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恥じらうオヤジ

みつ豆ドラゴンさんの後に続いて冒険者ギルドの建物内に入って行った私とルイド君。室内に居る職員の人達が一斉に見てくる…うん、美少年がまだ私に引っ付いているからね。


「ルイド君、離れなさい!」


ルイド君は無視をしたまま歩き続けている。


このぅぅ…モフモフくせにモフモフの分際で…


「奥の事務所で待っていてくれ」


「はい」


みつ豆さんはそう言って奥の扉を開けて中へ入った。ルイド君も私の腰をグイグイ押すと、カウンターの向こう側の奥の扉に私を押し込んだ。


ここ関係者以外立ち入り禁止のバックヤードじゃないの?入っていいの?


「ルイド君…ここ関係者以外は入っちゃ…」


「俺は関係者」


それはそうだけど…私が部外者だから!


事務所の一番奥の部屋は『支部長室』と書いてあったのに、ルイド君は気にしないのか、扉を開けて中に入って行ってしまった。怒られても知らないよ?


室内に人はおらず、支部長さんは不在のようだった。ルイド君は堂々と来客用のソファに座ってしまったので、当然ながらルイド君に腰を押さえられている私も一緒に座ってしまっていた。


そして暫く経つとドアの向こうに魔質が近付いて来た。あ、さっきのみつ豆さんだ。流石ドラゴンだよね、お馬サイズだったけどすごい魔力量だった。


「待たせたな」


ん?


んん?このイケメンは誰?


室内に入って来たイケメンさんはみつ豆さんと同じ魔質を持っていて、とても格好いい銀髪のお兄様だった。お年頃は20才半ばくらいで、覗く瞳はサファイアブルー…あれ?


「みつ豆さん?」


「なんだね?」


ドラゴンも人間に変化するんだーー!


格好いいお兄様の正体はみつ豆ドラゴンだったー!


「ああ、自己紹介がまだだったね。このスローティニア王国フィルバレー支部の支部長をしている、ミレツィアバーレンデ=メフィレスベアイトスだ」


支部長のミレア?なんですって?


「え?すみません…お名前が…」


みつ豆さんは苦笑した。


「うん、長くて聞き取れないだろう?皆は略してミツマメと呼ぶんだよ」


「はあ、成程ドラゴンさんはお名前が長いのですね。みつ豆支部長ですね」


甘味のあだ名の方が私的には馴染みがあって呼びやすいわ。


「それで…ルイド、何があったんだ?」


ルイド君は、私の方を時々見ながら話を始めた。話を聞き終わるとみつ豆支部長は眉間に皺を寄せている。


「10日ほど前にルイドのギルド証がバノアの手で拾得物として届けられた。…バノアはギルドを辞めたよ…怪我をしていてもう戦えないと言ってね。ルイド、君が真実を言わないのは誰かを庇っているのだろうけど、それは本人の為になるのか?」


みつ豆さんは綺麗だが、ゾッとするような怖い顔でルイド君を睨んでいる。


「バノアは俺のギルド証を拾って届けただけだ…それが全てだ」


嘘だ…とルイド君の魔質が濁っているせいで気が付いていた。庇っている…というみつ豆さんの発言で何となくだが、ルイド君襲撃事件の裏側が見えてきた。


そのバノアという冒険者がルイド君をおびき寄せる餌にされたんだ。ルイド君は魔力量と普段の俊敏な動きから察するに、決して弱くはない。冒険者Sクラスと本人が言っていた通り、かなりの腕の持ち主だと思われる。


そのルイド君が一方的にボコられた…不自然だ。しかもボロボロにされて奴隷印まで入れられている。


ルイド君はバノアに呼び出された?…手も足も出せない状態で拘束された?そしてバノアは怪我をして、冒険者を辞めた。


大人しくしていなければバノアを殺すぞ!と言われてそいつらに脅された?


これしか考えられない…そしてボコられてバノアを何とか逃がして、自分は奴隷として売られてしまった…これだろうか?


この考えが当たっていたらなんて理不尽なことだろうと思う…こんなこと冒険者のすることだろうか?


「ルイド君…そのAクラスの馬鹿の顔を見ているの?知っている奴ら?」


私が低い声で聞くと、ルイド君はちょっと怯んだように身構えた。何故だかみつ豆さんまでもが、ビクッとなっている。私は異種族2匹?をジロリと睨みながら


「バノアという方を人質にでもされて、いう事を聞くようにされたんでしょう?そんな下衆のことまで庇う必要はないんじゃない?」


と言うと、みつ豆さんは大きく頷いた。


「その通りだ!ほらルイド、お前の恋人もこう言っているんだし…」


こらっみつ豆っ!ちょい待てよ!恋人じゃないよっ何だよ!?まさかみつ豆さんまでバルカスさんの噂を聞きつけてんのか?


「恋人じゃないのでっ年下の男の子に変なこと言わないで下さい!」


「年下…」


みつ豆さんがポカンとした顔で私を見ている。ルイド君は怪訝な顔をしてから


「なあ…最初から気になってたんだけど…お前、俺の事を勘違いしてないか?」


と、言ってきた。勘違い?ルイド君に勘違い?……はっ!?まさか!?


「ルイド君っ女の子だったの!?」


「違うっ!」


速攻で否定された。だって10代だと思っていたけど、もしかしたらまだ幼女という年齢だったかもしれないじゃない!だから胸もペタンコで…


「ルイドはワーウルフだからこう見えても…君よりは大分年上だと思うよ?」


みつ豆さんの言葉に仰天した。と……年上?え?このキラキラしたアイドルみたいな年頃のルイド君が?ルイド君の顔をガン見する。


「ル…ルイドく…いえ、ルイドさんはおいくつで?」


「………52才だ」


ナイスミドル!!


そうじゃないよっ!?ええっ!?ごじゅうにぃぃぃ!?おっさんじゃないのさ!


私はソファの上でジャンピング土下座をした。普段から口を酸っぱくして両親から言われていたのだ。そそっかしいから落ち着いてよく物事を考えなさい…と。


「す…すみませんでしたっ!まさかのおじ様の年齢だったとは…しかもフリルのついたシャツまで買って着せようと企んでいましたしぃ!」


「やっぱり王都で変な服を買うつもりだったんだな?危なかった…」


「ルイドさんっすみませんっ!」


「でもいいよ、いつも通り呼び方はルイド君でいいよ。今更オジサン扱いされても居心地が悪い」


顔を上げると、頬を赤くしてはにかむおじ様ルイド君…こんなかわゆぃのに52才って反則だ…


「こ、こんなかわゆぃのに52才って世の中間違ってるよ!」


私が絶叫すると、みつ豆さんが破顔した。


「おや?そんなこと言ったら私だって555才だし、世の中間違ってるねぇ」


「今、なんと言いましたか?みつ豆さん」


「私もおじいさんの555才だけど?」


まさかのゴーゴーゴーゾロ目!縁起いい!そうじゃないぃぃ!


「みつ豆さん555才なのぉ…ああっ異種族の方ってご長寿なんだった!」


今頃『異種族とのお付き合い♡』の本の中に書かれていた一文を思い出した。異種族は総じて不老長寿である。このたった一文だけの表現だったけど、コレ結構重要なことじゃない?異種族は見た目年齢より年が上の方が多いということよね。アレでも待てよ?


みつ豆さんに疑問をぶつけてみた。


「あの…つかぬ事をお伺いしますが、異種族の方々は長寿であっても不老…成長しないということでしょうか?」


みつ豆さんはチラッとルイド君の方を見てから苦笑いを浮かべた。


「これには個人差があるんだけど、一番の理由は成獣になっているか、なってない…かな?」


「せいじゅう?」


「人間で言うところの成人と未成人という括りかな、年齢が高くても成獣になっていないものもいる…ルイドがその例だな」


ルイド君は成長が止まっている…ということかしら。まさか病気?他に原因があるのかな?


私がルイド君を見詰めているとルイド君は目を逸らしながら


「何考えてるかは想像がつくけれど、病気とかじゃないから!」


と、口を尖らせて答えてくれた。病気じゃない?


するとみつ豆さんが何だか笑いながら答えてくれた。


「簡単に言うと『番』に出会って契りを交わしたら成獣になれるんだよ。それまでは幼獣扱いされることが多い。これは我々ドラゴンもワーウルフにも結構屈辱的なことなんだよね。番が見付からない…成獣になれない。いつまでも半端もの扱いにされる」


番…これも『異種族とのお付き合い♡』の中に書いてたな…確か、異種族には本能的に最高の相性を持つ伴侶、つまり番を見つける機能が備わっている…そこまでしか書いてなかったよねぇ?肝心な所を書いてないなんて、あの本も役に立たないなぁ。


「じゃあルイド君も番を見つけたら大人になれるってことですよね?」


「そういうこと!」


みつ豆さんはチラチラとルイド君を見ている。そんなにチラチラ見てやんなよっ!ルイド君、不機嫌になってるから~


「可愛いルイド君も捨てがたいけど、大きなルイド君も見てみたいな~大きなモフモフ堪らんね~」


「ぶほっ!」


何故かみつ豆さんは吹き出した。どうしたのよ?イケメーンドラゴンが台無しだよ。


「アハハ、うん大きなルイド見てみたいねぇ~大丈夫だよ。そのうちすぐに見れるようになると思うから」


もうすぐ見れる…?ルイド君の顔を見たらパッと目を逸らされた。


「もしかして、番っていうか雌?伴侶の女の子が見付かったの?イヤだっもしかして男の子?」


「違うっちがーーーう!どれも違ーーうっ!」


またも速攻でルイド君に否定をされた。元気なナイスミドルだな…


「大丈夫大丈夫~リレッタが心配しなくてもルイドもちゃんと考えてるから、ね?ルイド」


「……ふんっ」


ルイド君はそっぽを向いている。そして暫く笑っていたみつ豆さんだけど、笑顔を引っ込めると私に顔を近付けて来た。


「ちょっと話を戻すけど、リレッタの見立てでは奴隷印は解術は難しそう?」


「あ……実はルイド君に初めて会った時にルイド君は魔力切れで倒れてしまったのです。それで緊急で私の魔力を入れたのですが…あ~えっと、みつ豆さんは私の事…ローズの魔道具店の娘の事をどれほどご存じでしょうか?」


みつ豆さんは姿勢を正すとうっとりするような微笑を浮かべた。イケジジイですねゴーゴーゴー!


「異界の叡智…でしょう?国で保護を申し出たけど、リコランティス夫妻に拒否された…神の加護の『神の魔力』を持つ女性。異界の知識を応用して開発した魔道具の売上の何割かは国に上納する約束にしている…と。それと有事の際には異界の叡智の知恵を貸すという盟約を交わしている…どう?」


何だ流石、異世界のインターポール…全部知っているじゃない。


「はい、私は『神の魔力』を持っています。その力でルイド君の頸動脈…首のここにある血管ですが、そこの血液の中に私の魔力を入れて流し込みました」


みつ豆さんは顔色を変えて叫んだ。


「…っ!いきなり魔力を流したのか?あ…そうか君はどんな魔力にも適合する…神の魔力の持ち主か、そうか…ルイド、リレッタに出会えてよかったね」


私はルイド君を見た。ルイド君は何か困ったような顔をしている。


みつ豆さんは話を続けるように促したので、慌てて続きを話した。


「あの…それで、ルイド君の首にあった奴隷印の下にあった血管に魔力を流した時に…『黙秘』の魔術式が解術してしまったようで…」


みつ豆さんが目を見開くと立ち上がってルイド君に近付くとルイド君の首に顔を近付けた。


ああっ!美少年と美青年がソファの上で絡み合っている!これは……


その時、支部長室の扉が開いた。


「支部長、お茶をお持ち…し…ま………」


茶器が床に落ちて割れた。お茶を持って来てくれた事務の女性?は顔を真っ赤にしている。ソファの上で絡み合う美少年と美青年(実年齢は52才と555才)……おーーーい!私もいるってばよっ!


「きゃあっ…やだぁ…失礼しま……皆ーーーー聞いてぇぇ…」


ヤバイんじゃない?事務員さん喜色満面だったよ?あの方異世界の腐女子なんじゃないかな?今頃喜々として美少年と美青年の押し倒しからの、首の舐め回し…てないけど、角度的には舐めているように見えちゃったような耽美な場面をギルド職員から一般人に向けて話しまくっちゃうと思う。


「っ…くそ!」


ルイド君とみつ豆さんが同時に立ち上がってびっくりするくらいの速度で廊下に走り出た。私も負けじと走り出たが、私がギルドのカウンターに辿り着いた時は、すでに顔を真っ赤にしたルイド君が


「俺は女が好きだ!」


と、とんでもないことを大声で叫んでいる所だった。ああ、まあいいけどさ…


「そうだよ~サナミ。ルイドはもう番が見付かっているしね」


「!」


「やだぁ!?」


「嘘ぉ!」


主に女子職員と思われる女性達から悲鳴が聞こえた。ああ、気持ちは分かるよ。今チラッと見た限りでも分かる。ギルド職員からギルド会員と思われる男性スタッフは総じて皆、怖い。


ゴリマッチョで目付きが悪く、いかつい。つまりソフトマッチョで女の子顔負けのかわゆぃ美貌の持ち主は今、この空間でルイド君だけなのだ!


そんな冒険者ギルドのオアシス(勝手に命名)モフモフキュルリンアイドル、ルイド君に伴侶が現れてそりゃ悲しいよね、私もちょっと切ないわ…私のモフモフが他人のモフモフになるなんてね…


「…っ!なんで生きてる…」


んん?そんな女子の嘆きの声で溢れているギルド支部の室内で、声を上げた男の人は嫌な魔質を持っているな…と思って見ていると、私の隣にやって来たルイド君から緊張したような魔質が放たれた。


「……」


ルイド君を見ると、目が座っている。怖い…。そしてルイド君の後ろにやって来たみつ豆さんの眼光も鋭い。


私は分かってしまった。あの嫌な魔質を放つゴリマッチョの、まるでその筋の方のような風貌のおじさん(推定30代)達が、例のルイド君襲撃事件の犯人たちだということだ。


しかしあれだね、一応冒険者ギルドは正義の味方?のはずなのにあいつらの風貌ときたら、まあいいでしょう?ルイド君やみつ豆さんが立場上言えないのなら私が言ってあげましょうかね?


え~とまずは体に魔物理防御障壁を張って……


私は颯爽と強面の風貌のギルド会員と思われる男達の前に歩いて行った。


「知ってますぅ?年を取るとその人の内面が顔に出てくるんですって~優しい性格の人は優しい顔に…性格のひん曲がった人は醜悪な顔に…まあぁあなた達、見事に醜悪な顔ね!……失礼」


私は踵を返してルイド君襲撃事件の犯人達(仮)前から立ち去ろうとした。だが…流石は冒険者Aランク、1人が一瞬で私に拳をぶつけてきた。


しかし私とAランク男の間にルイド君が立ち塞がった。男の拳を受け止めたルイド君はその男を投げ飛ばすと、喉元に手刀を入れていた。


「リレッタに触るなっ!」


カッコイイーーー!……いや待て?ルイド君、その男を殺してないよね?ね?白目剥いてるけど…気絶だよね?


いやさ、ルイド君ってば投げ飛ばした後にふらついてるよ。多分電池切れ…もとい体力切れだろう。何せ10日以上は飲まず食わずだったのだから。そんな弱っているルイド君に一撃でやられてしまうAランク。


という事は…だ、元気な頃のルイド君とじゃAランクのゴロツキ総勢6名ではまともに戦っては勝てなかったということだ。それで姑息な手を使ってきたのか…許せん!


思わずみつ豆さんを見たが、みつ豆さんはニッコリと微笑み返すだけだった。


後で聞いた所によると、E~Aランクとその上のSランク以上には実力差がかなりあるらしい。Aランクに在籍していても上に上がれない人はそういうこと…ということだ。


因みにだけどSランク以上の冒険者が国の案件でしか動かないというのは語弊があって、暇な時は上のランクの冒険者も一般の依頼を受けたりしているらしい。


ということはだ、依頼をお願いしたらいきなり、Sランク以上の本物の王子様が現れたりすることもあるのか…実際それ目当てで申込をしてくる女性達も多いらしく、悩ましい問題なんだとか…


Aランクのゴロツキは一般人の私に手を上げようとしたとして、暴行罪で捕まった。それまでも度々問題を起こす奴らだったみたいで、ギルド本部の預かりになってギルド審議会で処罰を決定するそうだ。


一応バタバタしたがルイド君の件は片が付いた…ということで諸々の手続きや始末書?みたいな事務仕事をルイド君がしている間、私はみつ豆さんとギルドの女性職員に囲まれていた。


「先程、話が中断してしまったけどルイドの奴隷印はどうなんだろう?」


みつ豆さんに聞かれて、ああそうだったと再び説明した。


「よく分からない状態なのですが、『黙秘』の術だけが解術出来ている感じです。私の専門は薬術のほうでして、古代語魔術は両親の方が詳しいと思いまして…両親に見てもらおうと思います」


「そうか…確かローズエッタ=リコランティス師は治療術の専門だね?」


「はい、母なら解術も可能かと思います。」


「まぁ!リレッタさんはローズの魔道具店のお嬢様なのね!」


「あそこのリレッタ石鹸、すごくいいわよね~新しい香りはないのかしら?」


じょ……女子達がみつ豆さんの会話をぶった切ってグイグイ来ますね…


「リレッタ石鹸は私が作っていまして、本日ゴローデの香りを新製品として限定発売しているはずですが…」


「きゃああ!うそぉ!」


「やばいっ!もう夕方じゃないっ支部長!?私少し抜けて来ても良いですか!?」


「ん…ああ、構わな…」


「出遅れたわ!」


「サリーー!私にも新作石鹸買って来てぇぇ~」


「私もぉぉ!」


駆けて行こうとした職員のお姉さんの背中に他の女性職員が必死に声をかけている。仕事中に走り出て行ったけど、みつ豆さん的には構わないんだろうか…ある意味自由だな。


サリーさんに石鹸を頼んでいたお姉さんが、ニヤニヤしながら私の顔を再び見てきた。


「やだわ~オホホ!リレッタ石鹸のオーナーとこうしてお話出来るなんて光栄ですぅ」


なんか新鮮だな~普段は村ぐらいしか行かないから、面と向かって顧客の方の意見を聞く機会もないし…そうだ。


「お使い頂いてありがとうございます。実は…髪の美容液の試作品を作っていまして、ルイド君に使ってもらったら結構綺麗になったので、是非一度試して頂けたら…」


と言ってショルダーバッグから、柑橘系の香りとお花の香りの2種類のヘアエッセンスを出して見せた途端、数名の女性職員に囲まれた。


「髪の美容液ですって!?」


「それ新製品ですの?」


「使いたい!使いたい!」


「私は花の香りを…!」


「何騒いでるんだよ?」


女性職員に囲まれていると、ミッドナイトブルー色の髪をサラサラと靡かせてルイド君が支部長室に入って来た。髪はサラサラ……である。


「私もアレになりたーい!」


「是非是非、美容液をぉぉ」


女性職員に怖いくらいに縋られた。しかし試作品一本ずつしか持っていなかったので、皆さんで使って試してみて下さい。また近いうちにギルドに使用感等の聞き取りに伺いますと伝えたら、歓喜の悲鳴を上げられた。


結局、お店に駆け込んだがゴローデ石鹸は売り切れだったみたいで、頼んでいた女性職員に泣きつかれた。すぐに作ってお店に取り置きをお願いしておくから待っててねと言うと女性職員に抱き付かれた。

みつ豆さんの番の話もいずれは書きたいと思います

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