神はお怒りだ
誤字脱字すごいかもしれません。
「ここは、どこだ?」
俺は腹痛を感じてトイレのドアを開けた。
その瞬間、何故か腹痛が消え大きな木の前にいた。その木は白く輝いていて魅力的だった。急いで振り向くがさっきまでのドアはなく、雲のような水蒸気で辺りは包まれている。俺は歩く。見た目とは違ってアルファルトの地面を歩いているような感じだった。俺はドアを開けたときに目の前にあった、木に向かって歩く。
(まず、象徴的な所からここをどこか判断するのが先だな。でもこれは、まさかあれじゃないか?別世界に行ったみたいなやつじゃないか?)
とある宗教では自分が亡くなった後にも別世界が続くと言われている。日本にも天国、地獄と言われる場所があるように。そのように考えると
(ここは天国?いや、別の場所にいただけかも、そうなら...)
さっきまでの世界ではないとしたら俺はトイレに入るため、ドアを開けた瞬間死んだのかもしれない。
(それはいやだ!!便意を我慢出来ずに死んだとか、急すぎるし嫌すぎる。いや、新しい病気である、急天性便意とかになったのかもしれない。うん。死んだと分かったら突然世界に起こった急天性便意で悲しくも被害者になったと考えよう。)
それ意外は正直考えたくない。俺は急なに流行った病気で亡くなった。それも原因不明で、何も前乗りもなく急に流行った病気で便意を感じたまま、亡くなった。
(この話はもう忘れよう)
俺がこんなことを考えているのは非現実的だからだ。さっき地面をみたところごちゃごちゃした都市のようなものを見た。それはまるで、飛行機の中から団地を見ているような感じだった。
(思ってたより遠いな)
すぐに目の前に行けると思っていたが、三分くらい歩いた所でようやく着く。近づくにつれ感じてはいたが、そこには人がいた。
「どう…。めまし。たしの…えは」
女の声だ。少し距離があって聞き取りづらい。
「もう一度、言ってもらえますかーー」
「…も。初めまして。私の...まえ...は神と申します!!」
「分かりました!!」
「もう、目の前にいらっしゃいます!大声を出さなくても伝わりますよ。」
「.........ども」
調子に乗り過ぎて挨拶が雑になってしまったのにも関わらず、全然上手くコミュニケーション
が出来てない。
(はーい。もうこの世界のヒロイン候補第一位の女性に変な印象を与えたー)
「...もう一度、やり直しません?」
「別に構いませんが....もしこれが現実だったら、あなたは誰にも好かれないギャルゲーの主人公か、ヒロインを開始早々逃したダメダメの主人公でしたよ。まぁ現実じゃないんですけど、あぁ貴方にとっては現実かもしれないですけど、私にとってはーーあぁ?いや、私と貴方はここにいるので現実です?」
最初のダメ出しは俺と考えていたのと似ていた
のにすごく心に響く。あれか。自分ではネタに出来るけど、人から言われたらアウトってやつか。というより後半の言葉の意味が全くわからない。今一度考え直して見よう。
(可愛かった)
慌てふためく姿が可愛かった。
(じゃなくて)
ダメダメの主人公か。ミスしたなー
(じゃなくて)
俺にとっては現実なんだけど、女性にとって、いや。神にとっては現実ではない?でも現実....
「とりあえず、お....私の自己紹介を致します。私は蒼魁と申します。東京都出身で高校時代では、成績トップ、部活動にも積極的に参加し、いくつもの大会に出場しました。また生徒会に所属しながらも、学級委員としてクラスのみんなをまとめていました」
(9割嘘の自己紹介。どうだ神様よ。見破れるか?)俺は高校時代、マーク式だった保健のテストで100点を取った。いくつもの大会に出たとは言ったが、全国大会、いや、都大会にも
出たことはない。生徒会には所属していたが、仕事は全然なく名誉だけ得た。また、学級員の仕事は俺の学校の場合、授業前の号令。みんなをまとめていたというところには一様嘘はついてない。どうだ。この本当と嘘で作った嘘を、神様は嘘を嘘と言えるのか。デュエルスタンバイ。)
「え!凄いです!私なんてアニメやゲームで遊ぶことしかやってなかったですよ」
なるほど。顔はあまり見れないが手振りの仕草で分かる。
(絶対可愛いじゃん)
どうして、そんなに餌を前にした犬みたいに動くんだろ。口元、手以外何かを羽織っていてなかなか見れない。でも...あぁわかった。神様ルートをクリアしたらすべて解禁されるな。ルートを解禁するためには神様の過去とか俺の本当の過去を知ったりして、仲を深めて、お互いに必要と感じては好意を持って。
(あーーーーーもう。考えが一つにまとまらない。まずは情報を分析しなくちゃ...)
あれ?さっきアニメやゲームって言わなかったか?異世界の場合そんなのを知っているのは限られるはず。ってことは日本人?この質問すれば解るか。
「あのー。どんなアニメのジャンル好きなんですか?」
「そりゃ、感動系とか、時空物とか、日常系とか、でも、一番好きなのは感動系です。感動とは言っても途中で泣ける展開も嫌いではないんですけど、最後に伏線を一気に回収して涙を溢れさせるのとか大好きです。また時空」
神様はオタクのようであった。好きなアニメを聞いた瞬間、オタク特有の句読点の多い文章を早口にペラペラと話始めた。そんな状況の中、俺は暫くぼっとしていた。内容は最初は真剣に聞いていたものの、長くなると察した瞬間聞くのを止めた。彼女の話が終わり、俺は一番聞きたかったことを質問の内容も一切触れずに単刀直入に言う。
「あのー神様?年齢をお聞きしてもよろしいですか」
彼女はすぐに教えてくれた。
「私は…0歳です」
直ぐにクエスチョンマークが浮かぶが空気が変わったことを肌で感じる。
(やっぱり。聞かないほうが良かったかー。若そうなのに大人の雰囲気あったら聞いちゃったけど)
「この世界は私によって創られました。私はこの世界の神です。貴方がもし元の世界に戻りたいというのであれば、仲間と共にこの世界を救って下さい。」
彼女がそういった途端、木の根本が光り始める。その眩しさはだんだん強くなり、俺は必死に目を閉じる。