377、少女の見る夢 S
「私と一緒に外に出よう」
彼はそう言って少女に手を差し伸べる。少女は戸惑ったように彼の手と顔を見比べる。
「でも…外に出ても、大丈夫なのかな?私…やっぱり、怖いよ」
彼は少女を安心させるように、にっこりと微笑んでみせる。
「大丈夫。私が君の傍に居て手を繋いでてあげるから。だから、一緒に行こう?」
少女:それなりの美少女。
引っ込み思案で人見知り。寧ろ対人恐怖症の域に入っている。引き籠りコミュ障。寂しがり屋。好奇心はそれなりにあるが臆病。真面目。
記憶喪失であり、己の名を忘れてしまっている。祭祀属性でありよりまし属性。
・夢中異界の主であり核。己の領域内でなら、想像力の届く限り割と何でもできる。が、割と常識的な思考をしている為、然程突飛な事はしない。だが、異界に無意識のフィードは行われている。
・本体は昏睡状態にあり、異界内にいるのは精神体になる。どちらが死んでも異界は消滅する事になる。
教授:少女の保護者。
真面目。マイペース。律儀。
医学の心得がある。何故か異界に入れないが少女(本体)の所へは行ける。
青年:異界での少女の保護者。
快楽主義者。面白い事が好き。ルーニー。悪戯好き。頭はいい。ナルシスト。
怪しいが、少女に対する気遣いそのものは嘘ではない。思惑はどうあれ、少女を大切にしている。わかる人には一発でヤバい奴だとわかるが、少女にはそれなりに信用されている。が、無意識に信頼してはいけない相手だと思われている。
大体こいつの所為。これでも弱体化している状態。
蛟:異界に巣食う何か。水神の類。邪悪。
少女を気に入っている。変な訛りのおっさん。触手プレイが趣味の一つ。
龍:少女の実家の守護神。
コミュ障喪男。異界の中枢を守っている。見た目は怖いが中身はへたれ。しかし見栄っ張り。
夢中異界:少女の夢が現実を侵食して発生した異界。取り込まれた者はアニメ調にデフォルメされる。
ある意味で少女の精神世界でもある為、その影響を強く受ける。異界内に出現するのは少女の知っているもののみであり、無意識領域から引き出された情報も含まれている。中心以外は不安定で一定しない。夢である為、現実には起こらない事も発生し得る。
侵食によって取り込まれた者は肉体を持ってそこに居るものの、異界内で死んでもリセットされれば復活できる。
侵入者(自ら異界内に入った者)がいる場合、その周囲だけ安定し、居る間はリセットされない。逆に、いなくなればリセットされる。侵入者の使った入り口は侵入者が出るまで存在している。入口から出入りすれば異界内のものを異界外に持ち出す事が出来る。侵入者が異界内で死ぬと、夢が覚めて異界外で目覚めることになる。
一定の条件に当てはまる者は異界に拒まれ、入る事が出来ない。
中枢は少女が向かう気にならなければ辿りつけない。
虚構と現実の混じり合ったカオス。中と外では時間の流れが一致しない。侵入者がいない時、現実との境界に出入り口は存在しない。
人外の存在も異界内ではある程度能力に制御が課せられ、人が渡りあえる程度に弱体化する。
主の精神性を反映してか、kick機能が充実している。
その性質上、上手く利用すると割ととんでもない事をサクッと現実にする事が出来る。色々とヤバい。
・中心地は青年と蛟に侵食されていて、少女の権限が弱くなっている。二つの属性の異なる者の侵食により、拮抗している為、全乗っ取りは難しくなっている。更に他の存在の干渉も結果的に防がれる形になっている。
・龍が水属性であるため蛟の方が親和性が高いのだが、人徳的な何かか、全面的な信頼(≒完全侵食)を達成するには至っていない。蛟自身もそこまで熱心に侵食を進めようとしていないというのもあるかもしれない。
・一番邪悪で悪だくみをしているのは青年。完全侵食と並行して、侵入者の出入りを利用しての実体化も企んでいる。実体化した場合、異界内での制限もなくなるため、弱体化が解除されて割とガチで洒落にならなくなる。
・教授が異界内に入れないのは青年からの干渉。個人的な都合によるちょっかいの類になる。




