442、神様と花嫁 S
ファンタジー的な
「一度生を終えてから、私の元で再び転生するのでも構わないが」←大体これ
生まれた時から、胸元に花の形の痣があった。別にそれが痛んだりするとか、そういうことではなく、はっきりとした形と色をしているというだけ。何も知らない人には刺青だと思われるくらい。
特筆すべきことがあるとすればそれくらいで、私は全くもって普通の人間だ。いや、本当…普通の人間だったはずなんだけどなあ…。
「迎えに来たぞ…我が花嫁」
「えっと…初対面、ですよね?」
黒蓮:自称・普通。特に何ということもない村娘。
顔立ちは整っているし、そこそこ頭が回る。身体能力や運動神経は普通。ぱっと見平凡だが、ちゃんと関わるとわりと愉快な人格をしている。自我が強い。素直。率直。お人好し。善良。歌うのが好き。面倒見がいい。困っている相手を見捨てられない。平穏を愛す穏やかな性格。好奇心はそこそこある。自分は村の中で一生を終えると思っていた。
・前世は此処とは違う世界の人間で、いわゆる逆トリしてきた白鹿を助け、交流している内にすっかり惚れ込まされた。が、色々あって前世では白鹿と結ばれることなく生を全うし、魂は白鹿の故郷の世界で転生することとなった。
・前世の記憶は一切ないが、白鹿に対して謎の懐かしさを感じたり、うっすら約束した覚えがあったりする。胸元の痣は印。
・記憶がなくても人格はあまり変わっていない。が、何故白鹿に嫁扱いされているのかわからないので受け止められない。
白鹿:神様。この世界の唯一神。
創造と破壊を司る、世界を輪廻させる神。黒蓮に心底惚れ込んでいる。嫁の尻に自ら敷かれにいくタイプの夫。黒蓮にはいっぱい喋るが、他の人間にはあんまり喋らない。くそ真面目。率直。素直。黒蓮限定寂しがりの甘えたがり。他の切り捨て方はシビア。神なので価値観が人間と一致しない。争いを嫌う。
・過去は半神だったが色々あって他の神格を取り込んで唯一神になった存在。唯一神であるが故に孤独で、並び立つものがなかった。神格の過剰積載と半人であった頃のことを忘れるほどの永い年月の中で人格が摩耗し、機構にも等しい存在になりかけていた。が、前世の黒蓮と出会い、交流の中で少しずつ人格を取り戻していった。白鹿は彼女を己の世界に連れて帰ることを望んだが、それは叶わず、死後の魂だけになった状態でやっと世界を越えさせることができた。
・転生後の黒蓮のことは神としての役目の傍ら、生まれた時から見守ってきた。そして結婚できる年頃になったので迎えに行った。もしかして:ストーカー。黒蓮に対して印をつけたが、見つけるためのものではなく俺のもんだぞっていうマーキング。転生して記憶を喪っていたのは想定外だが、やろうと思えば戻せるので様子見中。できれば自分で思い出してほしい。特に約束したこと。
・黒蓮に神格を分け与えて自分と並びたてる存在にする予定でいる。そこは実は合意を得ていない。
・超越者となったことで人間性が大幅に欠落している。いわゆる三大欲求はない。肉体的には不老不死といって間違いない。黒蓮にも今のところ性欲は向けていない。独占欲みたいなものはあるかもしれない。とりあえず、傍にいてほしい。
・争いを止めるために争いの原因ごと全て滅ぼすタイプ。喧嘩両成敗(滅)。世界を滅ぼすタイプの神格。まあ滅ぼした後、作り直すんだけど。基本的に自分の行動に一切疑問を持たない。
・世界の全てを見通すことができるし、何処にでもすぐ駆けつけることができる。ただ聴覚は人よりいくらか優れている程度に留まっている。
・時間感覚が人間と異なっている。ほんのうたたねで一週間くらい経過したりする。人の生とか瞬きの間。だが、黒蓮と過ごす時間は人と変わらないくらいの時間感覚になっている節がある。離れていることを明確に実感している時も同じく。
・黒蓮に自分が間違ったことをしそうになったら止めてほしいと思っているし、止めてくれると思っている。まあ、相手が神だとわかっても臆せず自分の意見を言える存在ではある。でも元来普通の人間なんすわ…。
・黒蓮限定でスキンシップが激しい。隙あらばハグもキスもするし、グルーミングもしたい。手も繋ぎたいし膝抱っこもしたい。思い切り匂いを吸い込みたい。自分の腕の中にいてほしい。声が聞きたいし歌も聞きたい。自分を見てほしい。
・本当の自分を知られてしまったら、相手を殺すか愛すかの二択しか選べないタイプの人間だった。