↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流され系魔女の無人島ライフ  作者: 白月らび
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/373

願いよ、トイレに届け

困った事になった……。


そろそろ限界かもしれない。


今いる場所はアザレアの腕の中。


こんなところでするわけにはいかない。


 もじもじ……


きっと言えば地面に降ろしてくれるよね?


「ね、ねぇアザレア……」


「なぁに?」


相変わらず笑顔が眩しい。


「あのね……トイレに行きたいんだけど……」


「あ、はーい。 ねぇメルルさん、おねーちゃんがトイレ行きたいんだって!」


「わ゛あぁぁぁぁっ!!」


せっかく小声で言ったのに大声で言い直さないでっ!


「いいですわね、みんなで行きましょうか」


「なんでっ!?」


なんかおっそろしい事言い出してやがりませんか!?


みんなに囲まれて用を足すの!?


絶対おかしいよね!?


「え? 私はいつもメルルさんに連れて行ってもらってるのですよ?」


「そうなの?」


「アタシも一応スライム程度であれば召喚できますわ。トイレで少し大きめのを呼び出して、メルさんに渡しているのですわ」


そんな事してたんだ……。


「スライムのおかげで、海中でするのと感覚が似てるのです」


「えぇ……」


その発言はちょっと……。


でも生態的には全然おかしいこと無いし。


私の方がおかしい? おかしくないよね? 多分。


「わかりますわ、アタシも水や海の中でするといつもと違う気持ちになれますの」


真顔で何言ってんのこの変態(サキュバス)は?


「おねーちゃん、アザレアも興味あ───」


「やめなさい」


もう、なんだか話が逸れてるよ。


「トイレは一人で行きたいんだけど……」


「駄目だよおねーちゃん!」

「いけませんわ」

「私達がついているので安心して欲しいのです」


「そこまで一斉に拒否する!?」


もー…ついてくるから安心できないんだってばぁ。


あぅ、これ以上ツッコミいれたらちょっと出そう……。


マッサージの時から服は着てないのが今は救いだけど、アザレアに思いっきり被害が出ちゃう。


「アザレア……はやく……」


もうアザレアだけだったらいいよ!


はやくトイレに連れてって!


「おねーちゃんってば、そんなにグイグイ引っ張って……甘えん坊さんだね♪」


ちがーう!!


ツッコミそうになるだけで力がこもってヤバイ……。


蔓で体が固定されてなかったら全力で逃げるのにぃ。


「ドロシーさんが限界を迎えそうな顔をしているのです」


ミラが気づいてくれた。


「ならばチャンス……ではなく最後の手段ですわ!」


今チャンスって言わなかった?


「この器になさって下さいまし!」


「できるかーっ!」


それ器じゃなくて手だから!


「ひぅっ!」


あ…ヤバ……。


もう限界、次叫んだら確実に終わる。


「おね…がい………もう……」


もうみんなに懇願するしかない。


というか普通に泣きそう。


「……はぁ、ドロシー様がそんなに嫌がるなら仕方ありませんわ。こんな事もあろうかとこれを用意してありましたの」


そう言って取り出したのは、スライム。


………まさかっ!


「えっ……ここ…で?」


思わずアザレアにしがみついた。


「あら、ドロシー様は何を想像してますの?」


「ぁ……ぇ……ぅ…………」


何って、見てる前で用を……。


「用を足してるのをじっくりねっとり拝見したいですが、今のドロシー様は耐えられないと思いますわ」


なんかいろいろバレてる気がする。


恥ずかしい……。


「さ、しっかり覆いなさいな」


メルルがスライムを、私の太腿に置いた。


すると、スライムが私の下半身を覆っている葉の中へと潜り込んできた!


「ぴゃぁっ!!」


びっくりして漏らしそうになった……。


スライムはあっという間に纏わり付いて、動きを止めている。


「なにこれ……」


見えないけど覆われてるのが分かる。


「スライムオムツですわ」


………………。


一瞬気が遠くなった。


え? 私か(・)な(・)り(・)いい歳してるよ?


オムツはないよね? ねぇ?


「アザレアちゃん、腰から下をしっかりと覆ってあげて下さいまし。……これで見られる心配はありませんわ。思う存分お出しになって下さい」


お出しになってじゃないよぉ!


「ドロシー様、これは大事な事なのですわ」


「ふぇ?」


「飲食をすると、どうしても不必要な物が身体に溜まっていきますの。それをしっかり外へと出さないと、体への負担となり、病に侵されることもあるのですわ」


メルルが真面目に解説してくれる。


「出すことを恥ずかしがる事は良くないのですわ。ドロシー様にはもっとお身体を大切にして頂きたいのですわ」


「う、うん……」


メルルの言うことは正しい。


………でも。


「それってトイレに行くだけで解決する話───」


「わき腹が隙だらけですわ、えいっ♪」


 つんっ!


「ぅきゃあっ!」


あっ………………。


「アザレアちゃん、ドロシー様をしっかり抱きしめてあげて下さいな」


「はーい。おねーちゃん、いい子いい子♡」


こうしてトイレを掛けた私の試練は、敗北に終わった。




「お風呂気持ちいいねー」


「うん」


まだ数日なのに、4人でお風呂ってのも当たり前になりつつあるなぁ。


今日はアザレアに抱かれたまま入ってるけど。


「もうこんな介護はこりごりよ」


思い出して思わずため息をついた。


「疲れは取れたのですか?」


「余計疲れたわ……」


さらにため息。


「マッサージ初めてだったから、ダメだった?」


「ううん、マッサージは凄く良かったよ。気持ちよくって寝ちゃったし」


あれはまたやって欲しいなぁ……。


「ただ、夕飯からは逆に疲れたんだけど、どういう事かな? メルルさんや」


「ゔっ……それは、その……」


メルルに対してチクリと攻撃。


まったくもぅ……。


「ド、ドロシー様とアザレアちゃんのコンビが尊すぎて、ついつい我慢出来なくなってしまいますの……」


我慢出来なくなる気持ちは分かるけど、そこに私が入るのは何でよ……。


「もー、徹底的にやられる私の身にもなってよね」


「うぅ……」


少しくらい自重してくれたら嬉しいなぁ。


ふぅ……。


いい湯ね。


「あ、そーだ。ミラ、家が落ち着いたら自由に移動できるように魔法の特訓でもする?」


「いいのですかっ!?」


「もちろんよ、アザレアも一緒にね」


「やったー!」


2人とも嬉しそう。


ミラが地上であまり動けないのはもったいないものね。


「あの……ドロシー様、アタシは……」


「いじわるとセクハラばっかりするからヤダ」


「はうっ!?」


っていうか、貴女はもともと魔法得意でしょーが。


といってもこれじゃ仲間はずれみたいだし。


「冗談よ、メルルは何かやりたい事あるの?」


「うぅ……お情け感謝致しますわ……生活に使えそうな魔法が増えたらと思っていますの」


「分かったわ、希望があったらその時教えて頂戴」


これで全体の生活能力が上がれば、島の開拓も進むかもしれない。


新しい食べ物とか見つけたいなぁ。


そういえば。


「ねぇ、メルルとミラは、この島周辺でまだ手に入れてない食べ物とか、探してみたいと思う?」


まだ2人は島探索してないから、私じゃ見逃す物も探せるかもしれない。


「森に行けばキノコや他の物も見つかるかもしれませんが、アザレアちゃんほど植物に詳しいわけではありませんわ……」


うーん、そうだよねぇ。


「海でしたらお任せなのです。魚以外でしたら、カニやエビ、寒天の材料、イカタコ、他いろいろ見つかるかもしれないのですよ」


ミラが有能過ぎた。


「凄いですわっ! 料理のバリエーションが一気に増えますわー!」


「ミラさん天才だよー!」


「そういえば海の幸が豊富なの、すっかり忘れてたよ」


超巨大魚が獲れてからは困ってなかったからなぁ。


「今まではムニエルがお魚獲ってきてくれてたもんね」


「ムニエル? 誰なのです?」


そういえば2人は入れ違いで島に来たんだった。


「一緒に暮らしてる大蛇なんだけど、いつもお魚獲ってきてくれたのよ」


「ペットですの?」


「ううん、家族なの。そういえば最近見てないけど、ムニエルどこ行ったの?」


 ぎくり


そ、そういえばいつ帰ってくるんだろう……。


「え、えーっとね、あの大きいお魚を追い立てたのが、実はムニエルでね。本人に悪気はなかったんだけど……津波起こしたお仕置きとして、アザレアが喜ぶお土産でも探してこいって言っちゃったのよ……」


数日帰ってこないってことは、きっと真面目に探しに行ってるんだろうなぁ。


元気でやってるといいけど。


「そうなんだ、早く帰ってくるといいね!」


「そうねー」


「それまでに今の家を完成させちゃうのです!」


「ふふっ、アタシ達新人の事も含めて驚かせてあげましょう」


楽しみが増えちゃったね。


「アザレア、そろそろお風呂から上がろっか」


「はーい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※ 他の投稿作品 ※

【からふるシーカーズ】

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。