89、空飛ぶ魚と宙くじら W
オレは本当に竜が好きなんだな、と
夕暮れ時、空魚は海にある住処に帰る。さようなら、さようなら。良い夢を。
・魚には水の中を泳ぐものと空の上を泳ぐものがいる。前者を水魚、後者を空魚と呼ぶ。空魚は発達した尾と鰭を持ち、熱帯魚のように鮮やかな色彩を持つものが多い。種類もそれなりに豊富。
・宙くじらは鰭が翼のような形をしたクジラ。いつもゆったりと宙に浮かんでいる。体内にはガス袋があり、そこにヘリウムなどを溜めて風船のように浮いている。個体数は少なく、捕獲することは禁じられている。
・宙くじらの生態…何を食べてその巨体を維持しているのか、どうやって繁殖するのか、その一生…などは謎に包まれている。極稀に見つかる見つかる死体から、体の構造自体はそれなりに判明している。子供の内は鳥や空魚に食べられてしまう事もあるが、成体になれば、天敵となるのは竜種くらいのものであるようだ。
・空魚の中には鮫のように他の魚や鳥を食べるものもいる。
・世界観的にはファンタジーよりだが、魔法とかはない。
・竜種には空を飛ぶ翼竜、地を這う地龍、水に潜む水竜などがいる。どれも個体数が少なく、幼生体は弱いが、成竜は食物連鎖の頂点にある。縄張り意識が強く、一地域に一個体しか住まない。種が違えば共存する事もあるが、同種の、特に♂同士が出会うとどちらかが死ぬまで激しい戦いを繰り広げる。♂♀なら番いになる事で争いが起こらない事があるし、♀同士なら子持ちの気が立っている母竜でない限り大きな争いにならない。
・竜種は同種の者よりも寧ろ他種の者と友情を築く傾向がある。また、全ての種の遺伝子を持つと言われ、どんな他種族とも子を成す事が出来る。生まれる子供は、何世代目でも必ず半分は竜種になる為、竜種の血(あるいは遺伝子)はかなり優勢のものなのだと言われている。
・巨大な宙くじらや竜種の背に作られた街も存在する。
・空魚はあまり食用には向かないが、騎乗用として使用したり、観賞用に飼育したりする事がある。騎乗に向くのは大型であまり気性の荒くない種。但し、戦場などでの騎乗は気の荒い種が選ばれる事もある。
・ファンタジーな生物の生態はエセ科学と不思議理論で説明されるって事で。
・竜種は子育てをするが、子育てに参加するのは♀のみ。
・宙くじらの歌を聴く事が出来れば願いがかなうという伝説がある。
・体内にガス袋を持つ種は鳥以外の空に生きる生物には結構沢山いる。ガス袋を持つ種はゆったりと宙を浮くようにしている事が多い。
・竜種や宙くじらには寿命がないのではないか、と言われている。とりあえず、かなり長命。
・宙に浮いている土地も存在している。通称は浮遊大陸。
・宙くじらも竜種も個体数は少なく、大きく増える事はない。