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489,立場に相応しい振舞いをしない者がそう扱われるわけないでしょう S

異世界転生 父の愛人が母の死後後妻としてきて、系の逆張り 

愛人も父世代のヒロイン(失敗)とかかな


「お前は血を分けた妹だというのにキャロルを虐げているというじゃないか!」

男の言葉に彼女は大きなため息をつこうとして口元を扇で隠した。レディに相応しくない行動であったので。更に言えばその真相について話そうとすれば自家の醜聞に触れざるをえなくなる。

「…キャロライン・ドリスはグラナイト家の籍を持つ人間ではありません」

そこまでが公にしても大丈夫な話である。



・伯爵夫妻は政略結婚であり、正妻との間には一人娘しかいない。それどころか、当主は愛人との間にほとんど年の変わらない娘を作った。愛人のところに入り浸り、正妻を蔑ろにしていた。妻が死んだら愛人と再婚するつもりだった

・しかし正妻が死ぬより前に夫の方が流行病で死んでしまった。なんなら愛人も死んだ。前当主夫妻(当主の両親)が孤児になった孫からもしれない娘を不憫に思い、孤児院への援助か伯爵家に引き取ることを提案した。正妻は当然渋った

・愛人の娘は完全に母親似で、父親に似ているところは全くなかったため、伯爵家の者と認めるかは保留となった。庶民にしては高い魔力を持っているため、貴族の血を引いている可能性はある。まあそれも母親からの遺伝である可能性もあるし、本当に子である確証がない

・正妻の娘は父親をそのまま女児にしたように瓜二つだったので、余計に家としてのメリットがなかった。男ならまた別だったが

・とりあえず、愛人の娘も貴族としての振舞いを身に付けられるなら養子くらいにはしてもいいか、と家庭教師が付けられた。しかし、その意味をうまく理解できなかったのか、勉強を嫌がり、貴族らしい振舞いも身に付かなったため、養子としても認められず、住み込みメイドになった

・愛人の娘は自分は虐げられていると不平不満を言い、碌に働かないし、勉強もしない。前当主夫妻も学園に通う年頃になっても成長しない娘に流石に見切りをつけ、卒業したら支度金を持たせて放逐しよう、と当主代理である正妻と話し合って決めていた

・正妻の娘はその立場に相応しいよう努力し、学園においても才女として評判になった。次期女当主となることもほぼ確定であるため、婚約者がいなければ婿入り希望の男子たちに群がられていただろう。婚約者との仲も良好だった

・正妻の娘の婚約者は付き合いのある伯爵家の次男であり、父がまだ生きていた頃に決まった婚約であった。政略結婚であるが、相性はそこそこで、お互い熱烈な恋心などはないが、敬意を以て接し合っていた。よく泊まりにきていたので愛人の娘の人となりも正確に把握していた。実家の居心地が悪かったのもあって、早く婿入りしにきたがっていた。ちなみに愛人の娘の評価は顔だけの女

・実のところ。娘二人は二人とも転生者。愛人の娘はあまり隠していないが、正妻の娘は慎重に隠している。どちらも最終的に幸せになるのは自分の方だと思っている。愛人の娘は不幸な娘が王子様に見出されて逆転ざまあする話だと思っている。正妻の娘は順当にすべきことをしている自分が最終的に報われるのが当然だと思っている。なんなら、父が母に盛っていた毒を盛り返している。実はどちらも自己愛が強い

・善良な女と言えるのは実は正妻くらいのもので、彼女も一切他に漏らしていないが転生者。本来なら娘が幼いころに死んでいた。より正確に言うと逆行タイプ。自分が死んだ後に愛人が後妻として入ってきて好き勝手して娘が虐げられると知り、覆した

・何事も無ければ、学園卒業と共に愛人の娘は放逐され、正妻の娘は婚約者と結婚して伯爵家の女当主になるはずだった

・平民の生まれであっても、一定以上の魔力のある国民は全て学園に通うことになっている。成績依存のクラス分けだが、庶民はほとんど教育を受けられないので、実質的には実家の太いものの方が上のクラスにいける。愛人の娘は不勉強なので下位貴族クラス。正妻の娘は最上級クラス。婚約者は上級クラス。最下級は碌に教育を受けてない者のクラスなので、貴族がそこになるのはかなり不名誉

・問題は、出来の悪い方の王子が下級貴族クラスになってしまい、愛人の娘の自己認識が歪んだ話を真に受けてしまったことである。ちなみに王子にも一応婚約者はいた。出来が悪いので支えられるように優秀な侯爵令嬢。ちなみに王太子ではない

・なお母親死亡√の場合は正妻の娘ドアマットヒロイン化からの公爵令息に見出されて見返しざまあ√だった模様。母親生存√においては婚約者がいなかったら求婚したのにね、って言われるだけ。次期公爵なので婿入りはできないのだが。まあ正当な理由があれば子供を複数作って片方は公爵家、片方は伯爵家を継がせるって手もあるので

・正直王太子には王子の腹違いの弟が選ばれるのがほぼ確定ではあった。問題はその理由付けなので渡りに船()





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