332、魔王と聖女の破滅的な愛の話 S
ファンタジー的なの
beloved
愛されてるって誰に?神に!
決定的な終わりを書く必要はないかなって
「聖女だなんて、嘘ばっかり。私は、籠の中で愛でられるだけのただの愛玩動物にすぎないのに」
「我は、そう思わぬ」
魔王はそう言ってそっと聖女の手を取った。
「そなたは、魔性だ。他者を狂わせ、己の為に動かす、魔性」
「私は誰に何を要求した事もなかったわ」
聖女:可愛らしいという概念が少女の形を作った様な、可愛らしい少女。
か弱く華奢で、戦うどころか抗う力さえも持っていない。但し、魔力だけは大きく質もいい。肉体の強さと魔力量が噛みあっていないらしく、すぐに体調を崩す病弱さを持つが、その魔力が命を保つ為にどんな劣悪な環境にあったとしても中々死にはしない。碌に食べないで殆ど眠っているだけでも命だけは保てる。
無気力というか、主体性がない。何もかも受け入れるというよりは何もかも諦めている。
殆ど何もできない。魔力で何かする事もできない。美しい仕草だけは身に付けている。
生まれてから今まで色んな人に可愛がられ、色々な名で呼ばれてきた。本名は覚えていない。基本的に何不自由なく(自由以外の)色々な物を与えられて飼い殺しにされてきた。
・弱さと愛らしさから人の庇護心を刺激し、極上の魔力から魔の者を誘う体質。呪いのダイヤか何かのように、所有者の死を以って人の手を渡ってきた。殺されそうになった事だけはないが割と色々な扱いを受けている。とりあえず非処女。可愛がり方はそれぞれに違っても可愛いがられてきた。
・神を信仰していない。己が幸福とも不幸とも思っていないが、今の自分に満足はしていない。しかし、生き方を変える力は己には無いと思っている。諦観が強い。虚無的というかは無気力。
・いつになれば己の"所有者"は固定されるだろう、と思っている。魔王はそれに近い気もするし、そうじゃない気もする。
・最適な年齢で姿が止まってしまっているため、実は見た目より年齢が上。
魔王:魔の者を統べる王。
冷静沈着。よく思案してから物を決める。が、感情的に動く事がないわけではない。
莫大な魔力の持ち主であり、戦闘力も高い。戦う事に関して、劣る能力はない。しいていえば、思い切りに欠ける所がある。実はへたれ属性。
魔の者としては美しい部類に入るのだが、人の基準で言えば美しさよりも不気味さが先に出てくる。低級からランクアップを繰り返して魔王にまで成り上がった努力家。
自慢話をするのが苦手。口数が少ないから口下手なのか、口下手だから喋らないのか。
・幼い日から聖女を何度か見ていて、そのたびに手に入れたいと思い、己の力量では守り切れぬと断念してきた。魔王に上り詰めてからまた彼女に出会い、今ならいける、とさらっと国を滅ぼして攫ってきた。
・聖女を攫った事で人間を敵に回して魔王討伐とかなんとか言われてるけど割とどうでもいい。
・聖女が可愛くて可愛くて魔力も好みで大好きなんだけど素直にお喋り出来ない。へたれロマンチスト。
・神:全ての元凶。
気に入りの魂に気に入りの姿を与え、丁度いい姿になった所でサクッと殺して自分の所に召し上げようとか考えていたのだが、どうも思った通りにいってない。加護を与えすぎた。
早く死んで己の所に来ないかな、と色々他の人間に加護を与えたりとかしてるのだが、どうも彼女は死なない。周りは死ぬのに彼女だけは死なない。解せぬ。
自分勝手で我儘だが、根気は地味にある。そして執念深い。頭は良いけど馬鹿タイプ。人の心という物を理解できない。
愛しているものだけ愛してる。それ以外は割とどっちでもいい。これで神としてのランクが高いので割と性質が悪い。