アリス
ベラが目を覚ました。
うぅ頭が痛い。今朝の痛みよりいたい。
ベラが起きた頃にはもうほとんど爆発で燃えていた。床にはたくさんの人が倒れていた。立っている人はいなかった。多分生きてる人はもう逃げたんだわ。ベラはあたりを見回した。アリスがいない。あたりに倒れている人も見回したがアリスらしき人はいなかった。逃げたのかしら…。ベラは立って走り出した。ここにいては、いつか火が回ってくる。ベラは頭が痛いのを我慢して出口に向かって走り出した。だがすぐに止まった。ベラの目の前に火の海が広がっていた。ベラは、そのままUターンをした。
その頃アリスはまだモールの中にいた。実は、アリスは昨日のマントの人たちの一人だった。アリスは幼い頃からベラを守るようにしつけられいつもベラのそばにいた。ずっとベラには秘密にしてある。
この爆発は人間の仕業では無い。レーガンの仕業だ。レーガンはアリスを狙ってこのモールに来たんだわ。まだレーガンはベラの顔を知らない。きっと今頃無事に逃げて、モールの外だろう。レーガンがベラを見つける前に倒せなくても追い払うことはしなくてはいけない。なんとしてでもベラを守らなくてはいけない。この命に変えてでも。
その時だ。アリスに向かって火の玉が飛んできた。素早く反応してアリスはよけた。
「おやおや、こんなところにルーブ国の人が。」
その声はレーガンだった。
「ベラっていう女の子はどこかな?」
ニヤニヤ笑いながら話続ける。
「アリスの近くにいつもいるって小耳に挟んだけど偽情報だったみたいだね」
「知らないわ。例え知っていてもお前なんかに教えるわけにはいかないわ。」
「生意気な口を叩く子だ。ベラが目的で来たんだが無意味だったな。お前の相手をしてやりたいがあいにく私は忙しい。それに小さな子どもを自分手で倒したりはしない。死んでしまうからな。手下どもに相手をしてもらえ。」
レーガンは笑いながら立ち去っていった。
その瞬間レーガンと変わるかのように違う男がアリスの前にでてきた。どこかで見たことがあるような顔だ……。
そんなこと考えていた瞬間に蹴り飛ばされた。軽く10mは飛ばされた。
壁にぶつかって一瞬息が止まりそうになった。
男はまださっきと同じ場所にいる。でも今にもこっちに来て殴りかかって来そうだった。なんとしてでも体制を整えなくては。アリスは左手の中指と薬指をまげた。その瞬間アリスの体が消えた。
飛ばされた壁と反対の壁にアリスは移動した。
男はさっきまでアリスがいた場所にいた。突然ターゲットが消えて慌てている様子だった。
「ここよ。おバカさん。テレポートしたのよ。」
と言った瞬間またアリスの姿が消えた。消えた瞬間今度は男の目の前にアリスの姿があった。アリスは素早く身をかがめて足を上げ回し蹴り。見事男の顔面に足が当たった。男は倒れた。男の上にまたがって男の首を右手でつかんだ。男はあばれ出した。だが振り落とされまいと必死にアリスはまたがった。そして右手に軽く力を入れた。その瞬間、男の首に電流が流れ気絶した。
「私のことを舐めすぎよ。ベラ様の命を守れって言われてるんだから訓練をちゃんとやってるのよ。」
そして軽く男を蹴った。男の体制が仰向けになり顔がしっかり見えた。アリスは顔を見た瞬間に目を丸くした。そう、この男はルーブ国の兵士のビルだった。ビルは子どもに優しく昔アリスもビルに遊んでもらったことがある。
「ビル!?ビル!」
アリスはビルの顔を抱えて叫んだ。その声でビルがうっすら目をあけまた。
「アリス…。強くなったな。ベラと一緒にいて力が弱くなっていると思ったが。その力でベラ様をまもれよ」と言って気絶した。
ビルは、レーガンに洗脳されていた。一瞬死んだかと思ったが息はしている。急いで背中にビルを乗せて駆け出した。