BLゲームの攻略対象者の元恋人でしたが何か?
初めて書きました
初めてなので見るに絶えなく拙い文章かもしれません
胸糞な描写があるかもしれません
ご理解のほど何卒お願い致します( T∀T)
「お前と別れたいんだ」
目の前の美男は私にそう告げた
その美男の横には最近転入してきた清楚で可憐な男の子が涙目で此方を見ていた、簡単に説明すると最近流行りの寝取られという体験をしているのだ言わずもがな横の可憐な男の子滝山正人から..
でも何となく解っていたのだ、この世界が某BLゲームの中だとそして攻略対象の一人が私の恋人の花園レイという事に、それを知ったのは二日前に自宅のシャワーでカラオケをしていると石鹸を足で踏み滑らせ頭が熱烈に地面にぶつかり前世の記憶が雪崩混んできたのだ、この体験がドラマや小説等のストーリーならばヒロインである私、田中香織が回避に徹するのが普通だが転校生の滝山君は既に花園レイの攻略イベントを全てクリアしているのだゲームでも此処までパーフェクトにクリアしているのは奇跡に近いハッピーエンドスチル行き確定だ
何故知っているかって?イベント最中に真横にいたからだよ
お弁当あーんや木の上から降りられなくなった(可愛いらしいヒロイン)滝山とそれを優しくそっとおろす(私の恋人)花園の姿、様々なスチルシーン回収済みの真横で「なんだか仲が良いね」で済ませていた私の横っ面をぶっ飛ばしたい
「本当にすまないと思っている..」
「花園くん..。」
おいおい見つめ合うな、まわりに花が見えるよ、わたしを置いていくなこの状況で、どう収集すればいいの、あれ?なんか汗が目に滲んでよく見えないよ下向いたら目から汗が流れちゃうよ
本当にすまないと思っていて学校のど真ん中で人の往来がごった返す中言う台詞なのかしら?顔面がピクピクと痙攣するのが解る
「..わがっだわよ」(解ったわよ)
「田中さん..」
「香織..」
結局プライドが高い私は太平洋並みに広い度量を見せる事で終わらせる事にした。大人の対応を出来たと思う、ちょっと最後の方は鼻水が出てる気がしたが、もうひとつ付け加えるとしたら私の声がだみ声だったような....。
それは置いといてその後学校の女子寮まで全力疾走し自室にこもりベッドの枕に顔押し付け大声でひたすら泣き叫んだ、生きてきてこれだけ醜態を晒した事は後にも先にも無い
少し落ち着き始めると後ろに人の気配を感じたくるりと振り向くとこの醜態の元凶の一部の寝とり犯の滝山正人が立っていた美しくも可愛いらしい満面の笑みで(その顔一発殴らせろ)
「何よ..笑いにぎたのがじら?」(何よ笑いに来たのかしら?)
「うん正にその通りだよ、良い泣き顔だね田中さん」
前言撤回だ殴るのは一発じゃ済まねぇぞゴラァ
ふるふると両腕を殴るポーズにしていく私にずっとニコニコを崩さない滝山は少しずつ近づいてくる、その余裕な態度がまた私の感情をグラグラと揺さぶられまたポロポロと目から涙が溢れてくる悔しい悲しい寂しい感情ごちゃ混ぜで戦闘意欲が駄々下がりでしゃがみこんでしまった
こうなる事は解ってたのに涙がノンストップだ、きっと顔も酷いだろう体育座りで顔を下に向け半狂乱に叫ぶ
「もういいでしょ情けない姿は見れたでしょ!帰りなさいよぉ!!!」
その叫びを物ともせず滝山は近づき私の前で屈んできたようだ
慰めでもするのかと思いきや
「うん凄く満足してるよ、でも全然足りないな」
顔面天使の腹黒悪魔野郎だわコイツ
ふと私の頭に奴の手が置かれた咄嗟にその手を叩く
「気安く触らないでよ!!」
「わー可愛い~野良猫みたい~」
「近づかないでよ!!この変態野郎!!」
「その変態野郎に寝とられたんだよね恋人を」
「あんたなんか居なければ良かったのに!!あんたなんか!!!」
「そんだけ泣いたのに元気があるよね~」
バコバコと元凶を殴りつけるが軽々受け流し笑顔を崩さず私の後ろ髪を掴み私の顔を上に向かせた、コイツ女をなんだと思ってるんだ鬼畜じゃねえか悪趣味過ぎるぞ、奴は機嫌良さそうに顔近づけてきた
「本当に不様だよね田中さんも花園君も」
キスするんじゃないかと思う位の近さで酷く優しい声音で囁いてくる、この距離なら頭突きは外さないのにと思いつつ睨み付ける
「花園くんはちょっと優しくして抱き締めさせてあげればコロッと墜ちるし、プライドの高~い田中さんは直ぐに別れを承諾して誰も居ない所で泣き叫ぶし..本当に計画通りと言うというか」
「......計画って何よ」
髪を掴んでる腕にギリギリと爪をたててやるきっと血が滲んでいる、ざまあみろ
滝山は痛そうな素振りも見せずに片方の手のひらで私の頬を包んだ
「ほら、好きな女の子は虐めたくなるんだよね」
「....は?」
何を言ってるんだコイツ..頭おかしいだろ
率直な感想はそれしかなかった
「田中さんの元恋人の花園君は少し仲良くなった転入生と相思相愛という勘違いをして皆の居る前で大々的に恋人に別れを告げたが転入生はそんなつもりもなく泣き張らした田中さんに誤解を解くのと同時に慰めてあげようと追いかけてきた心優しい転入生の僕って訳だよ」
「........は?」
「それで田中さんの元恋人の花園君はこの事件により実質、学校生活において立場を無くしてしまうだろうね」
「........え?」
「そうすると、邪魔な花園君はいなくなり可愛いそうな田中さんを慰めているうちに僕たちはいつの間にか仲良くって計画だよ」
コイツ頭がおかしいとかそんなんじゃない気が狂ってるんだ....。寒気が止まらない、さっきまでの怒りが沈下して恐怖がむくむく膨れ上がる
ー怖い
上手く息が出来ない苦しい鳥肌がたつ
ガリガリと頭痛がする吐き気もしてきた
何これやめてくれよ
「今度は不安そうな顔....可愛いね」
目から流れる涙をペロリと舐めとられる、真っ赤で長い舌がまた怖い、このまま蛇に食べられるヒヨコのようになるんじゃないかって
「ひっ!!」
「そんなに怖がらないで、あんまり酷い事はしたくないし出来るだけ優しくしてあげたいんだ」
ニコニコと髪の毛を掴んでた手を離し頬にあった手も退散していく、私が爪を立てていた腕はやはり赤く滲んでいた
それをわざとらしく「痛いや酷いよ田中さん」とケラケラ笑い捕食者の目で私を見つめる
ねっとりとしたその視線を外したいのに外せない
「ねぇ田中さん仲良くしようよ」
蛇はそういうと自身の制服のネクタイを緩めて私の唇に噛みついた