表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他人事症候群  作者: ココロ
お嬢様と一人の執事
2/12

02-刺激

7月16日。どうにも暑い。私こと笹峰ユナはこの暑い炎天下の中、学校へと向かっていた。

「もう、どうなってるのよ。この暑さは」

「私が察するに、地球温暖化の影響ではないかと思われます」

私が口を開くと後ろをついてきている執事のセンマが応えてくれる。

「そんなの分かってんのよ。私は…まあ、いいわ」

言おうとしたことをグッと飲み込んだ。

「そういえば、お嬢様、よろしいですか?」

「なに?」

「他人事症候群、というものをご存知ですか?」

「知らない。なによそれ」

「なんでも最近の若者に多い病気のようで精神病ですが、とても強力で現在の医学技術では到底、治療は無理だそうです」

そんなものがあったなんて知らなかった。新聞もテレビも見ないし、ネットもしないから、情報には疎い。

「それはそうと、お嬢様」

「次は何?」

「いえ、お嬢様は家に課題を忘れております」

………え?

「はあ!?」

センマは煩いと言いたげな表情をしながら、耳を塞ぐ動作をした。本当にわざとらしくてイラつく。そして、課題は言われたとおり鞄には入っていない!

「センマ! 取り帰って!」

「戻ってくるのが放課後でよろしければ」

「よろしいわけないでしょ! あーもう! 分かったわよ! 一緒に取りに帰るわよ!」

「かしこまりました」

ふと、腕時計を見ると7時20分を指していた。あと約1時間もある。うん。急げばなんとかなる時間だ。

「それでは、帰りましょうお嬢様」

「うん。帰ろっか」

センマの冷静と言うか冷酷と言うか、そんな態度に幾分か頭が冷やされたらしい。呼吸が整っていて、だいぶ落ち着いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ