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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

日の本で笑う意味

作者: きていじん

言う。

返す。

言う。

返す。

言う。

返す。


――音が一つして、足音が遠ざかる。

僕は思う。何がそうなのか、と。

だから追った。訊くために。

何度目かの質問と、何度目かの答えを経て、何度目かの謝罪をし、何度目かの仲直りをしようと。

追う。

足の速いあの人は何処へ行っただろうか。いつもの喫茶店?本屋さん?友達の家?

考えながら何も考えずに真っ直ぐに走り続けた。

いつの間にか降っていた雨、いつの間にか車道に出ていた人影、あっ、という顔。

カーディガンの裾が翻り、大きな耳障りな音がして、


目が覚める。

無言で病室に入り、無言で花瓶を手に取り、水を古い水を捨て、新しい水を入れ、戻す。

毎日繰り返される光景にもう飽きていたけれど、毎日違う何かが新鮮で。

言う。

返さない。

言おうとする。

見る。

言えない。

首を傾げ、困ったように微笑み、言う。


でも違う。そうじゃない。そんな事じゃない。

また藻掻く。痒い。掻く。掻こうとする。腕を掴まれる。

言いたいことが、伝われば良いのに。


縋り付いて、泣く。声無く、大声で。気付いてくれるだろうか、と。

少し撫でて、強く抱き締め、横たえる。

瞼に手を置き、目を、閉じる。

ふと、考えた。

僕はこうなのかと。

これが僕で、君はそうであり、あり続けるのかと。


見ると、優しく微笑み、僕にノートと鉛筆を手渡す。

手に持って、書こうとする。何を。

今までも、これからも。

いつも通り、決め、スケッチを始める。

この時間だけ、出来る。


君は知らない。私がそれをどうしているかを。

いつものように片手で丸めて、私に手渡されたそれは、私の手で丁寧に広げられ、閉じられる。

音を立てて捲られるそれは、既に両手で数えられる数を遥かに超えて。

強く強く抱いたそれから、あの夢の様な、雨の降った日を思い出す。


唇を這わせ、きっといつかまたそう出来るだろうと確信し、閉じて、しまう。

箱の中のそれを取り出し、口を付け、少し舐める。四つの隙間を見、その根元とそこに至るまでを見、喜ぶ。きっと大丈夫。


横たえられた君の唇を見、いつだろうかと思う。

首筋、肩、胸元。腹、腰、そこで視線を止め、手を伸ばす。

触れて、少しつねって、目元の雫を拭い、拭った手を唇へ。

背中に回し、抱き寄せる。息を軽く吐いて、驚いた表情をする君の耳元に。囁く。

問い返され、啄み、更に驚く顔を見、啄み、呆然とする顔を見、啄み、少し惚けた顔を見、啄まれ、微笑み、啄む。

顔を離し、抱き寄せ、話す。全て。でも君なら解ってくれると思うし解らない訳が無いし解らないのは許さないし解らないなんて無いし解ろうとしないのは悪だし解るよね解って欲しい。


月が、綺麗ですね、と。

――今日は、一日。

……これ楽しいじゃないか!


r-15と残酷描写はチキンハート故。

ナニのアレはもう無理。

文章はこれ以上崩さない。

以上。

(一度書いてた後書が消えたのでご立腹)

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