473,勇者を落とすまで帰ってくるなと言われたのでそのまま出奔します S
異世界転生&異世界転移
役立たずだの、穀潰しだの、期待外れだの、罵倒しながら育てておいて、屋敷に対する帰属意識が残ると思ってる方が馬鹿なんだよな。否、こうして前世の記憶が戻らなきゃ言われるがままだったかもだけど。万一あのドクズを落とせても私にプラスはないし、帰ってくるなと言われたんだからこのまま帰らないことにしよう。手に職付けられれば何とでもなる!たぶん。
・主人公は侯爵の娘。ただし前妻の娘で母は彼女を産んですぐ肥立ちが悪くて死んでいる。すぐに父は後妻を迎え、後妻との間に息子が生まれた。結果、虐げられながら育つことになる。ちなみに妹もいる。使用人からも虐待されていてとても貴族の娘には見えない。
・虐げられて育ったため、おどおどしている。細かいことによく気付くが、自己主張はあまりできない。侯爵家の血統魔法は受け継いでいるがまだ使いこなせていない。使いこなせないので使えないと思われている。そもそも父は入り婿なので後妻の子には発現しない。従兄弟は使える
・召喚された勇者に同行し篭絡してこいと送り出され、勇者を一目見た瞬間に前世の記憶を思い出した。そして出奔を決意した。顔合わせをして一緒に旅だったが、どっかで離脱して嘔吐には戻らないでおこうと決めた。他にも同じ目的で同行してる女がいる
・勇者は異世界から召喚された主人公の前世での彼氏。外見能力スペックは高いが、人間性がドクズ。主人公の前世の間接的な死因。なんだかんだ死んだ元カノに未練はあるけど、主人公がその生まれ変わりとは気付いていない。何か彼女を見ると思いだされるな~とは思っている。自分に非があったとは思っていない。結婚する気は普通にあった。外面はめちゃくちゃいい。
・前世を思い出してなかったら普通に勇者を射止めて帰って結婚して実家に勇者が婿入りした後、妹と勇者が浮気して子供も生まれる√だった可能性が高い。地獄かな。主人公も勿論勇者との子供を産むし、子供を取り上げられて幽閉√
・勇者は一見、超優良物件なのでどんなルートでも入れ食いになって食い散らかす。それが悪いことだと思っていない。くれるっていうからもらっただけじゃん?って感じ。でも別に好きだとは思ってない。元カノのことも好きだったのかっていうとアレ。執着はある。死んだから。
・侯爵家から勇者の同行として彼女が出されたのは、弟は後継で死んだら困るし、妹は旅って野宿もしなきゃいけないんでしょ?無理~って感じだったため。でも妹は勇者を見たら私の方が妻に相応しいとか言い出す。一応侯爵家の人間として恥ずかしくない格好で送り出されてはいるが、十分かっていうと、旅に必要なものわかってないだろこいつら…って感じではある。路銀はまあ、足りるけど。
・実は血統魔法のある家系は血統魔法を持っている人間しか当主を引き継げないので、本来なら侯爵家の今の当主は主人公で父は代理。あるいは従兄弟が当主になるパターン。少なくとも弟が当主になれるパターンはない。後は廃爵パターン。正確には伯位しか名乗れない
・主人公が勇者の旅に同行して役に立つかっていうと、まあ役立たずではないやろレベル。別にそういう教育は受けてないし…。小間働き的なスキルと、幾つかの魔法が使える。あと、前世の知識。前世の知識は勇者の前では見せない予定。フェードアウトしたいし…。
・前世はわりと気が強い系。勇者とは幼馴染でもあった。外堀埋められてたのと幼馴染の性と面倒見の良さで見捨てられなくて付き合ってた。が、死因の件で見放した。記憶が戻ったことによりおどおど系ではなくなった。前世の私の方がかっこよくて好き
・公爵家と侯爵家は全て血統魔法もち。ある意味で祝福であり呪い。血統魔法が揃わなくなったら国が亡ぶと言われている。20年に一度、全当主がそろって血統魔法を使った儀式を行う。ある意味当主のお披露目の場でもある。次は二年後
・主人公は16歳。前世の享年は22歳。勇者は現在25歳。ちなみに弟は15歳で妹は14歳。従兄弟は20歳
・王族も血統魔法的なものがあって、儀式を主導できるものが王。女王の時代もあった。血統魔法のある家系は血の繋がりを重視するので母系が強い。父系だと血が途絶える可能性があるので。魔法を受け継いでるかでわかるけど
・勇者パーティに出されるまで主人公が表舞台に出たことはなかった。社交界すら出されていない。名目上は病弱と偏屈さのため。実際には虐げてて表に出すつもりがなかった。舞踏会に出られるようなドレスなんて持ってない。マナー教育も令嬢用のは受けてない
・いうて主人公はこの世界において世間知らずなのは間違いないので、出奔して無事生きていけるかは微妙。親切な人に廻り合って常識を学べるならワンチャン。でも多分実家ルートが一番悲惨なので間違った選択でもない