↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流され系魔女の無人島ライフ  作者: 白月らび
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/373

巨大魚+津波=鼻血

「おねーちゃーん!この前採ってきたレモングラスがいい感じに育ってるよー!」


「おっ、いいねー。お茶の種類増やせそう」


数日経って、アザレアはすっかり畑仕事にハマっていた。


最初は私が植えた無駄な草をスポスポ抜いて、道具や蔓を使って育てやすい『畑』へと整える。


住処にある野草のストックから畑で増やせそうなのを選んで、植え、挿し木をしていった。


もう少し種類が欲しいと、森の方にも2人で出かけ、畑用に数種類採ってきたりもした。


また2人でお出かけしたいなぁ。


あ、そーだ。


「そういえば森の奥って池みたいな場所あったよね。アザレアは知ってる?」


「うん、あるよー」


おお、じゃあ少し気になってる事聞いてみようかな。


「おねーちゃん知ってたんだね」


「ちょっと空から見えたからね。そのうち行ってみたいんだけど」


「わかった。何か面白いものあるといいねー」


「そうだねー。あと森の中って他に何かあったりする?」


「うーん………」


なんか無さそうだなぁ……。


「じゃあ他に生き物とかって居たりするかな?」


「生き物かぁ、えっと………」


むー。これは期待出来ないかもしんない。


「わからない……」


「分からないかぁ」


そりゃこの島を全部把握してる訳じゃないでしょうね。


「ずーっと前、池の辺りから気配を感じた覚えはあるんだけど、きっと今は関係ないし…」


「へー、昔は生き物いたのかなー」


「ごめんね、おねーちゃん。役に立てなくて」


シュンとするアザレア。


「あー、いいのよ気にしないで。もし知ってる事あったらラッキーかなって思っただけだから」


どっちにしろ、島の探検は必須事項。


暮らすからには把握しておきたいし、何より楽しいし。


「じゃあ今度、二人で森のお散歩に行こ?」


「うん!」


手を繋いでのデートなら、さらに楽しくなるに違いないよね。




 ザッパーン


アザレアとお茶を飲んでのんびりしていたら、海の方から音が聞こえた。


かなり遠くからみたいだけど……。


「えっ?なに?」


慣れない音にビックリしたアザレアが怯えてキョロキョロする。


音がしたのは南側か。


海で大きな何かがあったんだと思う。


「見に行ってみよう!」


私とアザレアは南の海が見える位置に移動すると、直ぐに沖で暴れ回るそれを見つけた。


「うわぁー!なにあれ!でっかーい!」


かなり遠くで暴れているのは、それはそれは大きな鯛だった。


形からして、ブダイの一種かな?


「お、おねーちゃん、あれなに?」


「うーん……」


私は返答に困った。


いやほんと何だろうねあの大きさ。デカすぎない?


この距離でしっかり見えてるってことは一体何十メートルあるっていうのよ……?


お魚よりも怪獣のほうが納得出来そうなんだけど。


それにしてもなんだって今日に限ってあんな所で暴れてるんだろう。


島に来てからいままで見たことなかったのに。


「あのお魚って美味しいのかな?」


「いや分かんないけど……あ、結構速く動いてるなぁ」


遠目からでもしっかり動いて見える、なかなかの速度だ。


「おねーちゃん、あのお魚だんだんおっきくなってるよね?」


「そういえば……飛び跳ねたり左右に移動したりしながら、少しずつ大きくなってる……ような……」


お魚の動きを見てたら嫌な予感が私の脳裏を駆け巡る。


「わーーっ!? シールド! シールド貼らないとぉっ!?」


私は慌てて空中へ飛び出し、島から少し海に出た場所で巨大な魔力の壁を展開し、そのまま海上を飛行して島の片面を守るように壁を広げていった。


壁を作り終えると沖をチラ見。


すると結構な大きさの波が何重にもなってるのが見えた!


「やっぱりいいいいい!!」


あんな大きさのお魚が何度も暴れたら、そりゃ津波にもなるよ!


あんなの、どんなに強くしたシールドでも正面から何度も受けていられない。


かといって、攻撃魔法で津波を壊すのは、何度も出来るもんじゃない。


島とアザレアさえ守ればいいんだから……よし!


「はあああああぁぁぁぁ!!」


私は先程のシールドから海側に飛び出し、津波に対して鋭角になるように2枚の巨大なシールドを展開!


耐えられないなら角度で受け流す!


シールドを貼り終わると同時に、島の倍以上の高さで迫っていた津波が、島の手前で真っ二つに割れていった。


よーし間に合った。


島の方を見ると、北側の海面が多少上がって砂浜に影響出てるけど、概ね大丈夫っぽい。


これなら少し水浸しになる程度ですみそう。


シールドは……うん、問題なし!


「こっちはオッケー、アザレアっ!」


作業が終わると急いでアザレアの元へと飛んで戻った。


「アザレア!だいじょ───」


「おねー…ちゃ………こわ……やぁ……たしゅ…て……」


戻った所に待っていたのは、島を飲み込む程の波を見て、涙を流しながら怯えるアザレアの姿。


ふおおおお!? きゃぁわいいいい!!


「もう大丈夫よ! ほら私にしっかり掴まって!」


鼻血を垂らしながら真剣な顔でそう言うと、アザレアは腕と蔓を使って私の体にがっしりくっついた。


よし、役得…じゃなかった。


結界魔法で私達を包み、そのまま浮遊魔法で空高く避難した。


「ふえぇぇぇぇん!! お゛ね゛ーぢゃあ゛あああ!!」


アザレアは私の腕の中でガタガタ震えながら大声で泣いている。


「よしよし、可哀想に。怖かったよねー」


私はアザレアをあやしながら、津波と島、そして巨大魚の動きを見守っていた。


鼻血は、まぁ両腕がアザレアを抱きしめる為に塞がってるから放置で。


まったく、私の可愛いアザレアをこんなに可愛く泣かしてくれやがって。


お魚さん、有難う、絶対許さないからね。


じわじわと食い尽くしてくれよう。


「あれ? お魚の動きがおかしい……あれって追われてる感じがするなぁ」


海中にいる何かから逃げてる?


そうすると何が……?


私が鼻血を流し……もとい、考えてる間にも、巨大魚はかなり島に接近している。


津波も大分小さくなった、膨れ上がる程の距離が無くなったんだろう。


「はぁ、島は無事ね。住処にも被害無くてよかったわ」


泣いてるアザレアは後でじっくりゆっくり丹念に可愛がっ…慰めてあげよう、うへへ。


残る問題はあのお魚。どうしてくれよう。


「シールドで島には上がれないと思うけど………あっ」


巨大魚は島の手前で思いっきりジャンプ!


そのままの勢いでシールドの角に向かって頭突きした!


……………………………。


 プカ〜〜〜〜………


「えー………」


思わず目が点になった。


まさかシールドの角に頭をぶつけて死んじゃうとは……。


「まーいいけどさー……はぁ……」


私のアザレアを泣かした恨みは何処へぶつけたらいいのかな?




周囲の波も収まってきたので、私達は地上へと降り立った。


「アザレア、もう大丈夫よー? 波は収まったよ」


「ひっく……ぐすっ……ほんとぉ?……っ…ふえっ……」


「ホントホント、ほらあれ見てよ」


南の海岸付近でプカーっと浮かぶ超でっかいお魚さん。


直ぐに浮かんできたのは、このお魚にとってこの場所は浅すぎるんだろうな……なんか船が岩礁でつっかえてるような動きしてるし。


この異常な大きさは大漁というよりは、もはや災害である。


「うーん…改めて見ると、クジラよりでかいんじゃ……」


「ぅう~、怖かった…よぉ……ひっく……おねーちゃん……」


「そうだよねー、怖かったねーよしよし」


 なでなで


「………すん…」


ちょっとは落ち着いたかな。


何時までもこうしてはいられない、お魚をどうにかしないと。


「アザレア、後でいっぱいナデナデしてあげるから、あのお魚の処理しにいっていい?」


「………うん、ごめんね?今はきっとおねーちゃんの邪魔になっちゃうから、お部屋に戻ってるね……」


はうああぁぁ! 良い子過ぎる! せっかく鼻血止まりかけてたのにっ!


「ありがと、また後でね」


「いってらっしゃぁい」


アザレアと別れ、鼻血を拭い、お魚の方へと飛んでいってみると……。


「あれ? 何かいる……」


お魚の上に動いてる白くて長い生き物が見えた。


あれは………ムニエル?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※ 他の投稿作品 ※

【からふるシーカーズ】

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。