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他人事症候群  作者: ココロ
お嬢様と一人の執事
7/12

07-欲求

「他人事って、あの他人事なのかな?」

「他人事のように振る舞うという他人事だと思いますが…」

自分の事なのに他人の事のように…ってことだから、他人の所為ってことじゃ無いってことだ。

私の考えは違ったらしい。

「しかし、お嬢様、このあまり首を突っ込まない方がいいかも知れません」

「なんで?」

「野口英世という人物をご存知ですよね?」

「うん。知ってる」

何と無く察した。野口英世…そういうこと。

「黄熱病の研究をして黄熱病に冒されて死んだ人物です」

「つまり、センマが言いたいのは、私が壊れるのが嫌なんでしょ?」

「はい。そうです」

「心配、してくれる?」

「いくらでもします」

ふと思った。なんでセンマはこんなに優しくしてくれるのだろう? 仕事だからか? それとも…

「ねえ、センマ」

「なんでしょう?」

「なんでセンマは、私にそんなに優しいの?」

「……それはですね。仕事だからですよ。それとお嬢様だからです」

「ふぅーん」

「お嬢様、どうかされましたか?」

「いや、なんにも。それよりも、他人事症候群について、ネットで調べてみましょう。案外、あっさりと分かってしまうかもしれないわね」

そう言って、部屋のパソコンの電源を付ける。

「あの、お言葉ですがお嬢様」

「どうかした?」

「主様が現在ネット回線を外しておられますので、インターネットに繋ぐことは無理かと…」

「おとうさーん! なにやってんだよー!」

ネット無いとか…。この世の終わりだ…。

「お嬢様、それは引きこもりの台詞でございます」

「なっ! 心の内が読まれてる!?」

「いえ、口に出しておられましたよ」

それもそれで嫌だな…。と今度は確実に心の中だけで思った。

「さて、と、なら、外で聞くしかないわね」

それが如何程に面倒なことか予想はしていた。それでも私は情報が欲しかったのだ。

「センマ、行こ?」

「分かりました」

私達は、今しがた帰って来たばかりの家を鍵を閉めて、出ていった。

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