《生命の樹》
極論するなら、魔法使いの実力とは、魔力の総量に左右される。
これは単純な理屈で、魔力が多ければ多いほど、より強力な魔法を繰り出すことができるからだ。
少ない魔力ではほんの一瞬の火花しか生み出せないが、際限なく魔力をそそぎ込めば、山をも焼き尽くす大火となる。
戦闘に限らず、なんらかの精霊を呼び出す儀式や結界の構築においても、より多くの魔力を操ることができれば有利となる。
少なくてもいいことなどひとつもない。
多ければ多いほど優れている。
だがこの魔力というものは、後天的な努力などによって量を増やすことは不可能に近い。
この世に誕生したとき、その絶対量というものがほぼ決まってしまっているのだ。
ゆえに、生まれながらの才能に依存する魔力という要素は、魔法使いを志す者にとって四肢よりも重大な価値を持つ。
魔法使いの家系においては、魔力が血筋に大きく左右されるとの説が有力であるため、政略結婚のごとく、より多くの魔力を持つ家との婚姻を望む。
まるで人間の品種改良だ。
馬を、より速く駆ける競走馬に仕立て上げるかのごとく、より魔力の多い血統を求めてかけ合わせ続ける。
長い年月を経て、そうやって品種改良を繰り返し続けてきたのが、現在のもっとも実力ある魔法使いたちだ。
優秀な血を食らいつくした彼らは、魔法の冴えだけでなく、多方面へのコネクションとて強大だ。魔法使いの世界に、王侯貴族のように絶対不可侵の存在として君臨している。
レンヴィクセンも、そのひとりだ。
たとえばごく一般的な魔法使いの魔力量を、一としよう。
地上世界最強の魔法使いと謳われるレンヴィクセンは、その数百倍の魔力を、生まれながらに宿している。
まさに圧倒的な血統の差だ。
だが、そのレンヴィクセンからしても、クラティアの魔力は途方もない巨大さであった。
底が見えぬ。
果てが見えぬ。
比べるまでもなく、おのれの矮小さを理解させられる。
まるで自分の魔力など、せいぜい桶一杯の水でしかないかのように。
クラティアのそれは、たとえるなら、大海のごとしであった。
無理もない。
くらべる相手が悪すぎる。
肉体という器の中でしか生きられぬ人間の魔力など、どれだけ血統を厳選してもたかが知れている。
対して魔神は、肉を捨て去り、精神体としてむき出しの命を晒したままでも、この世に甚大な影響を及ぼしうるパワーを持つ。
生命としてのもともとの規模が違いすぎるのだ。
魔神とは、魔を司る神の化身。あるいは、神そのもの。
魔法に関してクラティアは、まさに、神。たやすく天候を操り、重力すら自在に変化させる。
――ならば、それすら上回るバースデイの魔力とは、なんだ。
「ユーリ! これはどういうことだ!? いったい何が起こっている!」
瓦礫の山と化した町長の屋敷から、シェラザードが駆けてきた。隣には護衛のルインもいる。
二人とも全身が木くずと埃まみれだ。巨人と化したバースデイによって倒壊した屋敷から、なんとか脱出できたのだろう。
そしてバースデイの存在に気づき、息をのむ。
「見ての通り、あの化け物のしわざだ」
背後からやってきたシェラザードたちに対し、ユーリは振り返らず言った。
「あんたらの先祖も、とんでもないものを神と崇めてたもんだな。あいつは、こんな場所にいてもいいような奴じゃないぞ」
リメイン地下大迷宮の各階層には、それぞれ独自の生態系が広がっている。
様々な動植物の食物連鎖が微妙な均衡を保っている特殊な状況。
この第一階層、《乳白色の森》にもそれはある。
しかしバースデイの実力は、異常すぎる。そして異質すぎた。
この階層を知り尽くした五階層案内人ユーリ、リメイン屈指の男が手も足も出ないというのは、ただごとではない。
明らかに理不尽なほど突出した戦闘力。
この階層の生態系にとって完全なるイレギュラー。
存在するだけで世界のバランスを崩す。
たとえるならゴブリンが縄張り争いを繰り広げている場所に、ドラゴンを放り込むようなものだ。瞬時にしてゴブリンは殺戮され、すべてが破滅する。
バースデイの実力はそれほどのものであった。
そのうえ、精神面においても完全に破綻している。放置すれば、この森に住むすべての命をめちゃくちゃに殺して回るだろう。その対象に、人間も、魔物も、エルフだろうと、区別はないはずだ。
ここで倒さなければならない。
誰かが倒してしまわなければ。
できなければ、狩られるだけだ。
理不尽な神によって、誰一人として例外なく。
だというのに、唯一それができる実力を持つはずのクラティアに、驚きと、焦りが浮かんでいた。
「自分よりも強い魔法使いと会うのは初めてかい?」
バースデイが言った。
不気味な笑みを静かに浮かべ、穏やかに語りかける。
クラティアは目を見開き、それから眉間に皺を寄せて睨みつける。
「そう、でも仕方ないよ。強い魔力を持っていると勘違いしてしまうのは仕方ないさ。次々と覚える新たな魔法、敗北を知らない常勝の日々。ちっぽけな万能感を育てるのにはうってつけだ」
バースデイが大きく腕を広げる。
町を襲っている巨大植物の群れが、それに応えるようにして大きく震え、胎動した。
淡い光を放つ、植物たち。
それらの輝きは線となって地面を伝い、バースデイへと到達する。
収束する、無数の光線。
ひとりの男を中心として、幾何学的な模様が作り上げられた。
町一つを舞台とした壮大なスケールで展開する、光り輝く魔法陣。
その光の正体は、地下より吸い上げられた魔力だ。
「でもね。ある日、気付いて鼻っ柱がへし折れるのさ……自分は特別な天才なんかではなかったという事実に。今まで勝ち続けてこられたのは、ただ単に運が良かっただけ。出会っていなかっただけなんだということに……僕という、本当の神様にね」
バースデイの足下で、草木が生い茂り、可憐な花が咲き誇った。
そして足を持ち上げると同時に枯れ果てる。
生を与え、奪う者。
それはまさしく、神の所業。
ゆったりと前へ進みながら、生と死を足下にまき散らす。
「折れて、ひれ伏せ。僕が神だ」
クラティアは、無言で腕を突き出す。
その手の平から放たれる、破壊のエネルギー。
無色透明の魔力は、渦巻きながらバースデイを襲う。
進行方向にあるものすべてを粉砕しながら突き進む魔力の塊に対し、バースデイは歩みを止めることすらしなかった。
ただ指先を向ける、たったそれだけの動作によって、クラティアの魔法は縦に裂かれ、左右にねじ曲げられてしまう。
「いや、本当にたいした魔力だよ。でもエコじゃないねぇ。さっきからどれだけの魔力を使ってるんだい? 炎や風を操ったり、雷を落としたり。その虫けらどもを守ってやるためのシールドを張るのだって、けっこう馬鹿にならない魔力を喰ってるはずだ。燃費が悪いよねぇ」
「だからどうしたというのっ」
「その点、僕の魔法は完璧さ。……この森は僕が作ったと言っただろう。あれは本当さ。そう、この森の木々は僕の創作物。そして奴隷だ。彼らは今でも健気に働き、僕に貢ぎ物を捧げてくれる。こんな風にね」
町全体の魔法陣が、よりいっそう強い輝きを帯びる。
否。
今ではその規模はこのバブローの町を飛び越し、周囲の森林にまで及んでいた。
そう、この町さえ取り囲む大きさの魔法陣。
無数に生える木々が、大地の魔力を汲み上げてバースデイへと届けている。
愕然とするクラティア。
「まさか、おまえは――この森は! この森のすべてが!?」
「そうさ! すべて僕だ! いまごろお気づきかい、バッッッカだねぇ! 君らも含めて、この森のなにもかも! 最初から僕の腹の中にいたんだよ!」
バースデイの顔に浮かぶは、限りない悪意。
「この地下に広がる大森林! すべて僕の魔力の源さ! 樹を生やせば生やすほど大気と地中から魔力を奪って僕に届ける。使えば使うほど魔力が増える! これが僕の作り上げた絶対無敵の永久機関、最高にして最強の魔法システム! 《生命の樹》だ!」
バースデイの額で渦巻く銀河の眼が、ひときわ強く輝きながら渦巻いた。
周囲の地面を突き破って出現する、巨大植物の群れ。
うねりを上げながら小さな人間どもを押し潰そうと影を落とす植物に対し、クラティアは瞬時に魔法を練り上げた。
無から生まれしは、全長十メートルにも及ぶ、燃え盛る炎の剣。
見えない剣士の手に操られるかのように、何本もの炎の剣が、奇怪な植物をバラバラに切り刻む。
ぼとぼと、と地面に落ちる、焼き切られた植物の放つ、焦げた異臭。
炎の剣が空中でくるりと向きを変え、バースデイへと狙いを定めた。
クラティアの殺意を乗せて、矢のごとく飛翔する。
「もういいよ……飽きちゃった」
バースデイは、嘲笑と共に手をかざした。
あらゆるものを焼き焦がし、切断する刃が、蝋燭の炎のようにたやすくかき消されていく。
圧倒的な魔力の差が開いていなければ、こうも一方的に無効化されることはない。
大人と子供ほどの実力差。
両者の外見だけで判断するなら、その表現も適切かもしれない。
だがクラティアの正体は、剣に宿りし魔神。それも数千年を永らえた最強の魔神だ。
そのクラティアを、バースデイは軽々と上回り、そして今もなお、その魔力は際限なく膨れ上がり続けている。
膨大な広さを誇る宇宙が、さらに光の速度で膨張し続けるかのように。
「僕も暇じゃないからさ。そろそろ遊びは終わりにしないと、ね」
「調子に乗るんじゃないわよ、若造が」
底知れぬ魔力を存分に見せつける、バースデイ。
しかしクラティアとて、これが全力というわけではない。
《魔神》と《樹神》の死闘は、まだまだ始まったばかり。
それはさながら超巨大な、意思を持つ災害同士のぶつかり合い。
――両者は、あまりにも巨大すぎる存在ゆえに、ちっぽけな人間の行動を見逃していた。
黒い影が、バースデイに襲いかかったのは、そのときだった。
「は?」
鋭い銀光。
完全なる意識外からの攻撃は、バースデイの背後から、その胸の中心を易々と貫いた。
「黙って見ているってのは、性に合わなくてな」
牙をむいて笑う、ユーリ。
「ババア! 今だ!」
「勝手に飛び出すんじゃないわよ、クソガキ!」
クラティアの罵倒。と同時に、ユーリの剣が紅い光を帯びた。
バースデイの胸が木っ端微塵に吹き飛ぶ。
その状態でも、なお振り向きながらユーリに腕を伸ばす。
ユーリは沈み込みつつ身体をコマのように回転させ、その勢いをすべて乗せた一撃を、バースデイの頭部に叩き込んだ。
鮮やかな紅の光が、周囲一帯を鮮烈に照らし出す。
乱舞する、静謐なる破壊エネルギーの奔流。
刃を覆う紅き輝きの爆発が、バースデイの五体を蹂躙し尽くし、音もなく消滅させた。
「ユーリ!」
クラティアの警告。
ユーリの背後に、五体満足のバースデイが出現した。
「うざいよ、虫けら」
感情の冷え切った呟き。
五指が鋭い杭と化した腕を、先ほどのお返しとばかり、ユーリの背中に突き刺そうとする。
だが、指先がユーリの胴体をぶち抜く寸前、その先端が砕けた。
まるで朽ちた枯れ木のように、細かく砕けてバラバラになったのだ。
軽く、驚いたように目を見開く、バースデイ。
次いで、手の平から肘の付近まで、崩壊が伝播していく。
樹神の脚が後ずさる。
「ダメージ計上不能……なんだこれは?」
その表情に浮かんだのは、困惑。
そうしているうちに、その脚がボロボロと崩れ、膝をつく。
クラティアを睨むように問うた。
「……僕に何をした?」
「教えてあげる義理はないわね。そのまま滅びなさい、まがい物の神よ」
冷然と言い放つ、クラティア。
バースデイは、笑みを浮かべた。
「おもしろいね、これ」
虚勢ではない――心の底からこの状況を楽しんでいる。困惑や驚きといった感情は、すでに消し飛んでいた。
「既存のあらゆる体系に合致しない、完全に初見の魔法だ。我が種族の歴史にも、こんな威力を叩き出せる方法は存在しない。――そうか、やはり……」
腰から下の肉体がすべて微塵となり、胴体がごっそりと崩れ落ちても、バースデイは平然と言葉を紡いでいた。
大口を開けて笑いながら。
「おまえは、この地下世界の最果て――歴史の原点からやってきたのか」
クラティアが、目を見開いた。
「……どこまで知っているというの?」
「さあね。どこまで知っているのか……それを僕も知りたいのさ」
バースデイは、最後の力を振り絞るように、右腕を地面に叩き付けた。
そのおかげで、木っ端微塵に砕ける、右腕。
だが用は果たしていた。
バースデイを中心として、地面に展開した魔方陣が光り輝く。
「だから、つながりを作らせてもらうよ」
大地に次々と亀裂が走った。
蜘蛛の巣状に広がった亀裂が、立て続けに大きな地割れを引き起こす。
たちまち、まともに立ってなどいられない状態と化した。
ユーリですら、この状況ではバースデイに追撃をかけるどころではない。
エストレアの安否を確認しようと、視線を巡らせた。
その瞬間。
視界の端を、巨大な黒い影が、おそるべきスピードで疾駆した。
漆黒のローブをまとった、正体不明の影は、エストレアめがけて襲いかかる。
ユーリの脳が思考を回転させるより早く、本能が肉体を動かした。
地面が陥没する勢いで踏み込み、一瞬で謎の襲撃者へと肉迫する。
襲撃者がエストレアへその腕を伸ばす、まさに寸前。
横合いから銀光を迸らせた。
このタイミングでは、ユーリの攻撃を防ぐことも避けることもできない。
だが、襲撃者のローブが不自然に、そして不気味に内側から膨張した。内部で千匹の蛇が絡み合い、暴れ狂っているかのような動き。
ローブの肩口を突き破り、無数の触手が外に飛び出す。
それは、いばらであった。
鋭い棘を無数に生やしたいばらが、意思ある生き物のごとき動きでユーリを迎撃したのだ。
舌打ちしながら縦横無尽に剣を振る、ユーリ。
いばらはユーリに到達することなく、バラバラに切り刻まれていく。
襲撃者は、間合いへと躊躇なく踏み込んできた。
その素早さたるや、ユーリの動体視力をもってしても、影が霞んだようにしか視認できないほどだ。
咄嗟に繰り出した刺突は、フードをわずかにかすめた。
カウンター気味に繰り出された拳がユーリの腹をえぐる。
なんの変哲もない拳が内包する、桁外れの破壊力は、ユーリを易々と吹き飛ばした。
着地と同時に膝をつくと、こみあげてきた血を口からぶちまける。
クラティアの声が上がった。
だがそれどころではない――ユーリは黒いローブに覆われた襲撃者を睨む。
今の一撃の重さには、覚えがある。
剣のかすったフードが、静かにめくれあがる。
あらわとなったのは、人外の貌。
狼の頭部であった。
「ラスヴェート……なのか?」
先日、ユーリに案内を依頼し、この地下迷宮へと共に降りた人狼族の戦士、ラスヴェート。
見間違えようもない相手だ。
にも関わらず、信じがたいとでもいわんばかりの響きがユーリの声に含まれていたのは、その姿があまりにも記憶からかけ離れた異形と化していたからだ。
光を失った眼窩から、口腔から、いばらが無数に生えて貌を覆っている。
おそらく、ローブの下の全身も同様だろう。
「バースデイの仕業だ。……奴の繰り出す植物に寄生され、自我を失った奴隷にされる。いくつものエルフの町が、同じ目に……!」
シェラザードが、怒りに震える声で言った。
けたたましい笑い声が上がる。
「なにを怒っているんだい? 人間やエルフみたいな虫けら同然の奴隷種族が、怒ったり泣いたり、自分で物を考えるなんて、おかしいとは思わないかい? しょせん僕らの言うことに従っていればいいだけの奴隷のくせにさぁ! だからそれを取り除いて、本来あるべき姿に最適化してやったんだよ! もう物を考える必要はない――樹の気持ちになって、神様の言うとおりに生きていればいいのさぁ! ほら、そいつだって幸せそうだろ? みんなにハッピーを与えるのが、神様の仕事だからねぇ!」
「やりやがったな、てめぇ……!」
バースデイの肉体は、もはや頭部だけしか残っていなかった。
その状態で、なおもあざ笑う。
「知ってるよ。その娘が大事なんだろ?」
ラスヴェートが、エストレアのほうに向き直った。
びくり、と、硬直する、エストレア。
人狼には両眼どころか意識すら存在するか疑わしい。
それほどまでに虚無を感じさせる異形と化していた。
だというのに、その全身から放つ重圧は、ただそれだけでエストレアから抵抗の意思を奪う。
ラスヴェートはエストレアの腹に当て身を食らわせると、あっさり気絶させた彼女の身体を肩に担いだ。
そのまま、大きく跳躍。
この場から逃げ去ろうとする。
ユーリは当然、それを追いかけようとした。ダメージなど意識の外に投げ捨てて脚を踏み出す。
だが、さらに地割れが広がり陥没した地面と、突如として壁のように立ちはだかった植物の群れが、その前進を阻む。
「心配しなくても、殺しはしないよ。取り戻したいなら、僕のお城においで。もちろん、そのヘンテコな剣を持ってきてね。小手調べのつもりだったけど、よく分かったよ。そいつを手に入れるには、僕も本腰を入れてかからないといけないみたいだ」
崩れ去りながら、バースデイは限りない悪意を笑みの形にした。
「我が聖なる都、セイジュサージュ。……そこで、改めて相手をしてあげるよ。今度は、完全なる玉体でね」
そしてようやく、消え果てる。
ユーリは大きく悪態を吐き捨てた。
エストレアを担いだラスヴェートは、もう気配すら捉えられないほど遠くへ離脱してしまっていた。
気を取り直したように、シェラザードに尋ねる。
「シェラザード。奴の言ってた場所、わかるか?」
「もちろんだ。……つい先日まで、わがエルフの楽園であった王都。そして真っ先にバースデイの襲撃を受け、その支配下に置かれた。今となっては、禍々しき樹神の聖都だ」
そこでは間違いなく、幾重もの狡猾な罠と、これまでにない強敵との死闘が待ち受けているだろう。
バースデイだけでも底知れぬ脅威だというのに、操られたラスヴェートまでもが敵に回るとなると、この状況を打破するのはまさに至難の業といったところだ。
だがそれでも、案内人が依頼人を見捨てるなどという選択肢はありえない。
何があろうと、案内人は依頼人を守る。
それが、彼なのだから。