55、死にたがりの悪魔 S
「・・・アンタのそれってさ、遠まわしの自殺?」
「あ゛ぁ゛?」
「どう見ても勝ち目のない相手を怒らせてケンカ挑んで、いつもボロボロになってるじゃん」
「・・・自殺じゃねぇよ。・・・俺は死なねぇしな」
「死にたがってるようにしか見えない、って言ってるの」
少年:死にたがりの悪魔。特技は相手の気持ちを逆撫でして怒らせること。弱いわけではないが、それほど強いというわけでもないので、勝率は五分五分くらい。体質的に、よっぽどの事がなければ死なない。父は魔界でも名高い強者。マイペース。変なところで真面目というか律儀。天然ボケというよりお馬鹿。強いものに憧れるお年頃。
少女:金毛七尾の妖狐。少年とは旧知の仲であり、腐れ縁。少年の特技がある意味天然であることをわかっているので、大体スルーする。が、基本口より先にまず手が出るタイプ。でも口も達者。妖狐の癖に妖術を使うのが苦手で、それをいわれるとすぐに怒る。ただし、狐火の扱いだけは完璧。基本真面目で策士。優等生タイプ。腹黒。能力は中の上程度だが、バランスが取れている。
青年:図体の割りに小心な獣人。少年の舎弟兼保護者。見た目はこれでも実年齢は少年とそんなに変わらない。臆病で、やさしいお人好し。力は強いが、それを行使して相手を傷つけることを望まない。相手を傷つけるくらいなら自分が傷付くことを選ぶ。・・・逃げなければ。このままじゃダメだと思いつつ、中々動けない。頭はいいほう。
獣:孤高を貫く魔獣。青年とはなかなか縁がある。仲間思いで、それ故に孤高であることを選んだ。根が寂しがりやなのか、結構他人と関わりたがる。お人好し且つおせっかい焼き。強者ではあるが、それを振りかざそうとはしない。人化はできるけど滅多にしない。理由は好みじゃないから、らしい。
番長:その地域のガラの悪い連中(主に年若い方)をまとめている悪魔。器がでかいし大らかだが、決まりを破ることは許さない。自分の力を見せ付けることが余計な争いを生まないための一つの手段だと思っているため、敵対するものには容赦しない。番長なだけあって強い。が、あんまり頭脳派ではない。少年とはいとこ同士でもある。あまり世話を焼く方ではない(むしろ焼かれる方)が、例外もある。