33、すれ違い、かみ合わない物語 S
僕はあの人じゃないし、勿論あの人の代わりでもない。
ねぇ、お願いだから”僕”を見て(”あの人”を見ないで)。
”僕”に笑いかけて(”あの人”に笑いかけないで)。
ねぇ、どうすればあなたは”僕”を見てくれるの?
少年:”世界を書き換える力”を持った少年。記憶を失っている。無神論者。高所恐怖症。マイペースで素直。常識がない。神族とその血を引く者しか扱えない聖魔法を使うことが出来る。多少ひねくれたところもある。お人よし。
・その正体はこの世界の最高神。部下(神族)に”上”から物理的に突き落とされて記憶を失った。
少女:倒れている少年を見つけた少女。活発で素直。熱血正義感。
青年:少年に親切にしてくれる青年。何故か少女に敵意を持っているようだ。
・神族。神様を突き落とした張本人。ヤンデレ。自分は誰かの代わりなんだと思っている。神様至上主義。
誰か:夢の中でだけ少年の前に現れる。マイペース。誰かに似てる気がする。度々はっきりしないが意味深な事を少年に言うだけ言って消える。
・神様。記憶を失う前の少年自身。全てを識ることができるが、何でもできるわけではない。青年の事を気にかけている。慈愛の神。性別はない。
神様なんかいなくたって、世界は何事もなかったように回っていく。
ボクなんかがいなくなったって、世界は動きを止めたりはしない。
所詮、生き物は世界から見れば、取替えのきく歯車だ。
君は君、でしょ。私は、難しい事はよくわからないけど・・・ヒトは誰かの代わりになんてなれないと思うな。だって、その人はその人でしょ?
・・・ちゃんと伝えられなかった。・・・ちゃんと伝えなかった。・・・それが、こんな事になるとは思わなかった。
―――あの子は泣いただろうか。それとも笑っただろうか。哂っただろうか。怒っただろうか。