05-思慮
「さて、と。今日は何をしよう?」
私は、センマが帰ってくるのも待たずに、自分の部屋に戻っていた。
「学校は休みになったし、何して遊ぼうかな?」
学校休んで遊ぶなんて、普段ならしないんだけどなあ…。
「あ、そういえば他人事症候群について調べようかな…」
余談だけど、ほんと余談だけど! お嬢様言葉ってあれ、使えって言われてるんだけど、案外難しいんだよね。ついどうしても、普通に戻っちゃうし。
「そうだなあ…。まずは制服を着替えよう」
脱いで脱いで…。この服でいいかな…。
「お嬢様、連絡してきまし…お嬢様!?」
突然、ノックも無しに、センマが部屋に入ってきた。
「な、なによっ!? わ、私の下着見てないで…せ、センマ?」
「お嬢様…」
センマに肩を掴まれ、そのまま、ベッドに倒れ込んだ。
「ちょ、センマ! どしたの!? こんな事ダメだって!」
こんな事? さてどんな事だろう?
「お嬢様、質問なんですが」
「な、なに?」
「これは、夢ですか? それとも現ですか?」
「う、現よ。現実! 早く離れなさいよ!」
それ以上掴まれてたらおかしくなる。痛みでじゃない。センマは優しいから全然痛くない。だけど、私の息も荒くなる。心臓は早鐘を鳴らす。
「分かりました。どうやら、私がおかしかったようですね」
「まっ、待って!」
離れようとするセンマの腕を気が付いたら掴んでいた。
「お嬢様、どうなされましたか? 早く服を着て下さい」
「あ、いや! な、なんでもない。き、着替えるから、部屋から出て行って」
「畏まりました」
センマが部屋を出て行った。
一人だ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
まだ息が荒い。
なんだと言うんだろう? 自分で自分が分からない。
うう…。いっそのこと、他人事程度に片付けたい…。
そんな事を思ってたんだ。