしに!」


「どういうことですか?」


「そこなんですよ。この世界には魔法というのがあります。でもその魔法を使うとデメリットが発生します。例えば、ファイアーボールという弱そうな印象を持つ火の球を出すとします。熟練度によりますが、初めて使おうとすると...魔力と言ったほうがわかりやすいのでそう言いますが、魔力を上手く制御出来なくて、火が全く出ない。または、手がすぐに熱くなって数秒後には手から出ていたはずの火が腕に移ったりして、溶け落ちて、焼身します。」


え?メリットあるからデメリットが発生するのであって、その状態になるなら最終的に火の球出せてないし、メリットないじゃん。


「もう一つ有名なウィンドカッターという魔法は、魔法を使った瞬間。どこからも見えない鋭利な刃がどこかに飛ぶわけです。」


「つまり、自分に向かって撃っている可能性があって、最悪首さんが飛ぶ可能性もあると?」


「ありますね。でも!私は神です!そんなデメリットは喰らいません!見ますか?!私の魔法を!」


「マジですか!見せてくださいよ!」


今まで俺が知っているようなものばかり

聞いてきたが、本物の魔法か…見るのは初めてで興奮する。


「ではいきますよ!ほいっと」


神は俺に手をかざした。それと同時に淡い光と身体がくすぐられるような感じを味わう。思っていたのと違う…もっとドガーーンと迫力あるものを見れると思ったのに。


「うーん。なるほどですね。あなたは普通ですね」


「何がですか?」


「魔法。ですよ。あなたの魔力は30と見ました。今まで私が見てきた中では下から2番目です。」


「その、30という数字はどういう意味を持つんですか?」


「単純に魔法を使える数です。弱い魔法から強い魔法、基本的にその30という魔力から1消費して使います。30という数字はずっと変わりません。例外はありますけどね」


基本的にってことは変わることが出来る方法もあるというのか。でも単純に考えて、30回も魔法を使えるのは多い。これが普通?神にとっての普通ということなら…色々聞いておくか。


「この世界の魔力というのをもっと詳しく教えて下さい。あと、どんな世界か、俺が下から2番についても色々詳しく聞きたいです。」


これらを聞けばもうここに来なくても困ることはない。


「えぇっとー。魔力についてと、2番の…ええ!一度に言わないでください!久しぶりに他の言語のリスンニングテストをしてもあなたは、一度に内容をすぐ覚えることが出来ますか?そういうことです。一度に言われても困ってしまいますよ」


すごく共感できる例えだけど、そこまで

難しい話はしてなかったんだけどな。


「すいません。すいません。では、魔力からーどうぞ!」


俺は雑に神に挨拶をして、話をふる。


「では、いきます。まずこの世界では魔法というものがあまり使われていません。魔法がある。ということを理解している人は多いですが、先程言ったとおりデメリットが生じるため最初の一歩を踏み出せずに活用されることが少ないです。興味本位で様々な魔法を使おうとすると、知らないデメリットが生じて命を落とすかも知れません。そのため多種多様な魔法を使える人はなかなかいません。またこの世界の魔力の平均値というのは5くらいが相当です。しかし魔法というのを使わない人も平均の計算では入ってしまうため、あなたの30というのが多いとは限りません。そして、この魔力は一日ごとにリセットされます。わたしはあなたに選択を委ねました。選択者としての魔力は少ないかもしれませんが、あなたには問題なさそうだと思います。」


最後の言葉以外は理解した。俺は最強じゃなくてあくまで一般人より少し強いくらいってことか。そして俺は重要なことを聞くのを忘れてた。


「魔法があまり使われないのはわかりました。けど、その魔法っていうのは使うためには特定の条件とかがあるんですか?」


「そんなのありませんよ。いつでも、どんな魔法でも使えます。」


え?


「……何でも使える?」


「考えることの出来るものは大抵取得出来ますし使えます。…不完全さから世界からは重要視されてませんが」


魔法って最高ではないか。なんでも出来るというのならそれはスカートの中を見せさせてくれるように催眠の魔法を使えば、見せてくれるということだろ?そんな大胆なことをしなくても今日の下着の色は何色?と、どこの部類の魔法は知らないが聞けば教えてくれる。チクショー!俺が持つこの能力は30回まで。そしてそれは平均的。なんでもっと多くしてくれないんだ。例外を探さなくては!早く例外を!いやその前に、神の顔を見たい。絶対に可愛いはずなんだ。俺には分かる。年齢は…いや、見てからの考察だ。

俺の初魔法は催眠か…どんなデメリットが来るんだ。攻撃系と違って危なさそうではないのは想像できる。そのまま反射するかも知れない。やってみよう。でもどうやって?フィーリングでやってみるとするか



「催眠……神よ顔を見せろ!」


俺がそう言った瞬間。さっきまで考えていた破廉恥な考えは吹っ飛び、どうでも良くなった。ただ顔を見るという精神だけはしっかり残っている。魔法が効いたのか神はフードを手で掴み、徐々に顔の一部が開いていく。


「はい?」



フードの下にはお祭りで売っているような、お面を被った女がいた。おい!お面かよ!!そのお面は期待はずれだ。女は、口の部分が真っ黒。目元はしっかり空いていて目が見える状態。4つの模様が口元に近づいている、まるでそれぞれ違う色が一色に交じるかのように。


「じゃーん!実はお面を被っていましたー。そして催眠の魔法は効いていませーん」


女の目元を見る限り微笑んでいるような目の釣り上がりをしている。まぁ流石に無知の状態で魔法が使えるわけがないか。


「精神系の魔法は確かに効きやすいし、デメリットがほとんどないです。そこに着眼点を置くなんて流石です。でも私は神です。精神系魔法は効きません。そしてあなたがおっしゃったその詠唱は、間違いではないですよ。詠唱は自己暗示見たいなもの。なんでも良いんです。言えば」


適当で良いのか。なら


「ドーーン」


俺は隕石が堕ちてくるのを意識してそんなことを言う。それと同時に女は、慌てて手を宇宙そらにかざす。


「……ふぅ。あなた馬鹿ですか!こんなの降って来たら、私でも死んじゃいますよ!」


本当に詠唱は適当で良いのか。


「今のはどれくらいの威力だったんですか?俺は9割程魔力が奪われた感じするんですけど」


「……今のは小石が宇宙から降って来ようとしてました。規模は小さいですけど威力はとてつもなかったです。まぁ、私が神だから両者助かりましたね。こういう想像は止めてくださね、次はありませんよ。」



魔法を魔法で防ぐことも出来るのか…。

なら俺の魔力30という数字はやっぱり特別強いわけではないのか。


「あの、これを防げたっていうのはただ単に熟練度ですよね?」


俺はあくまでわかっている雰囲気で聞く。誰だって人に見栄を張りたいものだ。


「熟練度でもありますね。あなたがさっきおっしゃった魔力の減りは、あの攻撃力の高い魔法なら確かに魔力が1だけ減るわけではありません。ちなみに魔力が尽きたら死んじゃいます。気をつけてくださいね♪」


へぇー。ん?今なんて…いや聞き間違いだ。あんな軽ノリで言われたんだ。きっと魔力が尽きたら信者来ます。といきなり言われただけだ。そこで俺は心拍数が上がっていることに気がつく。荒い息継ぎをしてもなかなか酸素が入ってこないのか苦しくなり、頭がほわほわする。時間がない。あと二つ聞きたいことがあるのに。


「はぁ…はぁ……ぁ、こ、の世界について教え…てください」


めまいがする。高い熱を出しているときにいきなり立ったかのようだ。

俺は気持ちが悪くなり、すぐに横に倒れる。頭になにか響くものを感じ、重さを実感する。


(落ちそう)


「あぁあ!はい!実はこの世界は東西南北のそれぞれの国がありまして、あなたはに…………」


徐々に落ちるのが分かる。話は所々しか聞こえなくなった。重いまぶたを必死に開けようとするが、その抵抗も無抵抗に終わる。


「……」


突然気分が良くなり、目を開けると神ではなく元の世界にいた女が目の前にいた。

最初はおしとやかですが、だんだん猫かぶりがバレ始めてますね。

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