06-退屈
「センマ、もう入って大丈夫」
「分かりました。では、失礼致します」
ガチャリと、部屋のドアを開けて、センマは入ってきた。
「で? 連絡は終わったの?」
「はい。ところで、こんな事を聞くのは如何とは思いますが」
「どうかしたの?」
「お嬢様、まだ顔真っ赤ですよ?」
えっ?
「そ、そう? まだ赤い…?」
そ、そもそも、これはセンマの所為だし!
「どうかされましたか? 私を睨んでも何もありませんよ?」
「…ご、ごめん。睨んでるつもりは無かったの」
その時、また、忘れていたことを唐突に思い出した。
「他人事症候群について調べましょう」
「なぜまた?」
「うーん。そんなのに冒されたらやだし。治す方法も見つけておきたいし。なにより、一日暇なのがやだ」
「お嬢様らしいですね」
微笑みながら、センマは言ってくれた。
なんだか、私らしいって言われて嬉しかった。
「えへへ。ありがと」
自然と出た笑みは、私自身を驚かした。
「ま、まあ、いいわ! 他人事症候群について調べに行きましょう!」
「はい。畏まりました」
なんなんだろうね。この気持ち。普段なら感じることすらないこの気持ち。
ほんと、嫌になる。