302、官警の犬 S
301の男の協力者と元同僚
「運が悪かったな」
「運が悪かった、だと?」
オレが掴みかかっても男は鬱陶しそうな顔をするだけで動じる様子はない。
「性質が悪い奴に行き会っちまったんだから、運が悪いと言う他ないだろ。せめて、別の奴なら此処まで苦しむ事もなかったんだろうが」
監察医:ルナシー。
本業は外科医だが、人を解剖したがる悪癖がある。腕はいいし、外面はそれなりにいいので、そこそこ繁盛しているらしい。人の腹の中が見たくて医者になった。
肝が据わっていというよりはあらゆる事に鈍感。空気が読めない上に配慮するという事が出来ない。きれい好き。マイペース。非常識。好き嫌いが激しいが、どうでもいいものが一番多い。束縛を嫌う。
丸眼鏡。刈り上げヘアー。ちょんぼり。
・拡散型ルナシー。切りたいものだけ切れるメス。但しこんにゃくだけは切れない。
・変死体の作り主がルナシーかどうか見分ける仕事と引き換えに保護区域の外で生活する事を許可されている。表にはただの医者、裏には組織に保護されている事になっている。
・一応、法律を破るのはいけない事だと思う程度の倫理観はある。でも、違法行為をすると罰せられるからダメだという以上の認識はない。それ以上でもそれ以下でもない。
・長いものに巻かれろ的な姿勢は平穏に暮らしていくための処世術のようなもので、興味がないから流されているというのが一番近い。拘る事はとことん拘る。
・彼をよく知る者の評価は「腕はいいがあまり頼りたくない医者」で、本気か冗談かはともかく、切り開いたらどうなるかの予測等を口にしたがる。
・実は眼鏡もルナの一部であり、拡大鏡代わりに使う事も出来る。
刑事:非ルナシー。
苦労人。真面目。お人好し。頑固。まとも。常識的。頭に血が上りやすい。
老け顔。ぼさぼさ頭。髭。目つきが悪い。厳つい。ギザ歯。
口が悪い。放浪癖がある。正義感が強い訳ではないが、悪を憎んでいる。難しく考えるのは苦手。自分の足で歩き回って集めた情報を一番信頼している。空手と柔道で黒帯を持っている。目端が利く。探究心が強い。情に厚い。
・ルナシーの因子はなく、ルナシーに対する知識はほとんどない。しかし、何度かルナシー関連の事件に関わっており、その一端に触れている。
・既婚者。嫁とは上手くいっているような、そうじゃないような、微妙な状態。子供はいない。正確には、一度目はできたが流産、二度目は一歳になる前に病死しており、三度目の正直は起こるかどうかすら怪しい。一応可能性は零じゃないが…。
・真面目すぎるくらいに真面目なのがある意味で弱点。多分、ルナシーという存在を受け入れる事はできないが、わかる為の努力自体はしてくれる。
・きっちりした場は苦手だが、ある程度態度を取り繕う事は出来る。
・悪人ではないのだが、犯人より犯人らしい凶悪な笑みを浮かべている事がある。一応、善人ではあると思うのだが、子供には怖がられる。