499,価値観が全然違っていた話 S
ファンタジー 異世界転移 あるいみ美醜逆転世界系列 バッドエンド
『王があのように痩せ細られて』
『やはり異世界から来た人間を王妃にするなど間違いだったのです』
『まあなんてお労しい姿に…』
「お、おかしいのはあなたたちでしょう?彼をあんな不健康にブクブク太らせるだなんて!!」
『美しかった王をこんなにみすぼらしい姿にしてしまった魔女を処刑しろ!』
「なんでっ…私は間違ったことはしてないはずなのにっ…」
・王は精霊的な存在。民の幸福な気持ちを糧にして美しくなる。美の基準は時代と場所によって移り変わる為、異国から見ると美しくない王でもその国にとっては美しい存在であることもある。王が美しいほど大地の恵みが溢れ、国が豊かになりやすくなる。王は大地の化身であり、代替わりは起こらない。王に仕える宰相や大臣などは普通に人間なので代替わりする
・王妃はいわゆる巫女的な存在。超自然的な存在である王と国民の仲立ちをする。王との間に子供をつくることは不可能ではないが、基本的に人間は生まれない。直接的な権力はないが、実質的な権力はそれなりにある。社交界の花でもある。
・政治そのものは議会制。民主制ではないが、優秀な人間が取り立てられることはありうる
・王は生物ではないので、食事や睡眠などの必要はない。人の真似をしているだけ。死ぬのは大地が完全に駄目になった時なのでガチで国が亡びる。不幸な人間に触れると醜くなっていく。醜さの基準は美しさの反転。トレンドによって変化する
・現在の王国の美のトレンドはふくよかで色素の薄い肉体。つまり美食家のブルジョワジー。飽食と非肉体労働。
・王が生活習慣を変えなくてもトレンドが変化すれば自然と姿が変化する。そもそも食事は娯楽みたいなものなので付き合い程度にしか食べない。運動で筋肉量が変化したりもしない。食べたものがぜい肉になったりもしてない。全部大地に還元されてる。それはそれとして、王城から出れば不幸や不運に遭っている人間と遭遇する確率が上がって醜化する可能性がある
・大地の化身なので大地に属するものは大体わかる。上位存在なので人間社会の駆け引きみたいなのはあんまりわからない。基本的に人間の個に対する思い入れはあんまりない。できる限り多くの民の幸せを思うが、努力の搾取は許さない
・王にトレンドを伝えるのも王妃の役目なので、王妃が勝手なことを言っても王の姿は変化するっちゃする。でもトレンドをちゃんと変えないで王の姿だけ変化させると国民の反発を受けることになる。王の美しさが陰ると国が不安定になるため
・ヒロインは異世界転移してなんやかんやあって元の世界に帰れなくなり王妃になった。王がどのような存在なのか理解していない。王の姿が好みではなかったので嫌っていたが、痩せたら好みになるかもと思ってダイエットを促した。王は素直なので王妃の頼みを聞いてダイエットに取り組み、細マッチョやや日焼けへと変化していった。現在の王国のトレンドとはかけ離れた姿である
・王は余程ヤベー犯罪でもやらない限り、罪人の処刑は望まない。王妃を庇うようなことを言ってもあんまり力にならない
・王妃から見れば、家臣たちの王への振舞いは虐待みたいなもんなのだが、国民から見れば王妃のしたことこそ王への虐待
・ヒロインは王の存在を、実権のないお飾り神輿王みたいなものだと解釈している。権力が欲しいわけではなく、単に結婚相手の見目が気に入らなかっただけ。性格的な部分はそこまで悪印象はない。惚れる感じでもなかったけど
・王妃は必要だけど、子供は持てないし、政治的に重要な位置だし、トレンドを把握し制御する必要あるしで色々難しい。基本は貴族の優秀な娘が選ばれる。実は王は無性別の存在(何なら概念的には女性寄り)なので男の王配と女王でもいいんだけど、王配の方が更に務まる人間が稀なので大体王妃になる。女王だと不埒なことを考える家臣もちょくちょくいるし
・当然王妃は王以外と密通したりしてはいけない。不義をすると不適格になる。これも王配が難しい理由の一つ
・王が王妃に求めることは善良であることだけ。政治的な能力は家臣や本人の都合。まあ浮気もダメだが
・何で王なのかというと、他に崇める者がいると上手くいかないから。国民の信仰心を王に集める必要がある。王が他にいると国が割れる。王に信奉が集まらないのもそれはそれで困る。大地の化身を軽んじれば国土が荒れる
・愚か者を王妃にするとそれはそれで問題が起こる。国費の使い方とかトレンドの操作とか権力の濫用とか