タルト
独り暮らしを始めて5年がたった。私はこれからどんな人生を送るのか…。
なんて。
そういえば、あれから私今まで不安でたまらなかった私の最大の秘密…のことなど気にもかけなくなっていた。
それは二年前…
合コンで知り合った彼にフラれた。
川田修。彼とは韓国料理好きで話が盛り上がり、サムゲタンを理由にデートまでこぎ着けた。第一印象は、三人のなかで一番タイプ。でも二次会で行ったカラオケで判明。歌だけは下手なのね。そんなところも嫌いじゃなくて。
それから、何回かデートをし、こんな私を女の子扱いしてくれて。一人恋愛経験の少ない私は、彼のやさしさを勘違いしてしまっていたようだ。彼氏が居たことがないわけではない。ただ、自分が好きにはなった人と上手く行きそうになるというのは今までなかった。
で、盛り上がって。つい、告ってしまった。
好き。
独り善がりか。
一ヶ月後、川田からのメールは私の24歳の誕生日に突然やって来た。
メールをみる前に感じた。嫌な予感。
飲みながら友達に言った。
今、嫌なメールが来たかもしれない。
携帯電話の着信メールが写るサブ画面に川田修、そう写った瞬間、私にはすべてがわかってしまったのだ。
いとのことは、友達としか思えない。ごめん。
彼は知っていたのか。
今日、私の誕生日なんだけど。
そっか。タイミング悪いね。ごめんね。
大丈夫。また、サムゲタン食べに行こうね。友達として。
そんなこと、もうないとわかっていたのに。友達に気を遣い、わざと明るく振る舞った。けど、私にとって、一生忘れられない誕生日になってしまった。
また、こんなに好きになれる人が現れるかしら。
それからの私は、パーカーを目で追ってしまうのが癖になった。川田がいつも着ていたから。