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今日からルイド君の保護者です

モフモフしたいが為に初めて人外の少年を書いてみました。ずっとモフモフ言ってますが宜しくお願いします。ケモナーの定義とか、獣人とは!みたいな定番も全然分かっておりませんので、ご指摘あればご遠慮なく言って頂ければ助かります^^


主人公の言葉使いを手直ししております。ご指摘ありがとうございますm(_ _)m

この世界には人間以外の種族がいる。


ドラゴン(竜)ワーウルフ(人狼)エルフ(妖精)だ。


元々異種族は約8000年前に突然異世界からやって来て、この世界に移住しようとした為にそれに反発した人間と戦争を起こした。人と異種族……長きの戦争の果て、休戦となり今は共存という道を取っているというのがこの世界の異種族と人間との歴史だ。


その異種族達と言えば王都には沢山住んでいるらしい。しかし私が住んでいる場所はかなり王都から離れているので異種族に遭遇したことがない。……流石都会は違う。


噂ではその異種族の方々は見る者を圧倒するほどの外的な美しさを備えているらしい。


まあ…私からしたらそんなファンタジーな生き物に遭遇したくもないけどね。


そんな私、リレッタ=リコランティスは20才の性別は女性だ。この世界ではお嫁に行ってないとおかしいくらいの年齢だけど、絶賛おひとり様だ。因みに中身は日本生まれの日本人の転生者だ。


私はラウンの森に住む魔術師夫婦の間に生まれ落ちた。まあ子供時代は可もなく不可もなくで、今も魔術師の両親は健在だし、異世界転生だから~とか魔術師だから~とか不幸な話は全然全く無い。


異世界転生で生まれた時から私の魔力波形は普通の人と違い随分と異質だったようで、両親はすぐに私の正体に気づき、それでも私の成長を温かく見守ってくれた。


私が言葉を理解し話せるようになると両親は異世界の情報を聞きたがり、私も異世界の知識を両親に伝えることにした。


魔法の無い世界。魔法の代わりに発展した化学、教育、政治…両親はその話を細かく記録し、私の話の中で魔術師として魔道具開発のヒントになる発見を得たようで、今じゃ両親が作った異世界印の魔道具がバカ売れし『魔道具開発の神様』なんて言われている。


魔道具の開発の特許申請と魔便利グッズの販売利益でうちの家族は魔術師の中でも大金持ちの方だった。今も両親は優雅に海外旅行に行っている。


そんな私は…と言うと魔術師は魔術師でも薬術師の才能があったようだった。


両親とは系統は違うけれど薬の販売でそこそこ自分で稼げるし、実家の資金管理も私が任されているのもあり、親から給金も頂いて優雅な1人暮らしをしている。


そんな優雅な1人暮らしをしている私を訪ねてこんな山奥まで来客が来たようだ。


「リレッタ〜!助けてっ!」


玄関の扉を叩く音が聞こえた。私は声の主を確認してからゆっくりと玄関扉を開けた。


扉の向こうには小柄でまるで精霊のような美少女が立っていた。実際は精霊ではない、人間だ。名前をクラリッサ=シルビアレンティという。まだ17才の公爵家令嬢だ。


「クラリッサ様、また供も付けないでこんな森の奥まで…」


「至急なのっ!助けて、リレッタッ!」


今度はどうしたというのだろうか…このお嬢様との出会いは二年前に遡る。母の知り合いの魔術師が教鞭を取っている魔術学院で産休で休む教師の代わりに、教鞭を取ってくれと私が頼まれて臨時教師になった時の受け持ちの生徒の中にクラリッサがいたのだ。


彼女は兎に角、男子生徒にモテていた。勿論見た目の可憐さもさることながら、家柄の高さと彼女の天真爛漫な性格で異性からモテまくっていた。当然同性からは毛嫌いされていた。


確かに異世界風に言うならば小悪魔タイプではあるが、決して計算で小悪魔系になっているのではなく、本当に天然なのだ。だからこそタチが悪い。悪気があって周りを振り回しているつもりはないとしても、何かと異性間トラブルを起こす常習犯となっていた。


私から見ればもう少し周りを見て、上手く立ち回れば避けられるトラブルばかりだった。そういう面でクラリッサはおバカなのだと思う。勉強は出来ても、それとこれは別なのかな~と思う。


兎に角


学生の頃から恋愛トラブルが絶えないクラリッサはいつの間にか、困ったことがあったら臨時教師の私を頼るようになっていた。私がそのトラブルを捌くのが上手いことが良くなかったのかもしれないが、いつの間にかクラリッサから全幅の信頼を寄せられるようになってしまった。


信頼なんて寄せてもらっても困るんだけどね。


もう臨時教師を辞めた私に未だにトラブル処理を頼んで来る彼女。異世界風に言うのならば『空気読めよ』だ。私はもう臨時教師じゃねぇよ。


玄関の扉を開けて内心溜め息をつきながら、必死で叫ぶクラリッサの背後に目が行った。


大きな檻が置いてある。黒い暗幕がかけられている。結構な魔力を放つ生き物がそこに居るようだ。


何アレ?怖いんだけど?


「リレッタ…」


クラリッサは私の側に近づいて声を潜めた。


「あの子、ワーウルフなの」


と、暗幕のかかった檻をチラリと見た。


ワーウルフ!?人狼!どうりで凄い魔力だと思った。


クラリッサは檻を見ながら溜め息をついた。


「凄く、凄くね…綺麗な子なの。でも奴隷として捕まっててね。このままだったら性奴隷として…ね」


「…っ!そう……ね」


この世界には奴隷制度がある。私は絶対に制度そのものを認めないけど、存在はする。


私の住む『スローティニア王国』は労働力の為に買われる奴隷は合法だが、それ以外の奴隷の売買は厳しく取り締まられている。


しかしそれでも、闇で売買されている。性奴隷に臓器売買…このワーウルフもそうなのか?


「兎に角ね、綺麗な子で側に置いておきたいな〜と思って買ったんだけど…駄目なの」


「駄目?」


「あの檻、魔物理防御を張ってるんだけどそれでも破れそうなくらいの勢いで暴れるの…泣いて叫んで、もう一週間飲まず食わずなの」


「えっ!?何も食べてないの?」


どうしてケロッと食べてないの発言が出来るのだ?クラリッサは何をしているの?


「あなた魔術師でしょう?少し手荒になるけど術で眠らせたり、捕縛してせめて水や魔力の供給はしてあげないと、魔力切れで動けなくなるわ…」


クラリッサは顔を真っ赤にしている。


「分かってるわっ!分かってるのだけど…怖いのよ。あの子凄く泣き叫ぶの!あんなのに近づけないわ」


あんなの…そうか、クラリッサはワーウルフの子をペット、愛玩動物だという扱いをしているのかもしれない。泣き叫んで手が付けられないから『いらない』


根本的に奴隷関連のこの価値観は馴染めないな~


奴隷に対する価値観と嫌悪感の異世界間の感覚の差が激しい。合法で奴隷の存在を容認している世界だからか、奴隷を人としては決して扱わない。


クラリッサは奴隷…見た目の綺麗な生き物を飼おうとしたが懐いてくれず、私に?


「だからお願い…私が処分したいんだけど怖くて近づけないの。リレッタが処分してくれない?」


処分……眩暈がした。本当に愛玩動物以下の扱いなのね。


泣き叫ぶから処分…酷い、とは言えない。世界が違うのだ。此方では当たり前かもしれないが、私は従わない。異端な考え方だと言われてもこの信条を曲げない。


「分かった。あの子のお世話は私が責任を持ってします」


クラリッサはキョトンとした。


「魔術契約書を交わしているのよね?私に譲る手続きをしてくれない?」


「え?でもリレッタ…泣き叫ぶのよ?言う事を聞いてくれないのよ?それでも飼うの?」


思わず苦笑してしまう。


「ええ、あの子は私が責任を持って見るわ」


私はクラリッサから魔術契約書を預かると、術式を変えて私の魔印で再契約を交わした。


「これで大丈夫ね」


クラリッサは何度も頷いた。そして何度も謝りながらその場を走り去って行った。


さて


突然に降って湧いたこの状況…初異種族人との遭遇である。怖いことは怖いのだが、好奇心の方が上回っている。


そうだ、暗幕を取りましょうか…私は檻に近づいて行った。檻の中から異能の魔力は感じるが弱っている…と思う。そうだ、この子はうっかりしていたが人間の言葉は通じるのだろうか?


檻の前に膝を突くと声をかけた。


「初めまして、リレッタ=リコランティスよ。え~と今からこの暗幕を上げるわね?少し眩しいと思うけどごめんなさいね?」


私はゆっくりと暗幕を開けた。


檻の中には10代後半くらいの男の子がいた。


漆黒の髪に金色の瞳。鼻筋の通った顔にこの世の者とも思えない絶妙なバランスの造形の、私が個人的に思う世界最高峰の美の結晶がそこに居た。因みに美少年は腰に薄い布を巻き付けただけのほぼ裸族だ。


しかし感動すらある。こんな綺麗な人…生き物か?を生でしかもこんな至近距離で見ることが出来るなんて、私ってすごい!とすら思っていた。


彼は美しい…絶世の美少年だ。ひたすらにそういう感想しか出てこない。


するとワーウルフの美少年はその綺麗な目を大きく見開くと、唸り声を上げ始めた。


私はその声で飛ばしていた意識を戻してきた。


唸っているわ…どうしよう。まさかこんな大きな男の子だとは思わなかった。檻から出したらやっぱり暴れるのかな。でも手荒なことはしたくないし。


私がそう思案していると、低く唸り声を上げていた美少年は突然、フラリと傾ぐと檻の中でドカッと倒れてしまった。


「魔力切れ!?」


私はすぐに檻の周りの術を解術して中に入った。マズイ!どんどん魔力が小さくなる。緊急事態だ。異種族人に効果があるかは分からないが、迷っている暇は無い。


「ごめんなさいっ!触りますね!」


と…彼に触ろうとした瞬間、ビクビクと体を震わせて美少年は…狼に変身?というか変化した!?


きゃああ!真っ黒毛並みのフワモコ可愛いっ!…とか思っている場合じゃないっ!


私は狼の喉元に手を当てると私の魔力を一気に流し込んだ。


お願いっ…助かってっ!


魔力切れを補うには魔の力が籠った食事を取るのが一般的だ。しかし魔力切れの激しい時は魔力そのものを体内に直接流し込む治療が有効だ。


体内に取り込むには、体液、血液などを媒体する方法もあるがこうやって動脈等に直接魔力を流し込む方法もある。恐らくだが、この動脈に直接魔力を転移させて流し込む方法は私しかしていない…と思う。


この治療方法は非常に危険な行為だ。魔力も血液の輸血と一緒で魔力適合が合うか合わないかが存在する。まずは血液に魔力を少し混ぜて拒絶反応が出ないかを確かめるのだ。


だが今まで何度も血液で検査してみたが私の魔力はどんな魔質のタイプにも拒絶されない。すべての人に適合する『神の魔力』の持ち主らしいのだ。これも転生の加護みたいなのかな~とも思う。


ただ


異種族人には分からない。一か八かで動脈に直接入れてみたが……もし拒絶反応が出たらお手上げだ。村まで飛んで異種族人の治療が出来る術師を連れて来るしかない。それまでこの子の体力が持つかどうかだ。


魔力を流しながら、獣に変化したワーウルフの状態を観察する。今の所、拒絶反応の時に見せる痙攣(けいれん)などはおこっていない。ただ小刻みに体が震えているのは魔力切れによる体温低下だ。私はワーウルフの周りにヒートという温めの魔術を使った。


「頑張って…頑張って…」


私はフワモコの体を何度も撫でた。彼の体はヒートの魔法のお陰で震えが止まってきたようだ。流し込んだ魔力の動きを診た。


ゆっくりと体内を移動し…体中に流れている。節々で魔流が滞っている箇所は見当たらない。


私はワーウルフの体に重力無効化魔法をかけて、体を担ぎ上げると室内に運び入れた。はあ~小さい狼の子とはいえ1mくらいの体長はあるし体重も20キロ以上あるだろう。


魔法が使えてよかったわ~女の私じゃ意識の無い狼の子供なんて運べないもの。


私は美狼?の男の子を寝室に運び入れるとベッドに寝かして掛け布団をかけてあげた。私の魔力は彼の体の中を巡っている。もう一度首筋の動脈に触れてみた。僅かだが魔流の流れを感じる。


「良かった…!」


本当にホッとした。私の魔力も役に立った。


暫く様子を見ていると魔流の流れが戻ってきた。よし…魔力切れは取り敢えず危機は脱したね。さて、後は食事か。


私と同じ物を食べてくれるのだろうか?正直こちらの世界の料理より、元の世界の料理の方が得意なんだけど…まずは『おかゆ』よね。


実は米によく似た食材があるので、遠くの国から通販のようなお取り寄せで購入している。私はおかゆを作ることにした。中に魔鳥のササミを入れてみよう。魔力も補充出来るしね。


マイフという米に似た麦を炊いていると彼…ワーウルフの子の魔力が動いたのを感じた。


そして彼は音も立てずに寝室から外へと飛び出して行った。


ああ…そうか、逃げ出したか、うん。


そうした方が勿論いい。だが…今の彼の首には奴隷印の魔術式が埋め込まれていた。あれは厄介だ。


奴隷印とはその遥か昔、ドラゴン族の魔術師が従わないワーウルフやエルフをも強制的に従わせていたと言われる古代語魔術の捕縛魔法の一種だ。


当然人間がその魔術式を埋め込まれれば一生逆らえないし、一度でも印に逆らえば即、死んでしまうとされているほどに強力な捕縛術だ。


ワーウルフとはいえあの子が契約者である私の側から逃げて距離をあけてしまうと術が作動して彼が危険な状態になることもある。


私は寝室から彼が逃げた方向に向かって転移魔法を使った。


私は裏山の雑木林の中に降り立って、ワーウルフの子の魔力を追う。彼は走ってはいるけれど…速度は遅い。私は声の届く範囲まで雑木林の中を移動すると彼の居る方向に向かって叫んだ。


「あなたの首には奴隷印が埋め込まれているわ!今は体力も落ちているから、逃げるのなら元気になってからにしなさい!」


言葉が通じたのだろうか…移動していた彼の魔質が止まった。私は素早く彼の元へ移動した。


彼は黒い毛並みを逆立てながら、森の中で私を見詰めていた。怒っているわね…


「あなたは今、自分が満身創痍なのは分かるわね?このまま私から逃げても力尽きてしまうわ。それに奴隷印があなたを拘束しているの。この術印を解術出来る方法を探しましょう?このまま逃げ出したとしてもあなたに奴隷印が埋め込まれたままでは、また捕縛される危険性もあるわ。体力をつけて奴隷印を消して…そして元気になってから好きなだけ逃げなさい。それまでは好きなだけうちに居てくれて構わないからね」


黒い狼は金色の瞳を大きく見開いた。そして…


「…分かった」


と言葉を喋った!モフモフが喋った!声は低くてカッコイイ!……そうじゃない、そうじゃない。


黒い狼はふらついた。ああっ危ない!私はモフモフに走り寄ると抱き締めた。ああ…よく見ると毛並みが痛んでいるし毛も汚れてベタベタしている。そりゃそうか、どれほどの時間をあの檻の中で過ごしてきたのか…


「可哀そうに…」


私がそう呟くと狼は毛並みを逆立てた。また怒ってる?


私は彼を抱えると転移魔法で家まで戻り、彼をまたベッドに寝かせた。


そして作りかけていたササミ入りおじやを仕上げてとお水、それと体を拭く布巾を持って再び寝室を訪れた。


彼は今度は大人しく寝ていた。


お水の中に塩と砂糖を少し入れている。異世界人の知恵だ。塩分と糖分の補給大事、うん。吸い飲みも準備したし…私は彼の顔の下に布巾を敷くとまずは吸い飲みに水を入れて口元に差し入れた。


「お水です、ゆっくり飲んでね」


彼は金色の瞳を少し開いた後、ゆっくりと水を飲んだ。よしよし…そしてヒートをかけた(たらい)に入れた水に布巾を入れてホットタオルにすると彼の体を拭いてあげた。


「魔法で洗浄も出来るけど…こちらの方が温かいし、気持ちもいいかと思ってね」


ゆっくりとモフモフの顔の周りを布巾で拭いてあげる。何だ本当に大人しい。クラリッサは泣き叫んだとか言ってたよね?こんな大人しい子のどこが怖かったんだろう。


顔を拭いて背中を拭いて…そしてお腹を拭き始めると彼は途端に唸り出した。


「ぐぅ……る……」


もしかして?


「お腹を怪我をしているの?私、薬術師なの?傷口見ましょうか?」


「がぅ……違う……腹はいい」


「いいってっ清潔にしないと…」


がうぅ……と唸り声をまた上げる彼。う~ん、これだけ唸れるなら大丈夫なのかな?取り敢えずお腹を拭こうとしていた布巾をササッと動かすとおしりと尻尾を拭いた。


「ぎゃんっ!がうぅ…触るなっ!」


また怒った…噛まれないだけマシか。私は布巾を仕舞うと、さじでおかゆをすくって口元に持っていった。


「マイフを出汁で炊いたものよ。味は薄目だけど食べられる?」


彼はフンフン…と匂いを嗅いでから舌でペロッとおかゆを舐めた。食べれるかな?どうかな?


彼は少しづつおかゆを食べてくれた。ほぼ完食した後にポテッ…と倒れ込んだので確認したら眠っているようだ。私は静かに寝室を後にした。


それから、私は時間をおいて彼の看病をした。お水をあげて夜は卵おじやにしてみた。体を診てみると魔力の流れも綺麗に流れている。モフモフの誘惑に勝てずに彼の体にソッと触れると、まだ毛を逆立てている。


また怒っているのかな?噛まれないだけマシだけど…


その夜は迷ったが付き添いはやめて、私は居間のソファで眠ることにした。


深夜


彼が寝室から出て来た。逃げるのかな?と思ったら…私に飛びかかって来た。恐ろしいとは思わなかった。野生の狼だと思えば当然の反応だ。


彼は私の喉笛を狙って噛みついてきた。でも…ごめんね?


「がぅぅぅうう!ギャン……!」


噛みつこうと飛び掛かった彼は私の体の周りに張った防御障壁に弾き飛ばされた。飛ばされた彼は流石、ワーウルフ…クルンと空中で一回転して床に着地した。しかし着地してから床に倒れ込んだ。


「無理するから~私に噛みつくのはもっと元気になってからにしたほうがいいよ?」


「障壁…?俺が襲うと分かっていたのか?」


モフモフは声もカッコイイな~狼ってこうじゃなきゃね!…また思考が反れた。


私は倒れた彼の側に腰を下ろした。


「あなたに狙われる…というか、普段から気を付けているのよ?」


狼は金色の瞳を細めた。私が手を出すとまた唸って噛みつこうとして障壁に阻まれている。懲りないなぁ~


私は毛を逆立てたモフモフの体をゆっくりと撫でた。まだ毛先が痛んでるな。


「もう少し元気になったらお風呂に入ろうか?」


彼は益々毛を逆立ててきた。あ、そうだ。


「改めて自己紹介をしておくね。リレッタ=リコランティスよ、宜しくね」


「……ルイド」


「ルイドね!宜しく」


狼から何かブツブツ言っている声が聞こえるけど、きっと私に対する抗議の声かな?


はいはい。


ルイド君は究極のツンデレの予定です…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい文章で、良いと思います。 もふもふを読みたくて読み始めたので、これからどのくらいもふもふしてくれるのか、楽しみです。 ツンデレ展開も楽しみにしています。 [一言] 頑張ってくださ…
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