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プロローグ

【プロローグ】


 日が沈み、あたりが暗くなってきた頃。薄暗い橋の下に一人の少年が佇んでいた。

 歳は小学校の中学年程度。その小さな両手で魚の缶詰を持ち、彼は呆然と立ち尽くす。目線の先には、宙に舞う灰。それは風になびかれ、空高くへと消えていく。

 少年の手から、缶が落ちる。

 彼は宙を舞う灰に手を伸ばし、ある者の名前を叫んだ。


「ミャーちゃん……! ミャーちゃん……!」


 しかし、彼の声も虚しく、灰は全て川の方へと靡かれていく。

 少年は崩れ落ちた。絶えることのない涙は地面を濡らし、両手は土を掴む。


「何で……どうして……」


 彼は無力だった。特別な力も、強力な魔法も持っていない。ちっぽけな人間だ。それでも、少年は戦いの道を選ぶ。もう、大切な友達は帰ってこない。分かっていても、何かをせずにはいられなかった。


「ミャーちゃん……僕、戦うよ。だって関係あるから……」


 彼の前に立つのは一人の少女。アイドルのようなピンク色の服で身を包み、左頬には星のマークが光る。歳は少年と同じぐらいだろう。まるでアニメに出てくるキャラクターに似た少女。彼女は優しく、少年に言葉を投げた。


「大丈夫だよ。明日になれば、全部忘れるから……」


「忘れない……絶対に忘れない!!」


 少年の足元には木の枝。彼はそれを拾い、少女に突きつける。


「本当に大切な思い出は! 魔法なんかじゃ消えないんだ!!」


 彼は決して眼を背けなかった。目の前の現実から、逃げ出すつもりはない。そして強く決心する。涙はこれで最後、これからは強く生きていかなければならないと――

 誰にも、正義の味方にも負けないぐらい強く――


 少年の剣が少女へと振り落される。川沿いでは大風車が回っていた。

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